学校日記

『東山を西に見て』〜Make legend〜

公開日
2014/02/01
更新日
2014/02/01

校長室から

「面接練習から」
 3年生の面接練習が進行中です。今年は29人を担当していますが、出来れば全員とやってみたいと今年も思っているところです。卒業まで1月半、3年生の中に、私から声を掛けたことのない生徒はおそらく一人もいないと思います。既に全員の顔と名前は覚えていますし、挨拶ぐらいは交わすようにもなりました。生徒によっては、進路のことや部活動のこと、家族や友達のことなど、結構詳しく話をする子もいますが、大概は出会ったときに一言二言の会話を交わす程度です。あらたまった態度で向き合い、2人で10分間も会話をする機会は、おそらくこの時以外にありません。だからこそ、特別な時間であり、両者にとって大変貴重な時間です。
 私は、この10分間にその生徒の進路希望の他、学習状況や考え方、生活の背景についてまでも深く知ることができます。一方、生徒の方は、本番さながらに行うので大変よい練習になっているはずです。今年も、面接練習を終えて控室に戻ったとき、担任の先生や仲間の顔を見た瞬間に大粒の涙をぽろぽろとこぼした女子生徒がいたと聞きました。それほど緊張して臨んでいるという証拠でしょう。
 ところで、この10分間は、私と生徒との“関係づくり”にとっても有意義な時間になっていると思うようにもなりました。この時間でその生徒との間に信頼関係を築くことができたり、その生徒との関係が深められるのはないかと思えるようになったのです。
 今回、次のような場面がありました。その生徒は、1年生の頃から学校へ来られない状態が長く続きました。3年生の後半、進路を意識するようになってようやく普通に登校できるようになりました。その生徒とのやりとりの一部です。
「1・2年生の頃の欠席日数が随分と多いですが、どんな理由からですか。」
「はい、その頃は体調がすぐれず、すぐにしんどくなって学校を休みがちになっていました。でも、もう大丈夫です。」
「高校は、単位取得が必要です。休まず通えますか。」「はい。がんばります。」
 普段おそらく担任の先生以外、誰もこんな質問も会話もしません。しかし、高校の面接試験を想定した場面だからこそ出来るのです。そして、この場面では生徒の方もその質問に対して真摯に向き合い真剣に答えます。この子にとって大切な題材できちんとした会話ができた瞬間です。この時、これまでにない信頼関係が芽生えたように思いました。
『この子には、こんな夢があったのか。』『結構深いところまで考えていたんやな。』『意外に上手に話すやん!』私は、生徒のそれまで知らなかった面にたくさん気づくことができます。そして、おそらく生徒の方も、それを知ってもらったことで、私との心的距離を縮めることができたのではないかと思います。自分の大切なことを打ち明けたとき、その人に対する信頼が増します。担任を離れ、生徒と深く話すことがなくなりましたが、面接練習を通して“教師の醍醐味”ともいうべき大事なことを思い出しました。