学校日記

『東山を西に見て』〜Make legend〜

公開日
2014/11/11
更新日
2014/11/11

校長室から

「給料がもらえるなんて幸せ」
 「いい子たちですね。挨拶はできるし、返事もしっかりできます。本当によくやってくれます。最近の若者には珍しいですよ。」同様のセリフを何か所かで聴きました。生き方探究チャレンジ体験で2年生がお世話になっている事業所の方の言葉です。「私たちの自慢の子たちです。」決まってそのように返しました。今年初めて赴任されたある保育所の所長さんは、中学生を受け入れることに対して不安があったと言っておられました。実際の働きぶりを見て、自分の中の中学生のイメージが大きく変わったとも言われました。そういえば、この取組が始まった頃にはそんな言葉をよく聞いたものです。
 中学生には、働くことの「喜び」と「しんどさ」を実感させ将来の自分像を考える材料にさせる。一方、地域の方には中学生の“生の姿”を知ってもらい、中学生の成長を地域のみな様に応援してもらう。そういう2つの目的をもって始められたはずです。
 京都市で「生き方探究チャレンジ体験」がスタートして今年で確か15年になります。この所長さんとの会話がなければ、当時のことを思い出すこともありませんでしたが、つくづく『よくぞここまで…、すっかり定着したものだ』と思います。
 初めの年は、受け入れてくださる事業所を探すことが大変でした。生徒の希望する職場をすべてそろえることは、それこそ無理でした。事業所数が足りず、1〜2人と言っておられる職場に無理を言って4人お願いしたこともありました。教師の実家が商売をしておられ、そこに引き受けてもらったこともあります。目的と意義を出来るだけ丁寧に説明し、子どもの様子とこちらが出来るケアやフォローの内容を話しながらお願いしてまわりました。快く引き受けて頂ける事業所さんばかりではなかったです。断られて悲しい思いや悔しい思いもしました。生徒のことを批判され、いくら説明しても分かってもらえず、腹立たしい思いをしたこともなくはなかったです。当時を知っているだけに、快く受け入れ温かい眼差しで生徒を指導してくださる事業所さんを訪れることが嬉しくてなりません。子どもの相手や老人の相手、接客業に製造業、第3次産業が圧倒的に多いなか、第1次産業の農業に従事した生徒もいました。(今年は初めて女子でした)今回体験した職業は一つだけですが、この体験を通じて学んだことは多かったはずです。
 生きること、暮らすこと、親をはじめ家族のこと、お金を稼ぐこと、家族を養うこと、社会に貢献すること、自分の性格、自分の特技、身に付けなければないこと、今後の進路など、生徒が考えただろうことを挙げだしたらきりがありません。
 「私は、成りたいと願っていた教師に成れました。今も毎日が楽しくて充実しています。やりたいことをして給料がもらえます。こんな幸せはありません。」チャレンジ体験前日の激励会で生徒たちに語った内容です。何年か先、本校のすべての生徒が夢を実現し、なりたい自分になって給料を得る、そんな生活を送ってほしいものです。