後期始業式 校長の話
- 公開日
- 2022/10/12
- 更新日
- 2022/10/12
校長室ウェブログ
(後期始業式)
後期が始まるにあたり、いくつかの話をしたいと思います。
まずは「美工作品展」いかがでしたか。4600名という方が来場くださり、皆さんの作品を見ていただきました。そして多くの方に褒めていただきました。また、本校の教育に対し、温かい激励もいただきました。
来場者アンケートのコメントを少し紹介します。「限られた期間で作品を仕上げられたと思えないような力作揃いで、生徒さんたちの才能は素晴らしいと思います。」「芸術に疎い自分でも楽しめました。生徒一人ひとりが、素晴しい作品を作り上げていることに驚きと感動がありました。」「作品の説明をお願いしたら、わかる範囲で教えてもらえ、声をかけて良かったです。」「生徒さんと交流できたら、更に作品を理解できそうだなと思いました。」
また、本校受検を目指している中学生からは、「全ての作品からその生徒自体の思想や繰り広げる世界が読みとれ、とても素晴らしかったです。色彩、形、物の表現など私の想像する物と異なる物ばかりで驚きました。私は銅駝受検を考えている者ですが、いずれこのような素晴らしい作品が制作できるような人になりたいと思いました。また、受検に向け頑張ろうという思いもより一層強まりました。」というコメントをいただきました。意見の中には要望等も書かれていますので、いただいた意見を学校としてしっかり受け止め、今後の作品展をより良くするために活かしていきたいと考えています。
皆さんの作品は、自分の手を離れ、見ていただいた人の心を揺さぶりました。皆さん自身はどうですか。私は作品展で当番にあたっている人に声かけをし、思いを語ってもらいました。人に語ることは非常に大切な学びです。客観的に自分を振り返り、自分でも思ってもみなかった言葉が出てくることもあります。皆さんは本当に色々なことを考えていました。5 日間の作品展を終え、自分の作品と対話をしたり、他者の作品と対面したりして、何を考えましたか。様々な思いを持ったのではないでしょうか。その思いを次なるステップアップのために大切に育ててください。それが皆さんをきっと変化させてくれます。
もう一つ皆さんにお伝えしたいこと。それは新校章のことです。
美工作品展の初日にお披露目式を行いました。皆さんの中にも参加してくれた人がいます。ありがとう。さて、本校が来年4月、新築移転し、「京都市立美術工芸高等学校」と校名を改称、更なる飛躍をとげるため、校章を全国の方から公募し、この度このデザインを選びました。新校章のコンセプトはすでにホームページにも掲載していますので、ここでは紹介を控えますが、この校章に込めた想いを伝えたいと思います。
「感性がきらめき、視野が広がり、積み重なって新しい『美』がつくられる。それは、あなたが “美しい” 何かと出会った時に抱く『わくわく』する感情が、やがてまた誰かに感動を与える『わくわく』を作り出していく、ということ。この京都という魅力あふれる文化と伝統が息づく地を足場に『美』を通して、生徒・地域と共に世界に新しい価値を創造していく学校でありたい。 このような想いを表しています。
この校章は新しい学校のシンボルとして、皆さんと一緒になって、育てていきたいと考えています。3年生の皆さんもよろしくお願いします。
最後に、今日から後期授業が始まります。そこで私から皆さんにお願いがあります。それは学び方についてです。
皆さんは「学ぶ」ということをどのように考えていますか。私は、知識や能力を定着させ、実社会で活用できる状態にすることが学びの本質だと考えています。学校や家で、教科書を読む、授業を聞く、動画を視聴する、調べる、問題を解くなどの学校が課題を出して行なっている教育活動の学びだけでなく、主体的な行動、例えばニュースを見る、本を読む、学校の教育活動以外のことに挑戦する、友人と雑談をする、これまで行ったことのない場所に行くなど、様々なことに興味を持ち、行動を起こすことが大きく学びに影響してきます。
皆さんは、美術に興味があり、本校に入学してきました。描くことやものづくりが好きということは、日頃からの授業を見ても、美工作品展を見ても、よく分かります。自分が本気で好きなことであれば、「上手くなりたい」「もっと知りたい」「その道を極めたい」といった感情が湧いてくるものです。そして、学校生活の中で様々な知識や経験をもとに作品づくりを行っています。では、これから、さらに質の高い学びを目指すには何にどのように取り組めば良いのでしょうか。わたしはその鍵が失敗の過程があっても結果が出るまでの試行錯誤を諦めない「粘り強さ」にあると思います。それは、一つひとつの課題に丁寧に向き合い、自分なりの問いを立て、正解を自分なりに模索する、創意工夫の道なりです。創意工夫の道なりで必要となる力は、自分を客観的に見る力、批判的思考力、課題解決力、やり抜く力などです。試行錯誤の過程で自分の課題に気づき、自己修正していく体験こそが生きた学びであり、一生ものの能力であると私は考えています。指示されたことだけをこなすだけでは未来の自分も世の中も良くはならないのです。これは作品制作の場だけのことを指しているわけではありません。全ての学びや取り組みに当てはまることは付け加えさせていただきます。
作品展は終わったばかりですが、皆さん、来年の今頃はどうなっていたいですか? 3年生は卒業後の自分の姿を思い描き、1・2年生は1年後の作品展でさらにステップした自分の姿を思い浮かべてみましょう。
なりたい自分になるために、今日から自分の行動一つひとつを意識しながら過ごしてみてください。 意識するということは、一つひとつの行動が自分を成長させる大切な体験であり、時間はその体験の積み重ねでつくられるということを自覚するということです。小さな一歩が積み重なった先に、変化が必ず訪れます。ここにいる一人ひとりが、必ず成長を遂げることができます。半年前や1年前の自分を振り返ってみてください。小さなことも大きなことも様々あるでしょうが、できるようになったことが必ずあるはずです。自分を信じて、日々を送りましょう。
これが皆さんに後期が始まる今日、伝えたかったメッセージです。
卒業式や終業式を迎える日、また一つ成長した皆さんの姿に出会えることを期待して始業式の挨拶の言葉とします。
令和4年(2022)10月12日
校長 名和野新吾