学校日記

一隅を照らす者

公開日
2012/06/07
更新日
2012/06/07

校長室から

 5月中旬の休日に洛北の「大原」に行ってきました。大原は京都大原学院(施設一体型小中一貫校)に勤務していたこともあり大変思い入れのある地域です。大原には鯖街道が通り名産の鯖寿司を食し,三千院を拝観してきました。三千院には音無の滝と呂川・律川の2つの川が流れています。三千院は声明(しょうみょう:法要で僧の唱える声楽)の修行場所でもあります。そのため,言語や音程がはっきりしない様を「呂律(ろれつ)が回らない」という言葉がうまれました。
 大原を散策していると,まず忙しさに感けて失いつつある季節感の大切さを感じ,何よりも人の生き方について考えさせられます。
 特に,「一隅を照らす」という言葉が常に目に入り心に浸みてきます。この言葉は伝教大師・最澄が書いた本に載っているそうです。最澄は,その本の中で「国の宝とは何だろうか。大きな宝石がたくさんあるのが国に宝だろうか。いや,そうではない。一隅を照らす者,それこそが国宝なのだ」と述べています。
 「一隅を照らす」とは,小さな明かりを掲げ,小さな隅を明るく温かくすることです。人の生き方として考えるとき,「自分自身が置かれている場所で精一杯努力し,明るく光り輝くことのできる人こそ,何事にも代えがたい尊いことである」という意味です。なるほどと自分自身の心を引き締めたものです。
 桃山中学校の生徒が,たとえ小さくてもよい,自分の個性と能力にあった明かりを,自分が「こここそ自分の持ち場」と信じる場所を見つけ,周りを少しずつでも明るくするような人に成長してくれたらと思います。