学校日記

『東山を西に見て』〜Make legend〜

公開日
2012/02/22
更新日
2012/02/22

校長室から

「迫力ある授業」
 昨日まで本校に京都教師塾の塾生が実地研修に来ていました。研修最終日だということで、特別に授業の一部を受け持たせてもらったそうです。事前に学習の内容を聞き、請われてもいたので私も参観に行きました。これまで、教育実習生やこうした研修生の授業をみて「迫力」を感じることはまずありませんでした。しかし、昨日はそれを感じ、「ちょっとだけ」と思って入った教室に結局彼の出番が終わるまで居続けることになりました。
 「迫力ある授業」−私が授業を評する上での最高の褒め言葉です。「迫力」は教師の持ち味で色々な表され方をします。昨日の彼の場合、言葉は静かで物腰も柔らかいですが、生徒の頭と心とに見事なまでに迫ってくる力がありました。それは、学習から逃がさない力。より深く考えさせようとする力。より良い答を求めさせようとする力などです。
 私が教師になって10年ほど経った頃、詰め込み教育の典型である講義調の授業からの脱却を目指して「生徒に考えさせる授業」をつくることが大切だと言われ、多くの教師が納得しました。何年か前からは、東大大学院教授の市川伸一先生が提唱し埼玉県草加市の小学校長・鏑木良夫先生が実践して有名になった「教えて考えさせる授業」というのが広まってきました。この学習方法を十分研究したわけではない私が、その名前だけを借りるような真似をするのは甚だ失礼だとは思いますが、それまで自分が研究してきた内容と合わせて「教えて考えさせ、発表させる授業」というものを目指して取り組んできました。昨日の授業には、これらの要素がとり入れられていた点で、私には見事と映ったのだと思います。
 例を挙げて示します。戦国時代にキリシタンが爆発的に増えたことを具体的な数字を挙げて示す。宣教師の布教活動によるメリットとデメリットについて、生徒から意見を引き出しながらまとめる。ここまでが教える内容です。ここで「君たちが一国の主だったら宣教師の布教活動を認めるか」を、その理由と共に考えさせる。そして、意思表明をさせた上で考えを発表させる。「分かる楽しい授業」になったに違いありません。
 実習生や研修生の授業でこれほど感心させられたのは久しぶりです。それほどよい授業でした。同時に若い人の授業から刺激をえて授業づくりへの思い、教育への思いが湧きあがってもきました。
 とんだ「授業づくり論」になりました。ついでだから、これまで授業を見てきて思うことをもう一つ伝えたいと思います。教師の説明が“くどい”と感じたり、「何でそれを教師が言ってしまうのか。黙ってろ!」と思うことがよくあります。「どうすれば教師の話す場面を減らせるか。」今後授業をつくる上でこのことを常に念頭に置いてほしいものです。そうすることで、おそらく一つ一つの言葉がより研ぎ澄まされ重みをもってきます。
 厳選された言葉でつくられる授業は、生徒の心に届き、かつ迫力があるものです。