「個性」
- 公開日
- 2013/10/30
- 更新日
- 2013/10/30
校長室から
あるテレビに「オレ流、書の冒険」というタイトルのシリーズ番組がありました。「オレ」とは書家である柿沼康二氏のこと。柿沼氏は「書の風雲児」と言われています。柿沼氏の書の持論は『「臨書」が基本』。臨書とはお手本を写すことです。風雲児と評されるには当たり前すぎます。しかしお手本通りに真似る。その為には、墨の粘り、筆や紙に対するこだわりは半端ではないようです落語は口伝を通して伝わる文化、師匠のお話を真似る事からはじまると言います。書も真似ることから伝わる文化。しかし師匠の真似をいくら努力しても師匠の話しぶりに辿りつけない一線が落語にあるように、書にもいくら努力しても辿りつけきれない一線があると柿沼氏は述べています。さらに、手本を本気で真似よう真似よう として、どんどん「自分」をなくしていって、それでも出てしまうのが自分の個性と述べ、お手本や師匠にどうしても辿りつけないギリギリのところにその人の「個性」があると断言しています。「オレ流」とはそのギリギリの処にある自分を表現しているのでしょう。「オレ流」と言えば、中日前監督の落合氏を思い出しますが、基本に忠実だったと聞きます。今の世の中は「個性」の時代と言われて久しいですが、「個性」とは柿沼氏や落合氏のように基本を忠実にした結果の賜物であるという考え方には、学校や家庭で教育に携わる者には大へん参考になる話しだと思います。