学校日記

今日の献立 10月18日

公開日
2013/10/19
更新日
2013/10/19

給食室より

 今日の献立は,ごはん,牛乳,肉みそ納豆,ほうれん草のおかか煮,キャベツの吉野汁 です。
 今日は,吉野汁からの話題です。
 吉野汁とはどのようなものを指すのか?もう,みなさんあちらこちらで聞いておられますからご存知ですね。とろみのついたすまし汁ですとお答えいただくでしょう。その通りです。とろみを何でつけているか。これも片栗粉とすぐにお答えいただくでしょう。では,とろみのついたすまし汁をなぜ吉野汁と呼ぶのでしょう。これも多くの方がお答えいただけることでしょう。奈良県は吉野地方で有名なものは葛(くず)です。昔から名を馳せた葛の産地です。「葛粉」と言えば「吉野」と名前が出てくるほどです。ですから,葛粉でとろみをつけた料理を「吉野○○」と呼ぶことがあります。吉野汁もこのひとつなのです。
 ここで,えっ?と気づかれた方がおられるでしょう。片栗粉から葛粉にすり替わっている!そうなのです。もともととろみは,葛の根を使った葛粉を用いていたのですが,量が少なく手間がかかることもあり,もっと安価で簡便なものとして登場したのが馬鈴薯でんぷんです。明治に入り,北海道開拓で馬鈴薯(ジャガイモのこと)が作られるようになってからのことです。
 ここで,葛粉にしろ片栗粉(カタクリの鱗茎)にしろ,安価な,馬鈴薯でんぷんにとろみ付の地位を追われていきます。蛇足ながら,カタクリはもっと悲劇で,現在の片栗粉は名前が片栗粉とされていますが,中身は馬鈴薯でんぷんなのです。原材料名をよくご覧ください。
 吉野汁に話を戻します。もともと葛粉でとろみをつけたすまし汁を吉野汁と言っていたものが,馬鈴薯でんぷんの登場とともに,とろみづけされたすまし汁をそのまま吉野汁として使い続けているのです。
 ですから,本来の吉野汁であれば,9月11日の今日の献立でもお話したように,冷めてもとろみがなくならないのです。夏場などは,冷蔵庫に冷やしておくと冷たい喉越しのよいとろみのある汁がいただけるわけです。馬鈴薯でんぷんではこの良さを味わうことができません。
 では,さっそくに葛を買いに吉野までと思われた方へ。吉野葛,吉野本葛という名前がありますのでお気を付けください。原材料名をしっかりとみて葛粉100%をお選びください。余れば,葛餅を作るのもよいでしょうね。もう季節が違いますか…。