山
- 公開日
- 2009/09/30
- 更新日
- 2009/09/30
校長室から
音楽室前の3階廊下から,北東の方角に目をやると,如意ヶ岳,それに比叡山が見通せる。比叡山の麓に住んでいるせいか,どこへ行っても気になり見てしまう。しかし,どこから見てもこれほど違う顔をもった山はない。岡崎中学校からは,丸みを帯びた,お椀をひっくり返したように見え,なぜか親しみがわく。
新幹線でよく富士山を見るが,いつも思うことだが,富士山のような整然とした山を毎日見ていたらさぞ飽きるだろうなと。やはり京都には比叡山だと思う。そして,『伊勢物語』の九段「東下り」では,「……その山は,ここにたとへば,比叡の山を二十ばかり重ねあげたらむほどして(その山は、都でたとえるならば、比叡山を二十ばかり積み重ねたような高さで)……」と書かれていることをふと思い出した。でも実際は,富士山の3776メートルに対して,比叡山は848メートルであり,おおよそ4.5倍である。最古の物語,『竹取物語』にも出てくる日本を代表する富士山に対して,都を代表する比叡山,その二十倍とは,さぞ都の人も驚いたろうと想像するし,神々しい山なら,当然なのかとも思ってしまう。
今は何もかも数字で片付けてしまう。数字で割り切れない世界もあるのにと思って,ぼんやりと比叡山を見ていると,歌声が聞こえてきた。