学校日記

入学式校長式辞

公開日
2020/04/07
更新日
2020/04/07

校長室から

式 辞

 新入生123名の皆さん 入学おめでとう。
皆さんの入学を教職員一同、心待ちにしていました。
教職員を代表して心より歓迎いたします。
本日は多数の保護者の皆様方、そしてご来賓の皆様のご臨席を賜り、令和2年度第46回入学式が挙行できますことを、高いところからではございますが心より御礼申し上げます。

さて、新入生の皆さん、皆さんは今日から歴史と伝統ある大淀中学校の一員となりました。
児童から生徒へと呼び名も変わります。この呼び名の変化には、皆さんが大人に一歩近づいたことを自覚してほしいという願いが込められています。

今、壇上からまっすぐにこちらを見てくれている清らかな目を見ていると、皆さんの心のコップが上を向いていることがよくわかります。
この心の姿を「初心」と言います。
どうかこの気持ちを忘れないでほしいと思います。

入学にあたり、皆さんに2つの話をします。
ひとつめです。
まず皆さんに訊いてみたいことがあります。
それは
「この世の中で一番価値があるものは何でしょうか」ということです。少し考えてみてください。
さあ、わかりましたか?
お金でしょうか?
光り輝くダイヤモンドでしょうか?
格好いい車を持つことでしょうか?
でもこれらはみんな代わりがあるものですね。
私は世の中にたった一つしかない、代わりのないものこそ一番価値があるものと思います。
それは一体何でしょうか?

それは先生の前にいる皆さん、一人ひとりです。
皆さん、自分の手の指を見てください。
そこに指紋がありますね。
自分と全く同じ指紋の人は、世界中どこを探してもいません。
現在いないと言うだけでなく、過去にも、そして未来にも皆さんと同じ指紋を持つ人が生まれてくることはないのです。
過去、現在、未来を通じて、みなさんはたった一度きり。唯一無二の存在なのです。
今から約12年ほど前に、親からいただいた皆さんの命はたった一つ。
一度きりの存在なのですよ。
だから自分の命を大切にしなければならないと共に、他人の命も大切にしなければならないのです。
人はなぜ生まれてきたのか?
それは幸せになるために生まれてきたのです。
ですから誰にもその幸せを奪う権利はありません。

しかし残念なことに、皆さんが生きていく上で、いろんなことで、悲しい思いをして、心に傷がつくことがあります。この心の傷はなかなか治りません。
なぜなら、心の中にある傷に薬をつけようとしても塗れないからです。
転んですりむいたら薬は塗れますが、心には直接手当ができないのです。
でも、心の傷を治す薬が一つだけあります。
それが何かわかりますか?
それは、皆さん一人ひとりの優しい言葉です。
もし、心に傷を受けた人がいたら、優しい言葉で少しだけでも元気にしてあげてください。
温かい言葉で少しだけでも幸せにしてあげてください。
親切な言葉で少しだけでも助けてあげてください。
その優しい言葉がたくさん集まれば、
素晴らしい仲間が増えます。
素晴らしい学級になっていきます。
素晴らしい学年になっていきます。
そして素晴らしい学校になっていくと思います。
それらを作っていくのは皆さん一人ひとりだということを自覚してほしいと思います。

二つ目のお話は、今年から大淀中学校では
「大淀スピリット」というスローガンを作りました。それは
「明朗 公正で卑屈でなく、
やり出したら最後までやり抜く」というものです。
まず「明朗」とは
明るく元気な挨拶。プラス思考。心のコップが上向きなことです。歌声が響く学校も目指したいと思います。

「公正」とは正しい判断ができることです。
先ほども述べたように他人を傷つけるようなことがあってはいけません。
いじめや差別を絶対に許さない人権意識。
さらにフェアプレイの精神も含みます。

そして大事なことは「卑屈でない」ということです。
先ほどから何度か出てきていますが、人間は心のコップが上を向くか?
それとも下を向くか?
この差が積もっていけば、これからの人生において
ものすごく大きい差がつくと思います。

「どうせ」という言葉は言う方も
聞く方も決してうれしいものではありません。

だからつらいこともあったとしても、
決して「どうせ」という言葉を使わず、
卑屈にならないでほしいのです。

最後に「やり出したら最後までやり抜く」ですが、
これはまさに字のごとくチャレンジ精神と
ネバーギブアップの精神です。
ネバーネバーネバーネバーギブアップの気持ちを持ってほしいと思います。
おうちの方々はもちろんですが、教職員みんなも全力で応援します。

さて、保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。

これから3年間、皆様が大切に育ててこられたお子様を精一杯お預かりさせていただきます。

3年間の間には、本当に様々なことが起こると思いますが、我々教職員を信じていただき、お子様が自立した人生を歩むための道のりを共に走っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
中学生をもたれた保護者の中には、
「中学生になったし、やっと手が放れるわ!」と
お思いの方が多くおられます。
しかし、多くの先輩方が経験されたとおり、
中学時代に迎える思春期は、大人の支えが一番必要な時期です。

心理学に「やまあらしのジレンマ」という話があります。

「ある寒い日、やまあらしの親子が身体を寄せ合うと、
お互いの針で血だらけになり、お互いを傷つけ合ってしまいました。
そして、あまり離れすぎると寒くてたまりません。
そこでお互いの針で傷つけない
ちょうど良い距離まで近づいて、
二人は安らかに過ごすことができました。」
 
自立しようとがんばっているお子さまを
やまあらしの親子のようにちょうど良い距離、
つまり「つかず、離れず」
そして「急がず励まして」
温かく見守ってあげてほしいのです。
そして、子どもに「やる気」を出させる
ほめ上手な親になってほしいと思います。
どうぞよろしく願いいたします。
 
最後になりましたが、早朝よりご臨席賜りましたご来賓の皆様、本日は誠にありがとうございました。

新入生のこれからの中学校生活を、温かく見守っていただき、変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは新入生のみなさん、結びにひとつの詩を紹介します。
これは昨年の12月に、この体育館で一人の書道家で文字職人の杉浦誠司さんという方が来られて、この場で生徒たちを見て、感じたままを書にしていただいたものです。
ちょうど体育館の掲示板にも掲げていますので、
これからの3年間で、たびたび目にして励みにしていただきたいと思います。

「負けるな自分
自分に負けるな 自分の可能性を甘く見るな
自分の可能性を信じ、楽しみながら、
一歩一歩前に進み続けて」

2年生、3年生の先輩達と、我々教職員と共に、
素晴らしい大淀中学校生活が送れることを期待し、
そしてこのような状況の中、皆様のご協力のおかげをもちまして、
入学式が挙行できましたことを御礼申し上げまして、私の式辞といたします。
令和2年4月7日 
           京都市立大淀中学校
                    校長  油谷 昇