学校日記

『東山を西に見て』〜Make legend〜

公開日
2011/12/09
更新日
2011/12/09

校長室から

「ねばり」
「前を走る人も苦しいはずだし、ねばっていればチャンスは訪れるはず」4日の福岡国際マラソンで日本人最高の3位に入賞した公務員ランナー、川内優輝選手は、そう思い歯を食いしばって走り続けたといいます。事実、先を行く日本人選手二人はお互いをけん制するあまりペースを落とし、一時は23秒差をつけていた川内選手に追い付かれてしまいます。ここからの今井正人選手とのデッドヒートをTVで見ていた人も多いでしょう。“手に汗握る”という表現がありますが、将にそんな調子で私もTV画面に見入りました。
 お正月に行われるは箱根駅伝で、“山の神”というと、今は東洋大学の柏原選手のことを指しますが、今井選手は、2007年の箱根駅伝で総合優勝を果たした順天堂大学のエースで、当時“山の神”と呼ばれました。「山登り」の難所5区で3年連続区間新記録を出したスター選手です。実業団に入ってからはマラソン選手に転向しオリンピックを目指してきました。一方の川内選手は学習院大学出身。2・4回生の時に「学連選抜チーム」で箱根駅伝6区を走りましたが、今井選手に比べると無名に近い選手でした。現在は、定時制高校の事務職員という公務員です。実業団の選手と比べると練習量は半分以下、コーチもおらず、自分で練習メニューや出場する大会を決め、もちろん体調管理も行います。
 実業団チームの選手たちは、常に「狙ったレースで結果を出さねばならない」というプレッシャーと戦っている。体調がよくない時などには、そのプレッシャーに押しつぶされてしまう。そうした重圧とは無縁で「一緒に走っている選手に勝ちたい」とシンプルに考えて走っている川内の“純粋なねばり”に実業団の選手は屈してしまうのだろうと或る新聞記事に書かれてありました。
 7日、川内選手のねばりを思い浮かべつつ今年もクロスカントリー大会に臨みました。もちろん、生徒と一緒の時間を共有するのが1番の目的です。生徒の親より年上になった自分が、どれだけねばれるか挑戦してみたいという気持ちもありました。掲げた目標は「一度も歩かないこと」と「100番以内に入ること」の2つです。これらの目標達成に向けてねばりました。大会に参加してよかったのは、何と言っても走っている最中に生徒や保護者、先生方から声をかけられることです。「校長先生、がんばれー!」「先生、もうチョットですよ、頑張って!」多くの生徒諸君と、すれ違いざまにタッチもしました。
 かつてはマラソン大会で先頭の子の伴走をしていたのに、今では100番に入ることが目標となりました。体力的にできないことが増えてはきましたが、教師になった以上、いつまでも生徒のそばで共に活動できる先生でいたいと思います。
 以前、「教師にとって最も大切なものは何か」と問われた時、「ねばり」と答えたことがありました。しんどい生徒や保護者と接するとき、最後は、ねばりが解決の決め手になった経験に基づいた答えです。川内選手のねばりを見、クロスカントリー大会に出場してそんなことを思い出しました。