感動してのめりこむ態度を育てたい
- 公開日
- 2020/04/16
- 更新日
- 2020/04/16
校長室から
皆さん,おはようございます。今朝の目覚めはどうでしたか。今日の言葉は「感動してのめりこむ態度を育てたい」です。これは,バーンスタイン,小澤征爾に師事され,毎年ヨーロッパの一流オーケストラへ多数客演を重ねられる世界的な指揮者の佐渡裕さんの言葉で,佐渡さんが,ある対談のなかで述べられたものです。「音楽は聴力で聴くものではありません。音に感動してのめり込む態度を育てたい。まず,感じること,感じる環境を作ってやる。本来感動というものは身近なところにあるものですから」。今日は佐渡さんの言葉を皮切りにして,「感動する」をテーマにしたいと思います。
「自分の脳の働きを変える一番いい方法は,『感動する』ということです。感動することほど,人を変えることはありません。逆に言うと感動は,人間を変えてしまう『劇薬』です。今までの人生を振り返ってみてください。何に感動したかで,おそらく,その人の人生は決まっていると,私は思います。それぐらい感動というのは,根深い」。これは,脳科学者の茂木健一郎さんの言葉です。確かに,感動的な出来事や映画などのシーンを見たとき,身体が震えるような心地よさを感じたり,胸が熱くなるようなことがありますよね。このような心の動きのことを科学的には「情動=感情が動くこと」といい,脳とホルモンの働きが関与するといわれているそうです。最近では,脳トレなどで頭を開発して可能性を広げようとする風潮もありますが,特別なことをしなくてもそれは可能なことだそうです。その一つが「感動する」ということのようです。感動するという情動が起こると,脳内では「ドーパミン」というホルモンが分泌されます。すると,次のような効果があるそうです。「ドーパミンは幸福感や快感を司っています。精神的なストレス解消や免疫機能を上げることでも知られています。ストレスや免疫力の低下は老化を促進し,心身ともに疲弊を招きます。これは言い換えれば,様々な病気に罹りやすくなるということです。心身ともに健康で愉しい毎日を過ごすためには,運動・栄養・休養が大切ですが,『感動』という情動は心に運動・栄養・休養を与えてくれる万能薬です。」とのこと。
今は,情報通信技術の発達で,驚くほど簡単に情報が手に入ります。つまり,「知る(もしくは知ったつもりになる)」ことは容易です。すると,知った気分になってしまっていると,それ以上,掘り下げようとしなくなるために,本当の意味での感動体験までなかなか至りにくいという指摘もあります。また,目に見えて派手で,特別な事がなければ感動を得られにくいという傾向もあるのでは…。日常の中で「感動体験」をどれだけ出来るかどうかは,自分のなかにどれだけの「受け皿」を用意して,キャッチしに行こうとするかどうかで変わるのかもしれません。知的好奇心をもって,さまざまなものをじっくり観て,しっかりと感じ取っていきたいものですね。