学校日記

『東山を西に見て』〜Make legend〜

公開日
2011/11/22
更新日
2011/11/22

校長室から

「やりきった感」
 18日(金)京都市内の育成学級で学ぶ生徒たちの合同運動会がありました。普段は、それぞれ別の学校で学んでいる彼らが、一堂に集まりトラブルもなく楽しく過ごします。このことを不思議にも思いますし、それが彼らのもっている特性なのかもしれないとも思います。私は今も、仕事に行き詰まったり気分が滅入ったりした時には育成学級を覗くことにしています。彼らが学習する姿を見ていると、学習に対する純粋な姿勢と、学ぶことの喜びを素直に表現する姿に心が洗われるような気持ちになり、また『がんばろう!』と思えるからです。かねてから、彼らを“天使のようだ”と表現してきましたが、合同運動会に行くと、そんな天使たちが作るのか、広い体育館一杯に温かでゆったりとした空気が流れていることに気付きます。
 今年は男子に健脚を誇る生徒が多いため、彼らは学校対抗のリレーで優勝を目指して取り組んできました。体育の時間には、持久走や短距離走に加え、バトンパスの練習に励んできました。周りの教師も彼らの目標を知っており、多くの者から「優勝してきいや!」と声を掛けられてもきました。本人たちもすっかりその気になって大会当日を迎えました。
 学校対抗リレーは、大会のメインイベントで最終種目です。だんだん早いチームが出場するように構成されていると聞きます。驚いたことに、うちのチームは最終レースでした。
 確かに、出走する子らのスピードはだんだん早くなっていきます。「大丈夫かな!?」内心そう思いました。担任の先生らも不安が隠せないようです。整列している子らの所へ何度もアドバイスに行きます。そのすきに、車いすに乗ったAが、「O先生の方が緊張したはるわ。」と言って笑わせてくれました。因みに、男子で一人リレーチームから外れたAは、招集がかかる直前、みんなで円陣を組み、「行くぞ〜!!」と大声で選手に発破をかけました。
 いよいよスタート。第1走者が飛び出ました。直前のアドバイス通り上手くインコースに入ります。そのまま直線で一気に差をつけます。作戦通り3m以上の差をつけて第2走者にバトンを渡します。第2・第3走者は、この差を詰められることなく、アンカーへとバトンをつなぎます。アンカーが、顔を上に向けて必死に走ります。決して格好の良い走りではありませんが、足の回転はすこぶる速いです。“わき目も振らず”一気にゴールテープを切りました。
「先生、勝った?」「勝ったで!優勝や!」「はぁ、よかった〜っ!」レース前、一言も発しなかった彼がすごいプレッシャーと戦っていたことが分かる瞬間でした。
 その後の彼らの顔には「やりきった感」が表れていました。充実感と安堵感と緊張から解き放たれて弛緩した表情とが入り混じった何とも言えない“いい顔”でした。
 今週はテスト週間です。「第4回定期テスト」に向けて、部活動も休止されています。特に3年生にとっては、進路を決定する上で、重要な意味をもつテストでもあります。終了後、生徒にこの「やりきった感」を味わってほしいと思います。一生懸命に取り組んだ者にしか味わえないこの感覚をです。