学校日記

『東山を西に見て』〜Make legend〜

公開日
2012/03/20
更新日
2012/03/20

校長室から

「臨機応変」
 昨日23年度の終了式を迎えました。昨年度は充実感をもってこの日を迎えましたが、今年度も同様です。思えば、あっという間の1年間だったように思います。特に、昨年度本校の1年間を経験していて、節目節目の行事が分かっている分だけ、より早く感じたのかもしれません。
 さて15日には、第49回卒業証書授与式を終えました。
 手前みそですが、大変良い卒業式だったと思います。涙は昨年度ほどにはなかったです。しかし、厳粛な中に整然と執り行われた完成度の高い卒業式ができました。
 自画自賛だと言われること承知で、ふたつの場面を紹介します。
 肢体育成学級に通ったK君は、自分の足で立って卒業証書を受け取ることが1年生の頃からの目標でした。それに向けて、それこそ血の滲むような努力を重ねてきました。そのことは式辞の中でも紹介したところです。彼の順番になった時、打ち合わせどおり、介助の友達と教員が登場します。彼を抱きかかえて壇上に上げる者。車いすを壇上に運ぶ者。平行棒を舞台袖から出して演台までの間に設置する者です。舞台設定が済むと、K君が自力で車いすから立ち上がります。そして、平行棒を使って演台まで歩きました。私から証書を受け取ると教員に抱きかかえられて壇の下に運ばれた車いすに座ります。そして、友達に押されて証書を所定の位置において自席に戻ります。この間10分近くを要しました。
 この様子を自賛するのではありません。途中、そう彼が私から証書を受け取ったところで来賓席から拍手が起こりました。ところが、その拍手が会場全体に広がることはありませんでした。彼を除く157名の卒業生が微動だにしなかったからです。K君を23年度卒業生の一人として捉え、必要以上に持ち上げることを必要なしとしている卒業生たちの考え方がその態度から分かりました。とっさにそれを感じた保護者をはじめとした会場の皆さま方も拍手を控えたのです。
 もうひとつ紹介します。少々ヤンチャな女子生徒が開式後にやってきました。彼女は1組で、その時には彼女への卒業証書授与は済んでしまっていました。一人ひとりに声をかけて証書を手渡しながら、私の目は先生方がこそこそと動いている様子を捉えていました。やがて、舞台袖から小さなメモが届けられました。育成学級の前に彼女への証書授与の場面を挟み込むという考えです。育成学級の生徒は、突然の段取り変更に対して対応が難しいです。賢明な判断だと感じました。「間に合ってよかったな。おめでとう。」そう言って証書を渡すと、女子生徒は小さな声で「ありがと」と呟くと声を詰まらせ一瞬にして眼に涙をためました。
 会場のどれほどの人がこれらのことに気づいたかは定かではありませんが、卒業生たちと教職員のその場の状況に応じた判断を誇りに思います。
 23年度は終了しました。春休みは心身を休め、次年度の構想をしっかり描こうと思っています。