ちょっといい話−15−
- 公開日
- 2010/12/16
- 更新日
- 2010/12/16
学校の様子
接骨院の待合室で,診察時間が始まる前に待っていたときの出来事です。
待合室の3つの長いすは,すでに9人が座っていました。私は奥のいすに座っていました。そこへ若い男の人が足を引きずって入ってきました。いすに座れなくて立っていたら,彼の前に座っていたおじいさんが,席を譲ろうとして立ち上がりました。男の人は,老人に席を譲ってもらうのは,申し訳ないと思ったのでしょう。「いいです。」と言っていました。
するとおばあさんが「詰めれば座れるよ」と声をかけて2人で座っていた長いすに,4人できゅんきゅんに座りました。みんな体のどこかけがを抱えて治療に来ています。立っているのはつらいことです。でも,自分よりも悪い人を見ると,さっと腰を浮かすことができていました。詰めたり,移動したりしているうちに,自然にみんながあいさつを始めたので,無表情だった待合室のが人たちが次第に笑顔になっていきました。
待合室の声を聞きつけて,診察室の中から,お医者さんがいすを持ってきてくれたので,立ち上がった老人は新しいいすに座ることができました。
また,新しい患者さんが来て,待合室は満杯。4人で座ることになったけれど,ちっとも窮屈な思いはしませんでした。私は奥に座っていたので,様子を見守っているだけでしたが,横に詰めて4人がけで座り,隣の人に会釈をしました。(ぎっくり腰で,私は立つことができなかったのです。)
医院長さんも少し早めに診察を始めてくださり,待合室の混雑は解消しました。親切な病院には,親切な看護婦さんがいます。そして,そこに通う患者さんもお互いが相手をいたわる気持ちが生まれるのでしょう。つらいときはお互い様。ちょっと気を配って動くこと,ちょっとにっこりすることで,痛みも軽くなるようです。
※「無表情だった待合室のが人たちが次第に笑顔になって・・・」怪我をして,たまたま居合わせることになった待合室という空間が,ちょっとした思いやりで,やさしく暖かな空間へと変わっていく・・・。人と人との関係を,より豊かで人間的な関係に変えていくのは,やはり人の気持ちに思いを馳せる“心”なんだなあと,あらためて気づかせてくれる「ちょっといい話」でした。