『東山を西に見て』〜Make legend〜
- 公開日
- 2011/11/17
- 更新日
- 2011/11/17
校長室から
「思いを乗せて」
今日僕は今までにないくらいお母さんとお父さんを尊敬した。お父さんやお母さんに対して、働いている、家事をしている、くらいにしか思っていなくて、まさか毎月こんな細かい計算をしているなんて、すごいと思うし、尊敬する。僕はおそらく普通の人の2倍近く食費がかかっていると思う。僕は今回食費をおさえて他の物にお金を回した。それにプラスして高い月謝を支払ってくれてるなんて、お父さんは本当に頑張っているんだということが分かった。お父さんやお母さんには本当に感謝している。(原文のまま)
10日に行われた1年生のファイナンスパーク学習の感想を、あるクラスの学級通信から拾いました。推敲をすればもっとよい文章になるとは思いますが、これを書いた生徒の気持ちが本当によく表れた文章です。
父母に対する感謝の気持ちを言葉にできる中学生は、意外に少ないと思います。道徳の時間に読み物資料やビデオ教材を用いて学習しても、これほどストレートな感想文はなかなか出てきません。おそらく、それが疑似体験であったとしても、約1日かけて体験してみて実感できたのでしょう。かつて、「京都教師塾」塾長の小寺正一先生が、講義の中で「百聞、百見は、一体験に如かず。」という話をされたことを思い出しました。
昨日6限に、生徒会役員の新旧交代式が行われました。
先ずは、認証された者の代表が順々に抱負を述べます。よく吟味された言葉が聞かれました。おそらく、この日のために何度も推敲してきたのでしょう。担当の先生にアドバイスを受けたかもしれません。全員が「立派なスピーチ」をして感心させられました。
次に、退任の旧役員が順番にマイクの前に立ちました。1年間の活動を振り返って、感想や思いを言葉にしました。3年生は、全員がノー原稿です。言葉が重なることもありました。おかしな言い回しになって、会場の笑いを誘った場面もありました。しかし…。
「私は、正直に言うと、引退したくはありません。」女生徒が本当に正直な言葉を放ちました。その子は、そう言った瞬間、言葉に詰まります。数秒の後、何とか言葉をつなぎます。「ありがとうございました。」最後までスピーチしきったところで一気に涙をこぼしました。何とも清々しい気持のよい光景でした。
引退した3年生のスピーチには、それぞれの生徒の「思い」が溢れていました。聴く者は、「言葉」以上にそこに乗った「思い」を受け止めたように思います。生徒会担当の先生や仲間、全校生徒や全教職員に向けて、全員が感謝の言葉を述べましたが、「ありがとうございました」の言葉以上の感謝の気持ちを聴く者は確実に受け止めることができました。
先の感想文や昨日のスピーチから、飾らなくても思いのこもった素晴らしい言葉があることを再認識しました。言葉をつなぐことは思いをつなげることです。今日、体育館に集った生徒と教職員の全員が、本校が今後目指すべき集会のあり様を見たように思います。