『東山を西に見て』〜Make Legend〜
- 公開日
- 2015/03/28
- 更新日
- 2015/03/28
校長室から
「締めくくり」
この何日間かの暖かさで、校門の桜はその蕾を一気に開けつつあります。満開には程遠いですが、雨が降っても散ることを心配しなくてもよい分、このくらいの方がよいのかもしれません。
さて、いつかは来るとは思っていた離任。迎えてみると、やはり寂しいです。『せめてあと1年。いや、今の1年生が卒業するまであと2年。』そんな風に思ったりもしますが、きりがないことも十分に分かっています。公務員に異動があるのは当然のこと、気持ちを切り替えました。
49歳で新任校長として赴任して以来、アッという言う間の5年間でした。当時はまだ、3年生に学習に定着しない生徒たちが少なからずいました。服装・頭髪違反や遅刻を繰り返す3年生もいました。一日に何度も非常ベルが鳴り、時には爆竹がなって学校全体が騒然としたりもしました。校内いたるところで喫煙があり、落書きや器物破損も後を絶ちませんでした。指導が上手くいかず、教師と生徒の大きな声がしばしば聞こえもしました。
「生徒の話を聴く」これを最初に始めました。授業中であるにも拘らず、校内あちこちで生徒数人と教師が話をしていました。校長室も例外ではなかったです。時に笑い声が交じり、「授業中なのに談笑しているとは何事か!」と保護者の方からお叱りの声も頂きました。「時間はかかるが、生徒との信頼関係の回復が最優先課題」とそれらの声に対応してきました。
元々“人懐っこい”子たちです。半年も経つ頃には随分と指導ができるようになっていき、進路指導も功を奏して授業に出る生徒が増えていきました。金髪や短いスカート、私服のような格好で登校していた生徒たち全員が、頭髪を整え、きちんとした制服姿で卒業証書を受け取ったときの感動は今も忘れられません。
その後いろいろな取組を行ってきました。道徳教育を軸にした「考え、語り、聴く」活動はその中心です。生徒同士を繋げることで、お互いのことをよく理解しあって生徒同士や生徒と教師の間の信頼関係は一層強まりました。生徒が自らの考えを発言する全校集会もすっかり定着し、今では他校の先生や指導主事の先生から参考にして頂けるようにもなりました。PTA や地域の方にも大いに支えていただきました。学校が計画したことには、快く協力していただきました。保護者と地域の皆様と教職員が協力して生徒を育てるという、学校教育の理想を見事に実現できたと密かに自負もしています。
この間、262枚のエッセイを綴ってきました。ここには5年間の花山中学校の歴史があります。生徒・保護者・地域の皆様、そして教職員の姿があります。ページをめくっていると、当時を思い出して目頭が熱くなるものもあります。5年間、校長室の窓から東山を西に見続けてきましたが、それももうありません。赴任先に不安はありますが、それ以上に期待があります。これまで応援してくださった読者の皆様、大変ありがとうございました。
新天地で、新しい生徒、保護者・地域の皆様とともに頑張ります。