学校日記

『今を生きる若者の意識』

公開日
2014/07/28
更新日
2014/07/28

学校の様子

 先頃、文部科学省から「子ども・若者白書」(旧青少年白書)が示されました。
 標題は、そこで紹介されていた「特集 今を生きる若者の意識 〜国際比較からみえてくるもの〜」から取り上げました。

 大変興味深い報告の中でも、まず目をひいたのが【1】自己認識・(1)自己肯定感の結果です。上の図表1をご参照ください。
 日本の若者は、諸外国と比べると自己を肯定的に捉えている者の割合が低く、自分に誇りを持っている者の割合も低いことが見て取れます。このことは、近年教育現場では大きな課題とされ、様々な取り組みがおこなわれていますが、なかなか決定的な手立てがないのが実情です。
 
 そうした中で、望ましい自尊感情・行動とそうでない場合を比べてみると
 「自分ができたことを誇りに思う ↔ 自分の才能を卑下する」
 「責任を引き受ける ↔ 他者の失敗を責める」
 「人に依存しない行動をとる ↔ 他者の影響を過度に受ける」
などが挙げられると思います。

 では、こうした考え方や行動を身につけるためにはどうすればよいのでしょうか。
 まず何よりも「ほめる」ことである、というのが一般的な答えでしょう。もちろん「ほめる」ことの効用は疑うべきもありませんが、私は敢えて「耐える力」を育むことの大切さをお伝えしたいと思います。 

 これまでにも幾度か述べていますが、われわれは子どもたちに「努力する」ことを望み、その大切さを説きます。しかし、現実社会の中では「努力しても報われない」こともあります。つまり、「努力は必ず報われる」とは限らないのです。

 努力してよい結果が出れば幸せですが、そうでなければ悔しい思いをします。長い人生において成功するためには「悔しい思い」を乗り越えることが求められます。たとえその時は結果が出なくても、そこでやめてしまっては「うれしい思い」も「悔しい思い」も二度と経験することはできません。

 このように、「自分の可能性を信じ、自分はできるんだと言う自信を持ち、肯定的に自分を認める」ためには、「失敗の経験」と「悔しい思い」、そしてそれを「乗り越えた経験」、つまり「耐える力」が必要なのではないでしょうか。

 そして、「人に依存しない行動」をとり、「他者の影響を過度に受け」ないスキルを、長期休業となるこの夏の生活を通じて培って欲しいと願っています。「部活動」や「夏休みの課題」、「習い事」や「お家でのお手伝い」など、それらすべてに「耐える力」を身につける機会があると考えます。


 そしてわれわれは教職員は今一度、これまでの校内データを見直し、本校生徒に対する働きかけをチェックしていかなければと思います。

 保護者の皆さま、今回は「自己肯定感」をキーワードとして、この夏休みのお子たちの生活について考えてみました。何かのご参考になれば本当にうれしいのですが…

【補足】 
「自己肯定感」という言葉は、「自己効力感」、「自尊感情」と言った言葉とともに用いられ、その共通点や差異は必ずしも整理されているとは言えませんが、大きくは「自分自身を肯定的に評価する気持ち」と定義され、Self-Esteeemの訳語とされることが多いようです。
 また、最近の研究では「自尊感情」を「個人的自尊感情」と「集合的自尊感情」に分けて考えることもあるようです。