学校日記

訪問者3 〜ハラビロトンボ〜

公開日
2015/07/30
更新日
2015/07/30

三小の自然

 迷い込んできたこのトンボは,一般のトンボのように腹が細長いスマートな格好とは到底言えない幅の広い腹をしています。ここからその名がとられ,「ハラビロトンボ」と呼ばれるようになりました。誰が聞いても納得するのではないでしょうか。
 三枚目の画像に角度をたがえた頭部を載せてみました。頭の大きさに比べて目が大きいのが分かりますよね。じっと見ているとどこか愛嬌がある顔に見えてくるのは筆者だけでしょうか。

 いつもの通りここから先は興味のある方のみお読みください。

 このトンボの腹の色は黄色系統ですがこれはメスの特徴でオスは,粉を吹いたような青色をしています。じゃあ,シオカラトンボと一緒?と言われるかもしれませんね。腹の色の特徴としては,シオカラトンボ属と同じですが,仲間としてはハラビロトンボ属として独立しています。
 今回は目(複眼)についてお話してみましょう。頭部の多くを占めるこの複眼,ほぼ全角度を網羅するだけの広さを持っています。人間の目が前半分180度強しか見えないことを思えばトンボの目はすごいといえるでしょう。ただ,ウサギなどでもお分かりのように人間と違って横に目がついているということは,初めからより広い範囲を捉えられるようにできているということです。その中でもトンボの目は左右にあるだけでなく上にも下にも広がっているということで360度全方向が見えていると言えるのです。
 それはすごいと思われるかもしれませんね。また,昆虫の目立つ目は複眼であり,個眼と呼ばれる一つ一つの目が集まってできています(目立たない単眼というのも3つあります。明るさ検知程度の能力と言われています)。トンボで数万個集まっていると言われています。人間の目2個と比べるとこれはすごく物がよく見えるだろうなと羨ましがられるかもしれませんね。でも,残念ながら,たった2個の人間よりも見えていないそうです。資料によると,視力相当で言えば0.01程度だそうです。カメラなどの画素数で言えば,数万画素にしかならず,人間が1000万画素相当と言われていますので如何にぼやけて見えているかがうかがい知れるかと思います。なんだ,それじゃ目がたくさんあってもたいしたことないじゃないですかと思われるでしょう。ところが,コマ撮りの能力はすごいらしいのです。人間なら,蛍光灯がずっと明るく照らしているように見えるでしょう。でも,本当は,1秒間に60回点いたり消えたりしているのです。またテレビ画像は,30分の1秒に一回静止画がコマ送りされているようなものですが,人間の目には連続動画として映っています。トンボの目で見れば,蛍光灯は点いたり消えたりしていますし,テレビ画像は,パッパッパッとコマ送り画像が映しだされているのが分かるということになるのです。ただし,先ほど触れましたように視力が低いので鮮明画像ではなくぼやけた画像がコマ送りされているということです。