苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っている
- 公開日
- 2020/05/26
- 更新日
- 2020/05/26
学校の様子
今「夏の甲子園大会中止」が話題になっています。夏の甲子園大会だけでなく、高校のインターハイや競技会、発表会の中止が決定しました。中学校でも、運動部の全国大会や近畿大会、京都府大会の中止が決定。その中で、3年生の締めくくりの大会として、市大会など地域ごとの大会を何とか実現できないか、今、模索が続いています。
その中で、みんなが6歳前後の2012年春のセンバツ高校野球に、21世紀枠で出場した宮城県石巻工業高校で選手宣誓の大役を務めた阿部翔人さんがコメントを発表しました。
「目標があるからこそ頑張れるが、今の子どもたちにはその目標が見えない。今の状況に答えが見つからない。・・・将来自分の歩みを振り返ったとき、精一杯頑張れたと思えることがあるかないか。それがこの先の人生の糧となると思う。」
未曾有の災害となった2011年の東日本大震災。石巻工業高校は震災による津波で校舎の1階が浸水。野球道具はほとんど流されたうえ、グラウンドは泥で埋め尽くされました。それでも選手たちは、ボランティアの力も借りて泥をかき出し、40日後に練習を再開。全国から贈られたボールやバットなどを修理しながら練習を続け、初めての甲子園につなげました。
その甲子園で、石巻工業高校でキャプテンを務めた阿部翔人さんは選手宣誓の大役を任されました。その選手宣誓には、復興への強い思いと野球ができることへの感謝の気持ちを込めたそうです。
2012年春のセンバツ高校野球、21世紀枠で出場した宮城県石巻工業高校主将の選手宣誓(全文)を紹介します。
「 宣誓。
東日本大震災から1年。
日本は復興の真っ最中です。
被災をされた方々の中には、苦しくて、心の整理がつかず、今も当時のことや、亡くなられた方を忘れられず、悲しみに暮れている方が、たくさんいます。
人は誰でも、答えのない悲しみを受け入れることは、苦しくてつらいことです。
しかし、日本が一つになり、その苦境を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。
だからこそ、日本中に届けます。
感動、勇気、そして笑顔を。
見せましょう、日本の底力、絆を。
我々高校球児ができること。それは、全力で戦い抜き、最後まであきらめないことです。
今、野球ができることに感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。 」
阿部さんは関東の大学を卒業後、地元に戻り、石巻市内の高校で非常勤講師として働きながら、野球部でコーチも務め、もう一つの夢だった教職員の道を歩んでおられます。
6月1日から学校再開になり、6月中旬から部活動も条件付きで再開します。各種の大会や発表会が中止になり、何を目標にがんばればいいのか、目標を見失いがちな今こそ、この選手宣誓が伝えてくれていることを実行するときです。部活ができることに感謝して、部活動を楽しみましょう。
下の写真は、4月当初に3年生が書いた「最高学年」としての今年の目標です!