学校日記

インターンシップ受け入れ企業様に感謝

公開日
2011/01/20
更新日
2011/01/20

校長室から

洛陽の校長の恩田です。就職超氷河期と言われるなか、おかげさまで就職希望者の進路希望を変更することなく内定100%達成を実現できそうです。寒い中、本校2年生全員が2月当初に取り組むインターンシップの説明会・打ち合わせ会に多数の企業様がご来校くださいました。来年度の教育課程の質向上においてもキャリア教育の視点で各科目の目標見直しを行う必要があり、昨年の本取組以来考えてきたこともありますので、企業様へのあいさつに代えて問うてみたいと思います。
「キャリア教育」に関する認識は、希望の進路実現を目標とした進路指導に加え、一人一人のキャリア発達や個人としての自立を促す視点へと進化を遂げています。本校は、教育目標(人財育成目標)として「豊かな人間性と柔軟な発想に基づく課題探究能力と問題解決能力の育成(自律創造型人財の育成)」を掲げ、京都市立高校改革を進めています。「キャリア教育」も技術の習得に加え、「課題探究力と問題解決能力の育成」に重きをおき、1年生時における早期の取組として「キャリア形成支援授業」に挑戦しています。この授業の特徴をあえてあげれば、その教育手法と専門外の高校教員が多くの学外の方々の協力を得て試行錯誤しながら実施しているという点にあるかもしれません。その取組の一環である本インターンシップも含めた教育手法を「社会協働教育」と称しています。本報告が、「キャリア教育」に何らかの視点を加えるとすれば、この教育手法ではないかと考えております。
高校教育をキャリア形成支援という視点から見直す際に重要なのは、生徒たちにどのような能力を付けるかという視点です。アウトプットからアウトカム型の授業計画が求められます。教育組織として、意識的に「能力」の内容及びその形成プロセスについて考えることが弱かったように思います。生徒と高校を取り巻く状況は大きく変わり、キャリア形成という視点から、意識的に考えなければ、学習のモティヴェーションが成り立たなくなってきます。つまり、高校は社会から、単に知識への習熟度ではなく、生徒が身に付けた能力の質によって成果を示すように求められるようになったわけです。
本校は、5年前より、「自律創造型人財」の養成を目指して教育改革を進めてまいりました。「自己と社会の関係を認識し、自ら目標を設定して計画的・創造的に行動できる人財」であると考えています。私たちは、知識、技能を社会に活用できる「知恵」に転化させる教育の仕組をこれまでの教育に付加することで課題を解決しようとしています。インターンシップこそが「社会協働教育」と呼べる新たな具体的な仕組みといえます。「社会協働教育」は、社会人や企業様を教材として活用させていただくことでする。つまり、高校外の社会(個人、組織・団体)と協働(コラボレーション)して生徒の成長を支援し、社会人や「現場」を教材として活かす授業を通して、社会人基礎力を総合的に育むのがねらいとしております。生徒は、本来、地域・社会、特に多様な「おとな」と接しながら多様な体験をすることを通して社会性と自己効力感を養っていくべきですが、これが出来ていない。この問題を早期に解決する上で、低学年次における「社会協働教育」が有効であると仮説づけております。一般的に言われているように、本校生も総じて「学ぶ音欲」が低く、「主体的に学ぶ姿勢」や「粘り強く考える力」が弱く。そのためか、「単位」を取得して、進路を決め、卒業するための勉強に汲々として、新たな領城への挑戦や困難と思われる課題への挑戦を避ける傾向があります。「学びの三大習慣病」一考えることの放棄(「無理」「わからん」)、人の考えへの安易な依存(「批判的精神の欠如」)、偏食(「興味ないので考えたくない」)一が蔓延しているように思います。こうした状況に潜む問題の原因として、「社会性」の弱さとそれに関係する「自己効力感」の希薄さにあると考えています。「社会性」が高まると他の評価が高まります。
企業様への就職内定や大学等の合格が、生徒たちにとっての最終目標ではありません。高等学校としてきちんとした知識や基礎学力を身につけることを最低目標とし、工業に関する専門高校として専門領域の基礎的基本的知識技能の習得とキャリアを形成し、部活動、特別活動、ボランティア活動等を通して人との関係をつくることができ、さらに人の話を聞き自分の考えを持ち、それを人に伝えるという、真の意味でのコミュニケーション力を身につけることが求められています。本校での学習や生活を通して、社会が求めている力を是非身につけ、自分で考え自分で決めながら生きていくこと、目標を持つことの大切さにも気付き、成長していってほしいと願っております。自分への自信のなさも、自信過多も、若者の成長の課題であると感じております。生徒たちは3日間のインターンシップを通して、自分と社会との関係性を理解する必要性を痛感し、今後の職業研究や就職活動を通して、自分自身を認識することができ、確実に成長していきます。本校といたしましても、社会の変化に対応しながら生徒の教育・指導をさらに充実させていき、変化に積極的に対応することで組織の自己革新力をつけていきたいと考えております。
インターンシップは人財育成の有効な手段です。ただし、目的ではありません。この後が問題です。お世話になりました皆様の社会貢献にお応えするために、人財として社会に貢献する所存です。是非、志高く、厳しいご意見と激励をいただき、「社会協働教育」の先進校を目指したいと思います。状況の決してよくない時代にあって、本事業も含めた社会貢献活動にご支援下さった皆様のお志には教育成果でお応えさせていただきますとともに、志高い皆様方のますますのご盛栄を心より祈念いたします。