烏丸中に「ソフィアがやってきた!」
- 公開日
- 2013/06/19
- 更新日
- 2013/06/19
学校の様子
今日の午後、1年生を対象に「ソフィアがやってきた!」の授業が行われました。これは京都新聞の企画で、「ソフィア京都新聞文化会議」のメンバーの方を中心とした文化・学術・芸術などの幅広い分野から講師を招き、小中学校で授業をしていただき、その模様を京都新聞(日曜日付)「ジュニア タイムズ」紙面で紹介するものです。
今回は、滋賀県立大学人間文化学部教授の京樂真帆子(きょうらく まほこ)先生に来校いただき、「むかしのきょうのきょう(昔の今日の京)」のテーマで授業をしていただきました。先生から事前に頂いた授業の概要は次のような内容でした。
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歴史は、著名な政治家や文化人たちだけで作り上げるものではない。
歴史に名を残さない人々がどのように歴史を生き抜いていったのか、二つの事例をもとに考えたい。本年6月19日は、ちょうど旧暦の5月11日にあたる。よって、みんなに過去の5月11日にタイムスリップしてもらう。
まずは、天暦3年(949)5月11日に西市で行われた「着だ(※金偏に太)政」をとりあげる。これは、囚人を衆目にさらすもので(公開死刑ではない、念のため)、人権という感覚を持たない時代ならではの出来事である。文献史料(『親信卿記』の古写本をパワーポイントで映すので、読める文字を探してみよう)、絵画資料(『年中行事絵巻』)などをもとに、当時の庶民たちがこのイベントを如何に楽しみにし、見物に出かけていたかを感じてもらう。歴史に名を残さないはずの囚人の名前を読み、藤原道長とはまた違った名前の人々の生きた証を知る。さらに、史料をながめれば、彼ら(全員男性)に命令を下す貴族たちの言葉が仮名で記録されていることに気づくだろう。歴史の記録は、史料として残る。そこからどのように史実を復元していくのか、歴史学の営為を知ってもらう。
つぎに、貞元元年(976)5月11日の内裏焼亡事件である。平安京では、火災が頻発していた。この日(正確には、夜中だが)燃えたのは、内裏という天皇の住まいである。平安京のいわば官庁街で起こった火災で、その消火活動に京に住まう庶民たちも参加することもあった。消防組織を持たなかった時代に、どのように火事に対応したのか、絵画資料(『北野天神縁起』など)で見ていく。さらに、消火作業現場に、「あやしい」人物たちが描かれていることにも気づく。火事場泥棒である。現在とは倫理観もちがう時代の庶民たちの、たくましい生き様を感じてもらう。
以上、地域の歴史を考える上で欠かせない「わたしたちの歴史」意識を構築するため、どのように史料と向き合い、それを解釈していくのかを実践する。それが、歴史を作り上げていくのは「わたしたち」なのだということを理解することになるだろう。
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梅雨空の鬱陶しい1日でしたが、1年生の生徒たちは熱心に先生の話に耳を傾けていました。古地図や絵巻物・古文書をもとに、平安京の街の様子や意外な話をしていただき、興味深い話が聞けたと思います。先生には貴重なお話をしていただき、本当に有難うございました。
なお今日の授業の記事は、7月14日(日)の京都新聞に掲載される予定です。是非読んでください。