学校日記

『東山を西に見て』

公開日
2010/12/14
更新日
2010/12/14

校長室から

「子どもを知ることから」
「校長先生も走るんですよね。」「何で知ってんの?」「HPに書いてたやん!」
10日のクロスカントリー大会の始まる前の会話です。疏水端のコースは空気が澄み、紅葉もきれいで最高のコンディションで実施されました。ある男の子たちとこんな会話もありました。私がショートパンツ姿になった時です。「何や!?先生、走る気なん?」「僕に負けたらアカンで。」「なんぼなんでも、それはないやろ。」‐間‐『みてろ!ビックリさせたる!』(心の中)
 花山中学校では、各学年の上位8人の脚に自信のある子らは、シード選手のように前方からスタートすることになっています。少しでも前から出ようとそのグループの中に入ってスタートを切ったのですが、これが災いしました。50メートル走かと思うほどのスピードで走り出す24人に完全にペースを乱し、走り出して1キロメートルもしないうちからしんどくなり、後は我慢だけの苦しいクロスカントリーとなってしまいました。表情にも表れていたのでしょうか、子どもたちを励まそうと参加したにも拘らず、追い越していく男子生徒や折り返し後に出会った女子生徒から「校長先生、頑張れ!」と声をかけられました。
 何はともあれ、やっぱり一緒に走ってよかったと思います。子どもたちや、応援と交通整理に集まってくださったPTAの皆様方との関係が一層深められたようにも思うからです。
 翌11日には、以前に勤務していた学校で共に過ごした先生の結婚披露宴に出席しました。宴の中で、新郎となった先生の学年主任が、次のような内容のスピーチをしました。「本校には家庭に恵まれない生徒が多く在籍しています。温かい家庭というものを知らずに成長してきた者も少なくありません。だからこそ、あなたたちはその子たちにとってのモデルとなるような、愛に溢れた温かい家庭を築いていってください。」
スピーチを聞きながら、『あれっ!?』と思いました。やがて、彼のスピーチは次のように結ばれました。「この話は、私の披露宴で先輩がしてくださったものです。」僅かの間『盗作されたな』と思った私ですが、最後まで聞いてたまらなく嬉しくなりました。学年主任が、かつて私のしたスピーチを覚えてくれていたこと、そして、それを彼のことだから確実に実践し、次の世代の先生にしっかりと繋いでいってくれたからです。
 教育には、継承していかなければならないものがあると思います。そしてそれは、単なる言葉ではなく、確かな実践に基づいたものでなければなりません。
「目の前の子どもを徹底的に大切にする教育」。このフレーズもそうです。徹底的に大切にするとは、具体的にどうすることでしょうか。学校に来られない生徒、授業に入れない生徒、学習についていけない生徒たちに、どう接すれば徹底的に大切にしたことになるのでしょう。
 先ずは、子どもと時間を共有することです。子どもの目線で物事を見ることです。今もこれらを大切にしたいと思っています。
 教師の実践は、子どもの実態を正確に知ることから始まるのですから。