校長室から 12月号
- 公開日
- 2013/11/29
- 更新日
- 2013/11/29
校長室から
校長室から 〜人権〜
今年もいよいよ12月になりました。寒風が吹き,季節もそれなりに寒くなってきました。さて,12月といえば人権月間です。人類史上かつてない惨禍をもたらした2度の世界大戦への深い反省から,世界平和の確立のためには人権の尊重こそが基礎であるという認識の下,1948(昭和23)年12月10日に「世界人権宣言」が国連総会で採択されました。これに基づき,京都市では12月を人権月間に定めています。学校でも12月2日(月)に人権朝会を行ったり,学級で身近な問題について話し合ったりします。
子どもたちの日常の暮らしの中で人権問題を考える時,私はいつも二つの視点が必要だと思っています。それは,「〜してはいけない。」と「〜してみたい。」です。
学校では,子どもたちは集団生活をしています。当然のこととして,集団としての規律が求められます。そのために規範意識を醸成しなければなりません。考え方の異なる多くの子どもが過ごす学級や学校では,時として揉めたり言い合いになったり,喧嘩をしたりすることもあります。こうした経験を通して人との接し方を学んでいるとも言えます。
しかし,一定の秩序が崩れ過ぎると,例えば学習規律が乱れ,学習が成立しなかったり,時としていわゆる「いじめ」を誘発したりすることにもつながります。ですから,度が過ぎると「〜してはいけない!」と指導することが求められます。これは家庭生活でも同じだと思います。きっとどのご家庭でも,ここまでは口を出さないけれど,これについては「それはアカン!」「それは許さへん!」というのがあると思います。
しかし,「〜してはいけない!」ばかりの関係が続くと,大人も子どももしんどくなります。そこで「〜してみたい。」と思わせる発想が必要だと思うのです。例えば,「挨拶ができていないからアカン」ではなく,「挨拶をされたことでこんなに気持ちが良くなった。」など,「こんなことをしてもらって嬉しかった。」という私メッセージを子どもに伝えることが大切だと思うのです。つまり,「〜してみたい。」という気にさせることが大切だと思います。ルールやマナーを守ることで,自分も他人も気持ち良くなるということを体感させるのです。
そして加えて言うなら,特に「〜してはいけない。」の場合は,できるだけ具体的に話をすることが重要です。高学年ともなれば,してはいけないことは知っていて,ふざけることもあります。つまり何がいけないことかはちゃんと分かっているのです。そんな時,ただ怒鳴るだけでは足元を見られるだけです。
担任時代にこんなことがありました。座ろうとした友達の椅子を引いて尻もちをつかせるという悪戯が流行り出した時です。「ある学校で女性の先生が子どもからそいうい悪戯をされて尻もちをつかれたのですが,その先生のお腹には新しい命がやどっていました。でも悲しいことに…」これは実際にあった話ですが,それ以来,この悪戯はいっさいなくなりました。
人権は大上段の話ではなく,日々の暮らしの中にいくらでもあります。ちょっとした大人の声かけで子どもは考えます。もともと子どもには考える力があるのですから…