学校日記

『東山を西に見て』〜Make legend〜

公開日
2014/08/02
更新日
2014/08/02

校長室から

「緊張感」
 野球部が第67回京都府中学校野球選手権大会で、見事に準優勝に輝きました。また、吹奏楽部が第51回京都府吹奏楽コンクールにおいて、今年も金賞を獲得しました。
 野球の準決勝は、息が詰まるほど緊張感のある好ゲームでした。2回表に1点を奪われて先行を許したものの、その裏にすかさず追いつきます。3回裏には、キャプテン藤林君の目の覚めるようなホームランで1点をリードしました。このまま逃げ切るかに思われましたが、7回表、先頭バッターが3塁打を放ちます。何やら不穏なムードが立ち込め、花山チームにミスが出て2点を奪われます。この時、バッテリーがよく踏ん張りました。ピッチャーにしたら、打ちとったはずの打者です。味方のエラーによってピンチが膨らみます。緊張の糸・我慢の糸・平常心を保つための糸が切れてもおかしくない場面でした。何とか1点差で切り抜けます。しかし、エラーがらみの逆転です。『このまま負けるのではないか?』と思った人は少なくなかったと思います。最終回、先頭バッターがよく粘ります。3ボール2ストライク。くさいコースに来たボールを上手くファール。「ファーボールを祈れ!」隣にいた3年生女子に思わずそう言いました。「ボール!」直後、アンパイアの声が聞こえました。ノーアウトのランナーが出ました。当然送りバントです。一度失敗しました。この場面で送れなかったら、流れは一気に相手にいってしまいます。3球目、ナイスバントです。これで1アウト2塁。バッターは、3回にホームランを放っている藤林君です。応援席では、ホームランを願う声が聞こえましたが、ドラマではないのだからそんなに上手くいくはずがありません。“打ったー!”大きいぞ。なんと、この日2本目のセンターオーバーのホームラン。しかも逆転サヨナラ、近畿大会出場を決める値千金の本塁打です。ベンチから選手と指導者が飛び出します。応援席は狂喜乱舞。涙で顔をグシャグシャにしている者も少なくありませんでした。
 一方、一昨日の吹奏楽コンクール。前日の顧問の先生方との会話から、仕上がり状況がよいのが分かりました。しかし、こちらも何が起こるか分かりません。一つのミスがハーモニーを壊してしまいます。しかも、花吹の前にステージに立つのは上手いと定評のある学校です。「弱気にならないようにしたい。」夏休み前の全校集会でキャプテンの神田さんが語った言葉が思い出されました。
 曲が進行します。いつも笑顔で活発な女の子たちが、全身に緊張感を張り付けて繊細な動きで演奏を続けます。打楽器が好印象を与えます。フルート、ピッコロ、トランペット、トロンボ−ンなどの見せ場もありました。緊張感は全く途切れません。曲が終わると同時に「よーし!」と声が出ました。長いこと息をしていなかったような感じです。ホールの外へ出ます。花吹のメンバーが泣いています。極度の緊張感から解き放たれ、安堵感と充実感、そして満足感からくる美しい涙でした。
 緊張感のないところに真の感動は生まれません。そして、感動が中学生を育てます。