学校日記

第47回卒業証書授与式 校長式辞

公開日
2022/03/15
更新日
2022/03/15

校長室から

    式 辞

ただいま「令和3年度 第47回卒業証書授与式」において、伝統と歴史ある大淀中学校を巣立ち行く101名の皆さんに卒業証書を授与いたしました。
卒業生のみなさん『卒業おめでとう』
いま、皆さんの胸中は過ぎ去った中学校生活3年間の数々の思い出と未来への希望とで、さぞ一杯のことだと思います。
今日のこの喜びと感激を迎えることができたのは、皆さん自身のたゆみない努力もさることながら、お家の方、保護者の方々の限りない愛情と小中学校の教職員の熱心な温かい指導、そして地域の方々が、皆さんの成長を影になり、日向になり、見守りご指導いただいた賜です。
このことを深く心に刻み、これからも感謝の気持ちで応えてほしいと思います。

さて皆さん、3年間を振り返ってみてどうでしたか?
この大淀中学校で過ごしたかけがえのない日々は、皆さんにとって、一生の宝物になると私は確信しています。
そんな皆さんが、3年間、大淀中学校で来る日も来る日も「自分磨きの旅」をして、いろいろな努力を続けてくれました。
中でも皆さんと一緒に行った修学旅行のことは忘れないでしょう。
特に初日、男子の皆さんと湯けむりたっぷりの露天風呂に一緒に入ったことは、とても楽しいひとときとなりました。また、天竜川でのラフティングをはじめとする数々の自然体験は、皆さんを童心に返らせ、そして命の洗濯をしてくれたのではなかったでしょうか。
コロナ禍によって数々の行事を変更、中止をせざるを得なかった中、辛抱に辛抱を重ねてきた皆さんが、いきいきとして楽しんでくれている姿を見て、私は胸が熱くなりました。
そして皆さんは、様々な思いを持ちながらも、決して後ろ向きにならず、大淀中学校を誇りの持てる学校へと前進させてくれました。3年間の授業はもちろん、体育大会や合唱コンクール、そして熱い日々を送った部活動など、皆さんにとって、これらの日々は振り返ると本当にかけがけのない青春の1ページになったことでしょう。
しかし、思春期真っ只中のみなさんは、時には、悩み、苦しみ、自分のことで精一杯の時もあったのではないでしょうか。
仲間とぶつかったことも、今となっては良い思い出になっているかもしれません。
特に1年生の時には、先生方の手を焼かせることが多々ありましたね。
先生方は夜遅くまで、どうしたらみんなに思いが伝わるのか、一生懸命考えて考えて日々を迎えていました。今でこそ、強い信頼関係で結ばれている皆さんとの関係ではありますが、その時の先生方の苦労は相当なものでした。私はその当時、学年主任の堀内先生にこう話をしました。「先生方の子ども達への関わりは、間違いなく正しい方向に進んでいますよ。その思いは絶対に伝わるときが来るからね。今進んでいる道を決して諦めないで、真っ直ぐ進んでいってね。あの子らは絶対に分かってくれるから」と。
皆さんは何回も失敗したかもしれません。でも、皆さんはこの温かい先生方の思いをしっかりと受け止めてくれたと思います。そんな皆さんは幸せ者です。こんな素晴らしい教職員に出逢えたのだから。
でも、もっと幸せなのは、皆さんと出会えた私達の方です。こんなに思いを汲んでくれる子ども達はどこにもいません。大淀中学校の教職員を代表して、私は今、皆さんに心から「ありがとう」と感謝したいと思います。

さて、今日の卒業に当たり、私は、2つの話を皆さんに贈りたいと思います。
1つ目は「人生に無駄なことはない」ということです。
これからの人生の中で、皆さんは大きな痛手を受けることもあるでしょう。
時には信じていた人に裏切られたり、思わぬ事故やハプニングで、
心の傷が癒えない苦しみを味わうこともあるかもしれません。
時には自信を失い、孤独を感じてしまうこともあるでしょう。
そんなピンチの時に最も大切なことは、何だと思いますか?
それは自分自身の考え方です。
その苦しみの中からどう立ち上がるか?
これこそがその人の人生の価値を作っていくのだと私は思います。
この苦しみをどうとらえ、どう乗り越えていくのか?
答えは誰も教えてくれません。
自分で探すしかないのです。
心のコップを上向きにして、
人生をゆっくりで良いから一歩ずつ一歩ずつ進んで欲しいと願っています。
すると必ず、苦しかったこともいつかきっと、皆さんの人生にとっての肥やしになるのです。
そういう私にも本当に苦しいときがありました。そんな中、奈良県にある東大寺の大仏さんを観に行ったときのことです。大仏さんの表情をみていると、自分の苦しみすべてを受け止めてくれるような気持ちになりました。と同時に、ここに答えはなく、その答えはいつも自分の中にあるんだなと思いました。だから自分の考え方次第で、苦しみも決して無駄にはならないのだと。いつかそれは必ず人生の引き出しの中で生きてくることがあるんだと。

