校長室から(学校だより8・9月号より)
- 公開日
- 2025/08/26
- 更新日
- 2025/08/26
校長室から
38日間の夏休みも終わり、本日より2学期が始まりました。この夏休み、子どもたちはどのように過ごしたのでしょうか。子どもたちの元気な声が今日からまた東山開睛館に響きます。4か月間の長い2学期となりますが、今学期もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今年の夏も意外な出会いがありました。ある部活動の応援をしていた時のこと、突然知らない保護者に、「○○中学校にいた野村先生やろ?」と声を掛けられました。実はその女性は、私が教師になって初めて持った部に3か月間だけ所属していた生徒でした。懐かしい部活動の話題で盛り上がりました。
私は教師になって二十数年間にわたり運動部の顧問をしました。教員1年目、顧問がいなかったため女子ソフトボール部を持ってくれないかと当時の校長先生に頼まれました。経験はなかったものの、小学生のころから野球をよくしていたので、内心“楽勝”くらいの気持ちで引き受けました。ところが…です。子どもたちは全く私の言うことに耳を傾けず、反抗的な態度をあからさまに見せるのです。私は20代半ばで血気盛んであったこともあり、さらに力を入れて指導をするのですが、それとは反対に子どもとの距離は広がっていくばかり…。そんな日々が続き、悶々とした日々を過ごしていきました。「なぜ自分の指導は子どもたちに入らないのか…」そう思いつつ、他の先生の指導と自分の指導を見比べる中、自分のスタンスが間違っていることに徐々に気づいてきたのです。自分は技術指導がほとんどできないのに、わかったふりをして上から目線で子どもたちを「指導」しようとしていたのです。多感な中学生はそんな大人の話を聞こうと思うわけがありません。そのようなことが少しずつわかっていき、「同じ目線で自分が学ぶつもりでやらなければならないのではないか」と思うようになりました。そうするうちに、子どもたちとの距離も縮まり、徐々に「指導」ができるようになっていきました。苦い過去の話ですが、私は子どもたちを通して、「子どもを指導するとはどういうことか」を学んだと言っても過言ではありません。この経験は私の教員人生にとっての大きな財産にもなりました。
長く教員をしていて今思うことは、子どもたちから学ぶことはあまりにも多いということです。自分が“天狗”になりかけの時、その都度子どもたちによって自分の足りない部分を気づかされて矯正されてきた教員人生であったように思います。ですから教員とは子どもを指導する存在であるとともに子どもから数多くのことを学べる存在と言えるかもしれません。これは教員に限ったことではなく、子どもに接する大人全員にとって、学ぶスタンスを忘れないことはとても重要であるような気がします。「我が人生に頂点はなし」これは私の大好きな言葉一つですが、この言葉をいつも心に持ちながら、私個人としても、教職員集団としてもさらに成長を目指して進んでいきたいと思います。
校長 野村 昌孝