ヨーロッパ美術研修活動記録4
- 公開日
- 2023/03/31
- 更新日
- 2023/03/31
学校の様子
(ヨーロッパ美術研修 3月20日〜27日)
●3月24日
午前中は、陶器の修復、銅版画、製本、皮細工4つの工房巡りをしました。どの工房も職人の技やプライドを感じられ魅力のある時間でした。
特に印象的だったのは、陶器の修復では、美術館からの依頼を受けたものやオークションに出品される前の15世紀の修復中の作品も見れ職人の信用の高さが感じられました。
修復も単に元通りの復元ではないようです。依頼者によっては完全に復元するものから復元跡を残すものまで内容は幅広いみたいです。あくまでも依頼者の思いや希望に寄り添いより良い形の創造的な修復を心がけていられると感じられました。
また有名な彫刻家の作品の修復を手がけることもあり、作家の仕事ぶりやその工夫に触れその作家の仕事にダイレクトに感じ取れる喜びも語られていました。歴史的なものにはその当時の素材や表現形式等も細かく調査すると説明されていました。技術的のみでなくクレバーな仕事でもあると思いました。パズルのような仕事かつ創造的でご本人達も仕事を始めたきっかけはたまたまと謙遜して話されるものの修復という仕事に魅力を見出し誇りを持たれる姿には素敵だと感じました。他に金継ぎの話題もあり、ヨーロッパでは壊れたものは価値が無いものになるが、日本の壊れたものから新たな命を吹き込む金継ぎの考え方に感銘を受けたと話されているのも印象的でいくつになっても学ぶ姿勢を維持されているので仕事に対する真摯な姿勢に尊敬の念を抱きました。
午後のマーブル紙作り体験では孔雀模様の作り方を始めとした技術的なデモストレーションを行ってもらった後、一人一人色を選択して自分のマーブル紙を作成しました。色によって広がり方が異なったり、さす順序が異なります。教えてもらったテクニックを選択、組み合わせて生徒は楽しそうに作成していました。
工房見学、マーブル紙体験は美術に関わるものとして、自身の「好き」とどう向き合うか考えさせてくれる体験でした。銅版画、製本、革職人さんどの見学も手作業の美しさや機械、大量生産では生み出せない魅力は、AIでは実現不可能で人同士の関わりから生まれるものだと思えた。街中にたくさんの種類の職人たちがいるのは、減少しているとはいえ、なくてはならない存在であり守られなければならないものと感じました。日本はそう思うとさらに危機的な状態なのかもしれません。生徒も同じように感じたのではないかと思われます。