2つ目は「仏様の指」という話をしたいと思います。
「仏様があるとき、道ばたに立っていらっしゃると、一人の男が荷物をいっぱい積んだ車を引いて通りかかった。そこは大変なぬかるみであった。車は、そのぬかるみにはまってしまって、男は懸命に引くけれど、車は動こうともしない。その時、仏様は、しばらく男の様子を見ていらっしゃいましたが、ちょっと指でその車にお触れになった。その瞬間、車はするっとぬかるみから抜けて、からからと男は引いていってしまった。」

困っている君、頑張ろうとしている君を「仏様の指」になり、皆さんの背中にそっと触れてくれたのは、誰だったのでしょうか。
つい先日完成し、上映された学年製作映画「今、君を」
これは学年主任の堀内先生が脚本され、震災や戦争の恐ろしさ、残酷さ、そして平和の大切さを知るために皆さんが3年間で学んだすべてをこの映画のひとつひとつの台詞に込めてできあがりました。学年全員で取り組んだ、まさに「伝説」に残る作品となりました。私達はこれからの人生において、命を大切に、そして日々の中で、他人の気持ちも大切にしていくことを学んだと思います。
この温かい関係にあるように、まさに生徒と先生の距離が近く、そして、いっぱいの「仏様の指」があった学年だったのではないでしょうか。
校長として、その「仏様の指」になった全ての教職員に言葉に言い表せないほど、感謝をしています。


保護者の皆様に、高いところからではありますが、ひとこと、お祝いを申し上げます。
本日は、お子さまのご卒業、誠に、おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
ここまで育ててこられた十五年間は、一言では言い尽くせないご苦労があったと思います。
今日のこのご卒業の感激は、感慨無量のことと思います。
しかし、そんなご苦労があって、こんなにも素晴らしく心温かい子どもに成長してくれたのだと思います。
本校では昨年度から「明朗・公正で卑屈でなく、やり出したら最後までやり抜く」という
大淀スピリットを掲げ、学校教育目標を「自主・自律の態度と共生の心を育てる」として、教職員ひとつになって取り組んできましたが、生徒達にどれだけ力がつけられただろうか自問自答しております。
時には、我々の力不足により、そのお気持ちを汲むことができないこともあったかもしれません。
本日、義務教育を終了したとはいえ、これからが本当の勉強であると思います。
どうか、一層の愛情を持って、心豊かに成長されますようご指導をお願いいたします。

また、ご来賓の皆様方におかれましては、公私ともご多用のところ、ご臨席賜り、花を添えてくださいましたこと、高いところからではございますが、厚くお礼申し上げます。
今巣立つ卒業生、そして在校生ともに末永くご指導いただきますようお願い申し上げます。


卒業生の皆さん、私は大淀中学校の校長として、皆さんを本当に誇りに思います。
この3年間大淀中学校で一緒に生活ができたことをとても幸せに思っています。
本当にありがとう!

結びに、私がどうしようもなく辛いときによく聴き、元気をもらう
長渕剛さんの
HOLD YOUR LAST CHANCEという歌の詩を読み、
皆さんが自分らしく生きていってくれることを願い、万感の思いを込めた私の式辞とします。

傷つき打ちのめされても 這い上がる力が欲しい
人は皆 弱虫を背負って生きている
苦い涙をかじっても 微笑む優しさが欲しい
君が愛にしがみつくより まずは君が強くなれ
HOLD YOUR LAST CHANCE
小手先ではがれ落ちる美しさより
HOLD YOUR LAST CHANCE
一粒の汗の方が良い
二度と走れぬ坂道を登ったら
HOLD YOUR LAST CHANCE

誰かが道でつまづいたら さしのべる思いやりが欲しい
人は皆 寂しさを背負って生きている
頬を突き刺す怖さがあっても 立ち向かう勇気が欲しい
曲がりくねった迷路で 本当の自分を探すんだ
HOLD YOUR LAST CHANCE
テーブルに飾られた薔薇より
HOLD YOUR LAST CHANCE
野に咲く蓮華草の方が良い
二度と走れぬ坂道を登ったら
HOLD YOUR LAST CHANCE
HOLD YOUR LAST CHANCE




                     令和4年3月15日
                   京都市立大淀中学校
                    校 長 油谷 昇