学校日記

『東山を西に見て』〜Make legend〜

公開日
2012/01/25
更新日
2012/01/25

校長室から

「使命感と情熱」
 先週末、夜のTV番組で「ALWAYS 続・3丁目の夕日」を観ました。ちょっとだけと思ったのに結局最後まで画面から離れられませんでした。途中、何度も目頭が熱くなります。何年か前、DVDが出るのを待ち望んで観たので、その内容も展開も十分に知っているはずなのに、とても新鮮で何度も心を動かされました。舞台は昭和34年の東京の下町。まだ生まれてもいない私が、その情景に懐かしさを感じます。そして何より、登場人物の人情あふれる言動に心動かされるのです。
 また、昨年末には「南極大陸」が、今年になって「運命の人」がTVドラマで放映されています。これらはすべて戦後の日本が先進国の仲間入りをしようとする頃の話です。この時代の小説やドラマに魅力を感じるのは、私だけではないと思います。
 折しも、書店に奥田英朗著の「オリンピックの身代金(上)(下)」が平積みされていました。奥田英朗といえば、「空中ブランコ」で直木賞を受賞して一躍有名になった小説家です。現代社会をユーモアたっぷりに風刺するのが得意な作家とばかり思っていましたが、裏表紙の紹介文を読んで思わず購入しました。こちらも、オリンピックを控えた東京が舞台。出稼ぎ労働者の厳しい現実と高度に成長を遂げていく東京(日本)とのギャップを主人公(秋田の貧しい農家出身の東大生)の批判的な目線で追っていく傑作です。
 これらの作品に魅かれる原因について考えました。ズバリ、人間の熱です。人生を変えようとする情熱。人とのつながりを大切にしようとする熱。そして、世の中を日本を未来を変えようとする使命感と情熱なのです。それが観る者、読む者の心を捉えるのでしょう。事実、これらを見終わった後は、私の中にも興奮が残ります。
 今の日本社会には、何かしら閉塞感があるように思います。増税への動き、公務員の給与カット、年金の問題にデフレや円高の問題など、首相や政府与党が変わったところで易々とは解決できないような状況です。教育についても気になることが多いです。
 手元に1年の学年通信『フレッシュ』があります。今回は、保護者の方に書いてもらった子どもたちの「誕生秘話」が50編以上掲載されています。(まだ発行されていないので内容については内緒ですが…)一つひとつに愛情が溢れています。どんなに時代が変化しようと、変化しないものの一つに親の子に対する愛情があります。
 これらに目を通すと、教師としての「使命感と情熱」が身体の中に湧きあがるのを感じます。一介の教職員が、時代を変えることなど到底できません。しかし、目の前の生徒の成長を助けることならできます。「今この子に何ができるのか!?」「この子のために何をしなければならないのか!?」使命感と情熱をもって生徒の指導に当たりたいです。授業・学級・生徒指導や部活動指導等、しなければならないことは山ほどあります。一つひとつに真摯に向き合い、誠実に丁寧に取り組みましょう。
 我々にはそれしかできませんが、そうすることが、私たちが求められている使命であり、喜びでもあるのですから。