学校日記

「劣等感」

公開日
2011/02/02
更新日
2011/02/02

校長室から

 1月30日付けの京都新聞に「劣等感を大切に、努力重ね前へ」というタイトルの記事がありました。「劣等感を大切にする」。普段では見たり聞いたりすることのない見出しです。本来なら劣等感とは距離を置きたいものですが、それを大切にするという事なので関心があり読みました。
 この記事は打楽器奏者の中谷 満氏が打楽器に出会った時からの足跡の中で失敗と挫折の繰り返しとその克服への努力が描かれています。
 中谷氏はトロンボーンのかっこ良さに魅せられてトロンボーンを吹いていたのに、中学校、高校時代ともに打楽器奏者の先輩が退部された穴埋めに打楽器担当になってしまい好きなトロンボーンが吹けない状況に置かれたことを、まるで打楽器と運命のような繋がりを感じた、と振り返っておられます。中谷氏は高校の先生からのススメもあって打楽器でオーケストラを目指します。そこで京都市立芸術大学を受験する決意をします。ところが失敗。その後、早朝からの牛乳配達をしながら打楽器の実技・理論を勉強する浪人生活を経て、1年後に合格されました。市立芸大に入学してきた人たちは皆、小さな時から音楽の訓練を受けていることを知り、高校時代から打楽器を始めた自分との違いを比較してストレスと劣等感に負けそうになったと言います。しかし牛乳配達をしながら苦学をしたこと思い出し、練習に練習を重ねるしかないと一念発起して練習に明け暮れたと述懐されています。市立芸大を卒業後には大阪フィルハーモニー交響楽団に打楽器奏者として入団。入団後も失敗と挫折の連続があり、練習場に向かうのにも耐えられないようなこともあったそうです。しかしそのような失敗や挫折からくる「劣等感」をバネにして現実から逃げなかったことが現在の自分がある証であると述べられています。
人は誰でも欠点や劣等感を少なからず抱いています。それをプラスに変えることで自信や希望を得たという中谷氏の信念の言葉、それが「劣等感を大切に、前へ前へ今を真剣に生きよう」でした。「劣等感を大切にする」という意味がよくわかる記事内容でした。