『東山を西に見て』〜Make legend〜
- 公開日
- 2013/09/05
- 更新日
- 2013/09/05
校長室から
「花山地域の子」
一昨年の夏、花山の生徒にとってどのような取組が必要かを考える研修会をもち、はじめに、この地域の子どもの特徴について話し合いました。そして今夏は、鏡山・陵ケ岡両小学校の教職員と同じような取組を行いました。「人懐っこい」「素朴」「純粋」「おぼこい」「明るい」「無邪気」、そんな言葉が出されます。
さて、1−2の学級通信『SMILE』9月2日号に面白い記事を見つけました。
「この夏休みを一言で表すと」というテーマに対しての答です。「部活などで忙しかったけど、町内で行事があって楽しかった」また、「この夏、食べたもので一番おいしかったもの」という問に対しては、「町内の行事のときに食べたかき氷」と回答していました。9月4日号の夏休みの一枚絵日記には、「墓参り」というタイトルをつけて「おばあちゃんと、ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃんのお墓参りに行きました。久しぶりにおばあちゃんと対面した気がしました。」と書いているものがありました。ご想像の通り絵は墓石です。「墓参り」と名付けられたこの絵日記が、決してふざけ半分に書かれたものでないことは、その文字と絵を見れば分かります。
私の暮らす地域や我が家庭を振り返ってみます。今年の地蔵盆の日、町内の皆さんと共に早起きしてテントを立てました。その日、何度もお地蔵さまのあるその場所を通りましたが、見るのはご老人の姿ばかりで、子どもはほとんどいませんでした。またお盆の間、うちの子ども達は、家で仏壇に手を合わせただけで墓参りには行っていません。ましてや、そのことを夏休みの思い出として記憶に留めることなどないでしょう。
夏休み初めの両小学校の夏祭り。そして、もうすぐ行われる区民運動会。その後の餅つき大会など、花山地域の行事にはびっくりするほどたくさんの子どもたちがやってきます。そしてその中に少なからず中学生がいるのです。私の育った環境とそこでつくられた常識の中では考えられない状況です。この地域の子どもたちの考えの中には、まだしっかりと「地域」とか「町内」という概念があるようです。そしてそれは、ここに住む大人が根付かせているからにちがいありません。
「地域を大切にしなさい。」「町内の行事に参加しよう。」そんなことを唱えてこうなったのではないと思います。『参加したら楽しかった。』『だから、そこに行くのが楽しみだ。』そんな体験や経験が「地域」とか「町内」という概念を育み、自分が大切にされているという満足感が『楽しみだ』という価値観をもたらすのでしょう。このことは、学校教育にも通じるように思います。「勉強しなさい」というよりも『勉強してこんなに良かった』という経験をさせるということです。
花山地域の子ども達の明るさ、素朴さ、人懐っこさ、そして地域を大事に思う心は、他の地域に誇れるものだと思います。それらを失わせることなく、この子たちを世界各地で活躍できる人間へと伸ばしていきたいと思います。