学校日記

令和3年度第47回入学式(その5 校長式辞)

公開日
2021/04/07
更新日
2021/04/08

校長室から

入学式校長式辞
         
新入生102名の皆さん 入学おめでとう。
皆さんの入学を教職員一同、心待ちにしていました。教職員を代表して心より歓迎いたします。
本日は多数の保護者の皆様方、そしてご来賓の皆様のご臨席を賜り、令和3年度第47回入学式が挙行できますことを、高いところからではございますが、心より御礼申し上げます。

新入生の皆さん、皆さんは今日から伝統と歴史ある大淀中学校の一員となりました。
児童から生徒へと呼び名も変わります。この呼び名の変化には、皆さんが大人に一歩近づいたことを自覚してほしいという願いが込められています。
今、壇上から まっすぐにこちらを見てくれている清らかな目を見ていると、皆さんの心のコップが上を向いていることがよくわかります。この心の姿を「初心」と言います。
どうか、この気持ちを忘れないでいてほしいと思います。 
 
これからお話しをする前に、まず皆さんと最初に約束をしたいと思います。
それは「2つの絶対」です。
1つ目の絶対は、私たち大淀中学校の教職員は何があっても皆さんを「絶対に守りきる」ということです。皆さんを愛し、大切にし、信じ、これからの3年間、皆さん一人ひとりを見守り、共に成長できる学校生活を送っていきたいと思います。
2つめの絶対についてです。それは「絶対に人の心を傷つけない」ということです。
今から12年前に、親御さんからいただいた皆さんの命はたったひとつ。一度きりの存在なのですよ。
だから自分の命を大切にしなければならないと共に、他人の命も心も大切にしなければならないのです。皆さんがここにいてくれるだけで、そして、生まれてきてくれたことだけで、本当に素晴らしいことなのです。皆さんの大切な大切な人生を、それぞれが自分の足で歩いて行きます。その中で、どんな理由があっても、仲間の心を傷つけることがあってはいけません。
皆さん、どうかこの「2つの絶対の約束」を忘れないでいて欲しいと思います。
 
さて、これから入学にあたり、皆さんに2つの話をします。 
1つ目は「不思議な竹のお話」です。中国には不思議な竹があるそうです。
その竹は緑色に輝く種を植えた後に、農家の人たちが肥料と水を与えて育てるのですが、1年目は何も起こりません。2年目も一生懸命、水と肥料を与えますが、芽が出るわけでなく、土が膨らむわけでもなく、何の変化もありません。それでもあきらめることなく、農家の人たちは肥料を与え続けますが、3年目も4年目も何も起こりません。しかし、5年目のある雨の日の明け方を境に突然、成長を始め、わずか6週間で27CMを超える高さにまで成長します。人々の目には、すさまじい勢いで成長する6週間しか見えません。でも実は、その前に、何も起こらない4年間があったのです。
皆さんの人生もこの竹に似ています。この竹のように、ある時期を境にすさまじい勢いで皆さんの才能が花開く時期がきっとあります。しかし、やっても、やっても何も起こらない、努力しても、しても、何の成果も出ない時期があります。ただし目には見えませんが、その時こそ、地面の下では将来の成長に備え、どんどん下へ下へと根を生やしているのです。この根のことを昔の人は「いのちの根」と言いました。これから始まる中学校生活は、まさに皆さんの「いのちの根」を下へ下へと伸ばす時期とも言えます。日々の生活は楽しいことばかりではありません。我慢したり、耐えたりしなければならないこともたくさんあります。しかし、その時こそ、皆さんの「いのちの根」がしっかりと伸びていると自覚して欲しいと思います。ある日を境にすさまじく成長するその時まで「自分探しの旅」をしていって欲しいと思います。
 
2つ目のお話です。大淀中学校には「大淀スピリット」というスローガンがあります。
それは「明朗公正で卑屈でなく、やり出したら最後までやり抜く」というものです。
まず「明朗」とは明るく元気な挨拶。プラス思考。心のコップが上向きなことです。歌声が響く学校も目指したいと思います。
「公正」とは正しい判断ができることです。先ほども述べたように他人を傷つけるようなことがあってはいけません。いじめや差別を絶対に許さない人権意識。さらにフェアプレイの精神も含みます。
そして大事なことは「卑屈でない」ということです。
先ほどから何度か出てきていますが、人間は心のコップが上を向くか?それとも下を向くか?
この差が積もっていけば、これからの人生においてものすごく大きな差がつくと思います。「どうせ」という言葉は言う方も聞く方も決してうれしいものではありません。だからつらいこともあったとしても、決して「どうせ」という言葉を使わず、卑屈にならないでほしいのです。
最後に「やり出したら最後までやり抜く」ですが、これはまさに字のごとくチャレンジ精神とネバーギブアップの精神です。ネバーネバーネバーネバーギブアップの気持ちを持ってほしいと思います。おうちの方々はもちろんですが、教職員みんなも全力で応援します。
 
保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。これから3年間、皆様が大切に育ててこられたお子様を精一杯お預かりさせていただきます。3年間には本当に様々なことが起こると思いますが、我々教職員を信じていただき、お子様が自立した人生を歩むための道のりを共に走っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。中学生をもたれた保護者の中には、「中学生になったし、やっと手が放れるわ!」とお思いの方が多くおられます。しかし、多くの先輩方が経験されたとおり、中学時代に迎える思春期は、大人の支えが一番必要な時期です。
心理学に「ヤマアラシのジレンマ」という話があります。
「ある寒い日、ヤマアラシの親子が 身体を寄せ合うと、お互いの針で血だらけになり、お互いを傷つけ合ってしまいました。そして、あまり離れすぎると寒くてたまりません。そこでお互いの針で傷つけないちょうど良い距離まで近づいて、二人は安らかに過ごすことができました。」 
自立しようと頑張っているお子様をヤマアラシの親子のように、ちょうど良い距離、つまり「つかず、離れず」そして「急がず励まして」温かく見守ってあげてほしいのです。そして、子どもに「やる気」を出させるほめ上手な親になってほしいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 
 
最後になりましたが、早朝よりご臨席賜りましたご来賓の皆様、本日は誠にありがとうございました。
新入生のこれからの中学校生活を、温かく見守っていただき、変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは新入生の皆さん、結びにひとつの言葉を紹介します。
それは元プロ野球阪神タイガースなどで監督をされた星野仙一さんの「迷ったら 前に出ろ」という言葉です。
私自身が人生の中で、いつも心にとめている言葉です。
「迷ったら 前へ 
 苦しかったら前に 
 つらかったら 前に 
 後悔するのはその後 ずっと後でいい
 前に進んで 後悔するならいい 前に進むことで 
 たとえ失敗しても 後悔は半分消えるのだから 
 迷ったら 前へ」
2年生、3年生の先輩達と、我々教職員と共に、素晴らしい大淀中学校生活が送れることを期待し、そしてこのような状況の中、皆様のご協力のおかげをもちまして、入学式が挙行できましたことを御礼申し上げ、私の式辞といたします。
令和三年四月七日 京都市立大淀中学校 校長  油谷 昇