5月 憲法月間に〜いま,わたしにできること〜
- 公開日
- 2018/04/26
- 更新日
- 2018/04/26
校長室から
西京極小学校 校長 今村 ひろみ
新緑のもと,見上げた空の青さが目にまぶしい季節となりました。6年生の修学旅行も間近に迫り,子どもたちからは,学校での新しい生活に慣れてきている様子が伺えます。
さて,5月は,憲法月間です。日本国憲法が1947年に制定されてから今年で71年。
「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」が大切な3つの柱であることは,今も変わることはありません。5月2日の朝会で,その中の「基本的人権の尊重」について,子どもたちに次のような話をしたいと思っています。
「基本的人権」とは,人間が人間として尊ばれ,人間らしく生きるために誰もが生まれながらにしてもっている権利であり,侵すことのできない永久の権利として保障されています。では,私たちが,人間として人間らしく生きていくために,何が大切なのでしょう。また,私たちは,自分たちが暮らす地球や身の回りで起こっている大変なできごとに,どれほど目を向けているのでしょうか。今年は,「ハチドリのひとしずく」という物語を通して,子どもたちとともに人間らしく生きていくために大切なことについて考えたいと思います。
この物語は,南アメリカの先住民に伝わるお話が書かれています。森が燃え,多くの生き物たちが逃げていく中,一羽のハチドリだけがくちばしで水のしずくを一滴ずつ繰り返し運んで,火の上に落していくのです。他の生き物から「そんなことをして いったい何になるんだ」と笑われたハチドリは,こう答えます。「私は,私にできることをしているだけ」と。
私は,この物語は多くの示唆を含み,読み手により様々な受け止め方ができると思います。南アメリカの先住民の人々が自然に対して畏敬の念を抱きつつ,自然とともに生き,語り続けてこられたこの物語は,決してハチドリが正しくて,逃げた他の生き物が悪いと言い切れるものではありません。物語の背景を考えたり,想像力を働かせたりすれば様々な受け止めをすることができます。ただ,私たちの身の周りにも,自分たちだけではどうすることもできないと思ってしまうような出来事,例えば戦争や環境問題,貧困問題,人権問題,いじめなどさまざまな問題があります。それらに対して,自分には何もなすすべがないとあきらめてしまっては,何も解決できません。ハチドリの「私は,私にできることをしているだけ」という言葉にあるように,小さなことでも何か自分にできることがないかと考えて行動する知恵と勇気が,私たち人間にも必要なのではないでしょうか。
みんなが互いに自他の存在を認め合い,尊敬し合い「すべての人が 生まれてきてよかったと思える社会」を創る担い手となって,次代を生き抜くことのできる子どもたちをこれからも保護者や地域の皆様とともに育てていきたいと思います。