学校日記

水生昆虫のなぞ

公開日
2015/07/23
更新日
2015/07/23

三小の自然

一生のうちの一時期,あるいはすべてを水中で過ごす昆虫のことを水生昆虫といいます。

水生昆虫の多くは幼虫のときは水中で,成虫になると翅を使って跳び回るというものが多いです。トンボなんかもそうですね。

昆虫には心臓があっても血管がありません。私たちのように血液が酸素を体中に運んでくれるわけではありません。ではどうして呼吸しているのかというと,気管というものがあって,外の空気を直接体の隅々にまで運んでいます。

水生昆虫はえらをもっていて,水中の酸素を取り入れて呼吸をしています。魚やオタマジャクシのえらとは構造が違うので,気管鰓(きかんさい)といいます。

写真のヘビトンボの幼虫は,腹部についている足のような突起(偽脚)に気管鰓がついています。ちなみに本当の脚は前の6本だけです。鰓のつき方は種類によってまちまちです。腹部に直接ついているもの,脚の付け根に生えているもの…同じような生活をしていて,なぜこんなにもそれぞれ違うのか?不思議ですね。

でも本当の不思議はここからです。「気管」鰓というからには,鰓の中には空気が詰まっています。しかし,水生昆虫の多くは水中に産卵され,水中でふ化し,さなぎの期間までを水中で過ごします。

つまり,空気に触れる機会は一度もないのに,どうして鰓の中に,呼吸器官の中に空気があるのか?…これはだれにも分かっていない謎なのです。

水生昆虫だけではなく,いろいろな生き物が,「なんでそんなことを知っているんだろう?」というような高度な工夫をして生きています。身近な生き物でも,「知ってるわ。」と言わず,見方を変えてよ〜く観察してみると意外な疑問や不思議を見つけられるかもしれませんよ。