学校日記

一本道

公開日
2010/12/27
更新日
2010/12/27

校長室から

フランスの山奥にある三ツ星レストランで働いている料理人の安發伸太郎氏は

「本当にいいものじゃないものを、“いい”と言うことはできないので…。決して近道ではないと思います。遠回りといったら遠回りでしょうかね。結局、最終的に同じ所に辿り着くと思うので、遠回りしているうちに色々なことが身に付くと思うので、それは決して時間の無駄ではないかな。」

と述べられています。努力された様子が窺えます。ここに「近道」「遠回り」という言葉が使われていました。この「近道」「遠回り道」がこれから人の歩む道に本当に存在するのでしょうか。歩む道は一本道です。複線ではありません
たとえば、新幹線で京都から東京まで行くのに、「のぞみ」では2時間半くらい、「ひかり」では3時間くらいです。遅い、速いでいえば、「のぞみ」が近道で、「ひかり」が遠回りということになるのでしょうが、一旦「のぞみ」乗れば、その先はしばらく乗り換えることはできない一本道です。そこに電気トラブルが起これば「のぞみ」が遠回りになってしまうこともあり得ます。今という瞬間から先は不確定な未来が広がっています。現在のことを参考に推し量ってもその通りになるとは限らないのです。しかし、「ひかり」も「のぞみ」も必ず終着駅に辿り着くことだけは確実です。終着駅に向けて線路が敷かれているのですから。
 ここで大事なことは、「のぞみ」も「ひかり」も終着駅に辿り着くには幾つかの駅に止まるということです。この止まるべき駅で乗客の乗降を確認することが乗務員の一番大切な仕事です。その仕事をやりきらなければ新幹線の役目が終着駅についても終わったことにはなりません。つまり、速く終着駅に着くことだけが目的ではないのです。
さて、みなさんのこれから歩む道に、決断と選択をしなければならない大切な時がありますが、その選択した道が近道か遠回りなのかは、未来のことで誰にも断言することはできません。ただ要所、要所の駅で乗客の乗降確認をするように節目、節目で自分自身を振り返り、自分自身の状態(足らない所や伸ばしたい所)を知ることを確実にやっておかないと終着駅についたときには「こんなはずではなかった」という後悔にさいなまれる事になりかねません。
先週まで保護者面談がありました。年間何回かの面談を実施しています。面談が要所、要所の「駅」なのだと思います。その面談という「駅」で今の自分を振り返り、変えるべき所はかえ、伸ばしたい所を伸ばすために改めてスタートしてほしいと思います。これから皆さんが歩む道は曲がりくねっていても一本道です。前の駅に戻って走り直すことはできません。各駅での振り返りを大事にしてほしいと思います。
<「校長室だより)から全文を抜粋、全校集会での話と同じ内容です>