学校日記

『東山を西に見て』〜Make legend〜

公開日
2013/09/20
更新日
2013/09/20

校長室から

「未体験の体験」
 14日からの連休に近府県を襲った台風18号は、京都にも大きな被害をもたらしました。TVではアナウンサーが繰り返し「これまで経験したことのないような大雨が降る」と言っていました。午後に嵐山の渡月橋や福知山の由良川の映像を見ることになりましたが、確かにこれまでに見たことのない光景でした。
 携帯電話に市教委からの連絡メールが入ったのが5時54分。ちょうどTVで、京都市伏見区に避難指示が出たということが報道されている時でした。「これは大変!」家を出たのが6時30分ごろ。土砂降りの雨と強風の中へと出ていく私を、妻と上の息子が心配そうに玄関まで見送ってくれました。
「災害の際、お父さんは学校へ行かなければならないから、家のことはお前たちでしっかりとやってくれよ」これまでからそう伝えてきましたが、『実際にそんなことになったなあ』と車の中で改めて思いました。本校の近くには大きな河川はありません。旧安祥寺川の水位が気になって見に行きましたが、それほど心配しなくてもよい状況だと判断しました。東山の山肌が迫る個所があります。その付近を通って学校まで来るのですが、予防策が講じられており、そこも土砂崩れのおそれはないように感じました。まだ7時過ぎだというのに、部活動の関係で学校に生徒がいましたが、既に下校させるべく顧問の先生が動いてくれていました。
 昼過ぎに雨があがって、外で遊んでいるのか子どもたちの声が聞こえ出してきた頃、TVの映像に冒頭に書いた嵐山や福知山の様子が頻繁に映し出されるようになりました。嵐山の旅館やホテルから避難する観光客の姿や、氾濫した由良川流域の水につかった家屋の映像は衝撃的でした。京都市が避難指示を出したのも、防災対策法が出されて以来、はじめてのことだとも知りました。
 こんなことは、50年以上生きてきましたが初めての体験でした。これまで、洪水のニュースを何度も見てきました。地震や津波によって被災した地域の様子も見て、分かったような気にはなっていましたが、身近な所で起こって初めて実感できることなのだとも悟りました。私たちは、この体験を教訓として心と身体に刻み込まなければならないと思います。本校が避難所となったとき、校長として何ができるのか。教師として、公務員として、そして一人の人間として出来ることを、この機会に改めて自分に問い返しています。
 さて、学校祭の取組が本格的に始まっています。ここまで述べてきた未体験の体験は、出来ればしない方がよいものです。しかし、学校祭へ向けての取組の中では、生徒にまだ経験したことのないほどの大きな感動や喜びを経験させてやりたいものです。恥ずかしさや照れくささを感じることなく、誇らしげに流せる涙があることを文化祭の取組の中でも知らせてやってほしいと思います。皆と協力し、仮に途中は苦労しても、やり切ったときに味わうことのできる充実感、満足感、達成感を経験させたいです。
 これまで体験したことがないほどの深い感動を与え、心を豊かに育みましょう。