学校日記

卒業式 式辞

公開日
2025/03/14
更新日
2025/03/14

校長室から

式  辞

 穏やかな春風とともに、花の香りも感じられるようになってきた今日のよき日に、保護者の皆様・ご来賓の皆様のご臨席を賜り、令和六年度 第四十四回 京都市立西陵中学校 卒業証書授与式が挙行できますことを、心から感謝し、厚く御礼申し上げます。

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは、この伝統ある西陵中学校の最後の卒業生として、本日をもって、九年間の義務教育の課程を終えることとなります。先ほどの卒業証書授与において、学級担任の呼名に対して、卒業の喜びと未来への決意を込めた返事をしてくれた姿に逞しさを感じました。

 思い返せば、皆さんは、小学生の時に全国一斉の学校休校措置が宣言され、学校生活の大きな変更・制限を余儀なくされました。コロナ禍を経て、ようやく新しい様式での学校生活が始まったのは、中学二年生の五月からでした。以後、それまで思い通りに進められなかった学校生活を取り戻すかのごとく、学力向上の取組や生徒会活動、部活動で一心不乱に活躍してきました。その姿からは、日々確かな成長の証を感じることが出来ました。苦しく、つらい時期もあったでしょうが、諦めることなく最後までやり抜く皆さんには、本校の校是である「正しく 仲良く 逞しく」の精神が根付いていたものと考えます。開校時に掲げられたこの理念を、昭和、平成、令和の時代を超えて、最後まで貫いた皆さんの存在は、学校の誇りであり、地域の誇りでもあります。
 また、「校歌プロジェクト」や「全校一斉アンケート」、「みらいを考える学習」に代表されるように、学校や地域・社会について考える取組は、すべてこの学年から始まった取組です。特に、校歌プロジェクトでは、たて割り道徳や閉校記念動画など、他の多くの活動に波及する素晴らしい成果を残しました。これらの「社会とつながりある学び」は、西陵中学校から洛西陵明小中学校へとバトンがつながれていきます。最上級生として、また最後の卒業生として、大きな功績を残した皆さんに、この場をかりて賛辞を贈りたいと思います。

 さて、仮想空間と現実空間を融合させた人間中心の社会、いわゆる「Society5.0」の時代。個々の生活スタイルから産業の在り方に至るまでの「社会構造の急激な変化」が予測されています。生成AIの発達と普及により、AIが未知の課題の解を創造することができるようになりました。我々には、単なる知識ではなく、知り得た情報から根拠を持って考え、判断する「知性」と、多岐にわたる情報を受け止める「感性」がより必要となっています。今後、視野を世界に向けて自己実現を図る皆さんが、自立した社会・地域の担い手となるためにも当然必要な力です。

 そこで、新たな道に進む卒業生の皆さんに、 二つの言葉を送りたいと思います。

 一つ目は、何事にも率先垂範してほしいということです。率先垂範とは、人に先んじて物事を行い、模範となることです。これから先、何もせず、時間がたつだけで身につくこと、解決することはそう多くありません。自分自身で何かを成し遂げたければ、まず自らが行動に移すことから始めましょう。面倒なこと、避けたいことこそ、率先垂範していきましょう。
 二つ目は、大所高所から考え判断するということです。大所高所とは、「広い視野と高い観点をもって全体を見通すこと。」です。これからの人生は選択と判断の連続になります。一つの判断が皆さんの人生に大きな影響を与えることもあります。例えば、将来就職先を選ぶ際には、自分の興味や得意分野だけでなく、将来のキャリアや社会の様子も考慮しながら選択をする必要があります。自分の知っていることが全てと思わず、謙虚に他者から学び、情報を選択し、折り合いをつけながら、根拠を持った判断を重ねていってください。
 皆さんが義務教育の学びを存分に生かし、大所高所から状況を判断し、何事にも率先垂範できるようにさえなっていけば、これからの人生は少しも恐れることはありません。10年後、20年後、皆さんがさらに研鑽を積み、人生の自己実現を果たしていくことを期待しています。

 さて、ご来賓の皆様、本日は誠にありがとうございます。長い歴史の中で、多くの卒業生がこの西陵中学校を巣立ってまいりました。皆様方のご支援とご協力の賜と、心より御礼申し上げます。西陵中学校という校名はなくなりますが、引き続き、この地域の子どもたち、卒業生たちを、温かく見守り育ててくださいますよう、お願い申し上げます。

 保護者の皆様、お子様たちのご卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝い申しあげます。本日の晴れの姿に、感慨もひとしおのことと存じます。お子様をいつくしみ、育んだ、深い愛情と、尊いご労苦に、心から敬意を表します。また、誠にいたらない点もあったと思いますが、これまでの学校教育へのご協力・ご支援に、深く感謝申し上げます。子どもたちは、いよいよ義務教育を終え、それぞれの新たな道に進みます。これまでの「地域の子」から「社会の一員」へと立場が変わってまいりますが、引き続き、子どもたちを温かく見守り、育て励ましていただきますよう、お願い申し上げます。

 結びに、卒業生の皆さんがこれからの人生で多くのことに挑戦し、それを乗り越え、素晴らしい未来を築いていくことを心から願っています。そして何より、皆さんの見つめるその先の未来が、平和で希望に満ちた素晴らしい社会になることを心より願い、式辞といたします。

令和七年三月十四日
     京都市立西陵中学校 校長  向段 新