学校日記

第46回卒業証書授与式 校長式辞

公開日
2021/03/15
更新日
2021/03/15

校長室から

卒業生たちが未来へと羽ばたいていきました。
胸を張って堂々と花道を引き揚げるその勇姿。
本当に素晴らしかったです。
凜とした空気の中で行われた本日の卒業証書授与式。
背筋がしっかりと伸び、まっすぐにこちらに向ける視線が痛いほど伝わりました。
卒業生たちは本当に立派な態度で今日を迎えてくれたこと。心から感動しました。
保護者、地域の方々、そして在校生の心にも十分伝わったことと思います。
3年間の万感の思い。この思いを胸に新たな人生の扉を開けて、人生を切り開いて欲しいと思います。

以下、校長式辞です。


校長式辞
ただいま「令和2年度 第46回卒業証書授与式」において、
伝統と歴史ある大淀中学校を巣立ち行く102名の皆さんに卒業証書を授与いたしました。
卒業生のみなさん、「卒業おめでとう」
今、皆さんの胸中は過ぎ去った中学校生活3年間の数々の思い出と
未来への希望とで、さぞ一杯のことだと思います。
今日のこの喜びと感激を迎えることができたのは、
皆さん自身のたゆみない努力もさることながら、
お家の方、保護者の方々の限りない愛情と小中学校の教職員の熱心な温かい指導、そして地域の方々が、皆さんの成長を影になり、見守りご指導いただいた賜です。
このことを深く心に刻み、これからも感謝の気持ちで応えてほしいと思います。

この学年は一緒にいると、自然に心が安らぐそんな温かい学年でしたね。
私がいつも「元気ですか!」と声をかけると笑顔で応えてくれる。
そんな温かいみなさんが、3年間、大淀中学校で来る日も来る日も
「自分磨きの旅」をして、いろいろな努力を続けてくれました。
入学直後は期待と不安もあったことでしょうが、学校生活が慣れていくにつれ、たくさんの友達ができ、体育大会や合唱コンクール、そして毎日の部活動にも精一杯頑張ってきました。

しかし昨年の3月、そんな充実した日々が突然、一変しました。
新型コロナによる休校、各種行事や大会、コンクールの中止や延期など、
「何で僕たち私たちの学年だけ、こんな思いをしなければいけないのか?」と、とても悔しい思いをされたことと思います。
我々大人にとっても初めてのことで、皆さんにどうやって寄り添ってあげれば良いか自問自答しながらの1年でした。

そんな日々の中でも皆さんと一緒に行った修学旅行のことは忘れないでしょう。
神戸フルーツフラワーパークでのバーベキュー、
淡路島での乗馬やイルカとのふれあい、シーカヤック体験など
辛抱に辛抱を重ねてきた皆さんが、いきいきとして楽しんでくれている姿を見て、私は胸が熱くなりました。
吉野川でのラフティング体験は急流にボートを揺らされながらも、
仲間と協力して波を乗り越え、ゴールまでたどり着いたその表情には
とても充実したものがありました。
まさに2学期はその直後に体育大会、合唱コンクール、そして進路決定と
怒濤の日々だったと思います。
特に合唱コンクール、本当に熱かったですね。
皆さんの心と心が触れ合い、素晴らしいハーモニーとなりました。感動の一日でした。
そして皆さんは、様々な思いを持ちながらも、決して後ろ向きにならず、
大淀中学校を誇りの持てる学校へと前進させてくれました。
思春期真っ只中のみなさんは、時には、悩み、苦しみ、自分のことで精一杯の時もあったのではないでしょうか。
仲間とぶつかったことも、今となっては良い思い出になっているかもしれません。
でも皆さんはそれらを乗り越え、仲間のために、後輩たちのために、
そして大淀中学校のために、頑張ってくれました。
私は今、皆さんに心から「ありがとう」と感謝したいと思います。

