学校日記

臨地

公開日
2009/11/30
更新日
2009/11/30

校長室から

先週の25日,左京区のPTAの見学研修にリニューアルされた琵琶湖疏水記念館に出かけた。琵琶湖疏水は,京都の近代化を進めた画期的な事業で,今日の京都の基盤をつくったと言っても過言でない。
 わたしたちは,疏水といえば,南禅寺の辺りだけがクローズアップされているように思うが,実は,伏見までもの物資輸送の大きな役割を果たしたこと,また,水力発電により,新しい産業が興り,電気鉄道が走り,飲料水が確保されたことも挙げられる。それに加えて,わたしが興味をもったことは,洞門変額・碑である。これは,トンネルの入口などに,一言を添えたものだ。例えば,伊藤博文「気象萬千」といったようなものである。山縣有朋,井上馨などのものもある。それらからして,大事業であったことがうかがえる。
 岡崎中学校の校区内ゆえに,「総合的な学習の時間」などの学習にも使える。最近は,ネットの発達で,調べ学習が幅をきかせているが,地元には地元のゆえの臨地学習ができる利点を考えなければならない。工費がいくらかかり,延べ人数や工事の方法など,どこからでも調べられることなど,二の次である。それより,この事業を進めた北垣知事が東京からの帰りには大津で下車し,この疏水を通って九条山に出て,京都市内を眺めたという。同じ九条山に立って,京都市内を眺めた思いを共有することや田邉朔郎博士が私財を投げ出して建立した疏水工事殉難者弔魂碑には,「一身殉事萬戸霑恩(いっしんことにじゅんずるはばんこおんにうるおい)〈疏水工事で亡くなられた人々によって、多くの家庭が恩恵を得られた〉」と刻まれているが,こうした先人の思いを探る,現地ならではの学習が必要である。そして,その結果としてのいろいろな数字などが見えてくればいいと思う。
 岡崎は,本当に素晴らしい地域である。本校生徒には,そのよさをまだまだ伝え切れていないように思う。地元というフィルターを通して,岡崎中学校を見る視点を忘れてはいけないと思う。