学校日記

校長室から〜8・9月号

公開日
2013/08/27
更新日
2013/08/27

校長室から

校長室から 〜うっかり〜

 例年になく暑い夏,そして長かった夏季休業も終わりました。子どもたち一人一人が,
それぞれの夏を過ごしてくれたことと思います。
 今年の夏の休みの日には,めずらしくTVの高校野球にくぎ付けになりました。勝負事ですから,勝者もいれば敗者もうまれるわけですが,そんなことより,仲間とともに,一つの目標に向かって挑んでいく彼らのエネルギーに圧倒されました。炎天下に白球を追う姿と,テレビの前でダラっとしている自分とのあまりのギャップに,テレビを見終わった後,急に家の用事を頑張ろうとした自分が滑稽でした。
 あの爽やかさはどこからくるのでしょう。月並みですが,最後まであきらめない姿,友を励ます姿,土と汗の混じった涙,などなどが,きっと多くの人々の心に何か訴えるものがあるのではないでしょうか。
 さて,用があって電車に乗る機会がありました。見ると,大きなバッグにバットケース。まさに高校球児と思われる生徒が立っていました。京都の予選で敗退し,次の目標に向かって練習が始まっているのでしょう。学校からの帰りのようでした。その時です。少し電車が揺れた時に,多少混んでいたこともあり,よろめいた年配の男性が,誤って彼の足を踏んでしまったのです。その男性は,少し小声で「すいません。」と言ったのですが,次の瞬間,その高校球児は,「いえ,大丈夫です。こちらこそすいません。」と言ったのです。
 足を踏まれた側が謝るとはどういうことなのか。最初,私は不思議でなりませんでした。すると,彼は続けてこう言ったのです。「僕が足を出していたからです。すいません。」と。彼は,相手が謝る原因を作ったのは自分だと考えたのです。これはなかなかできることではないと思いました。
 生活していると,学校でも家庭でもいろいろなことが起きます。うっかりした誤りは,どれだけ注意していても起こるものです。そんな時,すぐに腹を立てるのではなく,自分にも非がなかったかと考え,素直な気持ちになれたら,どれだけ楽しく過ごせるかということを,彼から教えてもらい,清々しい気分になりました。
「すいません。」「ありがとう。」たった一秒で言える言葉ですが,大切にしたい言葉です。