さて、今日の卒業に当たり、私は、2つの話を皆さんに贈りたいと思います。
1つ目は「困難に直面したとき、最初からできない理由を探すな」ということです。
「困難はそれを乗り越えることのできる人にのみ与えられる」といわれています。
これからの人生の中で、皆さんは大きな痛手を受けることもあるでしょう。
信じていた人に裏切られたり、思わぬ事故やハプニングで、
心の傷が癒えない苦しみを味わうこともあるかもしれません。
時には自信を失い、孤独を感じてしまうこともあるでしょう。
人生はまっすぐの平坦な道ではなく、曲がりくねった迷路のように、
行き先さえ見つかりにくいこともしょっちゅうです。
そんなピンチの時に最も大切なことは、何だと思いますか?
それは自分自身の考え方です。
成功者といわれる人達は共通して、とんでもない苦しみを乗り越えてきた経験をそれぞれお持ちです。
その苦しみの中からどう立ち上がるか?
これこそがその人の人生の価値を作っていくのだと私は思います。
この苦しみをどうとらえ、どう乗り越えていくのか?
答えは誰も教えてくれません。
自分で探すしかないのです。
だからこそ、最初からできない理由を探して欲しくないのです。
今年掲げた大淀スピリットの中に「卑屈でなく」という言葉があります。
まさに卑屈になることなく、心のコップを上向きにして、
人生をゆっくりで良いから一歩ずつ一歩ずつ進んで欲しいと願っています。

2つ目は「仏様の指」という話をしたいと思います。
「仏様があるとき、道ばたに立っていらっしゃると、一人の男が荷物をいっぱい積んだ車を引いて通りかかった。そこは大変なぬかるみであった。車は、そのぬかるみにはまってしまって、男は懸命に引くけれど、車は動こうともしない。その時、仏様は、しばらく男の様子を見ていらっしゃいましたが、ちょっと指でその車にお触れになった。その瞬間、車はするっとぬかるみから抜けて、からからと男は引いていってしまった。」

困っている君、頑張ろうとしている君を「仏様の指」になり、
皆さんの背中にそっと触れてくれたのは、誰だったのでしょうか。
昨年の6月、学校が再開した時、学年主任の小林先生が、
「君たち一人ひとりが協力し合い、助け合いながら自分自身を大切にして、進路実現をして欲しい。3年の教職員みんなで応援してるよ」と言われましたね。
この温かい言葉にあるように、まさに生徒と先生の距離が近く、
そして、いっぱいの「仏様の指」があった学年だったのではないでしょうか。
校長として、その「仏様の指」になった全ての教職員に言葉に言い表せないほど、感謝をしています。
 (一部省略)
保護者の皆様に、高いところからではありますが、ひとこと、お祝いを申し上げます。
本日は、お子さまのご卒業、誠に、おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
ここまで育ててこられた十五年間は、一言では言い尽くせないご苦労があったと思います。
今日のこのご卒業の感激は、感慨無量のことと思います。
しかし、そんなご苦労があって、こんなにも素晴らしく心温かい子どもに成長してくれたのだと思います。
本校では今年度「明朗・公正で卑屈でなく、やり出したら最後までやり抜く」という大淀スピリットを掲げ、学校教育目標を「自主・自律の態度と共生の心を育てる」として、教職員ひとつになって取り組んできましたが、生徒達にどれだけ力がつけられただろうか自問自答しております。
時には、我々の力不足により、そのお気持ちを汲むことができないこともあったかもしれません。
本日、義務教育を終了したとはいえ、これからが本当の勉強であると思います。
どうか、一層の愛情を持って、心豊かに成長されますようご指導をお願いいたします。
また、ご来賓の皆様方におかれましては、公私ともご多用のところ、ご臨席賜り、花を添えてくださいましたこと、高いところからではございますが、厚くお礼申し上げます。
今巣立つ卒業生、そして在校生ともに末永くご指導いただきますようお願い申し上げます。

結びに卒業生の皆さん、大淀中学校の校長として、皆さんを本当に誇りに思っています。
この3年間、大淀中学校で一緒に生活ができたことをとても幸せに思っています。
本当にありがとう!

最後に3年生最初の学年集会で皆さんに贈った相田みつをさんの詩を読み、皆さんが自分らしく生きていってくれることを願い、私の式辞とします。

      道

長い人生にはなあ
 
どんなに避けようとしても

どうしても通らなければならぬ道というものがあるんだなあ

そんなときは その道を黙って歩くことだな

愚痴や弱音を吐かないでな
 
黙って歩くんだよ ただ黙って

涙なんか見せちゃダメだぜ

そしてなあ そのときなんだよ
 
人間としてのいのちの根がふかくなるのは

               みつを
                       令和3年3月15日

                        京都市立大淀中学校
                        校 長 油谷 昇