学校日記

空の上の心温まる話 最終回(前編)

公開日
2012/11/08
更新日
2012/11/08

学校の様子

〜いつかお姉さんみたいに〜

中一の夏、東京の祖母の家に遊びに行く時に飛行機に乗りました。
小五の時から夏休みになるといつも乗っています。
 大人になったら、飛行機に乗って、みんなのお世話をするキャビンアテンダントさんか、病院で患者さんのお世話をする看護師さんになりたいと思っています。
 看護師さんの仕事は、風邪を引いた時などに家の近くの病院でよく見ていますが、飛行機には年に二回しか乗れないので、今日は勇気を出していろいろ聞いてみようと、「大人になったら、キャビンアテンダントさんになりたいんですが、どんなお仕事か教えてください」など、五つの質問を用意してきました。
 飛行機に乗る時、なんだかいつもよりドキドキしました。
 お母さんには話しておいたのですが、
「自分のことだから、自分で聞きなさいね」
と言われていたので、話しかけるタイミングを見つけようと観察していました。
「いつ話しかければいいんだろう?飲み物のサービスが終わってからがいいかな」
「どのお姉さんにしようかな?やさしそうな人がいいな」
 いろいろ考えていると、さらにドキドキしてきました。

しばらくすると、両親が寝てしまいました。一人で暇にしていたら、キャビンアテンダントのお姉さんが話しかけてくれました。
なのに私は、恥ずかしくなっていまい、質問を言い出せませんでした。「せっかくのチャンスなのにー」、そうわかっていても、顔を合わせることもできません。
そうこうしているうちに「間もなく羽田空港に着陸します。座席ベルトはお締めください」のアナウンスが入りました。
「あー、ダメだった。もう着いちゃう」
勇気のない自分にがっかりしました。
「帰りの飛行機で聞けばいいか」
と、心の中で自分に言い訳し、今日はあきらめることにしました。

 飛行機が着陸して、みんなが降り始めると、
「今日はご旅行ですか?ぐっすりお休みでいらっしゃいましたね。窓側にお座りのお嬢様ともっとお話したかったのですが・・・」
 さっきのお姉さんがお母さんに話しかけました。
「ええ祖母のところへ遊びに行くんです」
「お楽しみですね」
と、母とお姉さんが楽しそうに話し始めました。
 お母さんなんて、ずーっと寝ていたくせに、ズルイと思いました。すると、
「何年生ですか、飛行機はお好きですか?」
 今度は私に聞いてくれました。慌てて、
「はい、中学一年生です」
 と答えながら、今なら聞けるかもと思って、急いでポケットの中にあるメモを取り出そうとしました。なのに、こんな時に限って、全然出てきません。
 その様子を見て、何か感じてくれたのかもしれません。お姉さんが
「少し機内を見学して行く?」
 と、にこっと微笑みながら誘ってくれました。
「はい」
私はうれしくなりました。

(後編は明日へ)