学校日記

風を凌いで 5月25日

公開日
2020/05/25
更新日
2020/05/25

校長室から

 5月も残すところ1週間となりました。学園生のみなさん,元気に過ごしていますか。
 先週5月21日に,京都府の緊急事態宣言が解除され,京都市の小中学校もようやく6月1日から再開することとなりました。最初の2週間は学校生活になれるための期間として,分散登校などを行い,6月15日から通常の学校活動に戻すこととなります。
 先週から,クラスごとによる希望制の学習相談日がはじまり,今週も2回目の学習相談日が設定されています。,5月最後の1週間は,生活リズムを整えたり,学習課題に取り組んだりしながら,学校再開へ向けての準備期間として,自分の1日をしっかりマネジメントしてほしいと思います。もちろん,学校再開後も,元通りの学校生活に戻るのではなく,コロナウイルス感染防止対策のために,学校生活のいろいろな場面で活動の制約があったり,きまりを守ったりして過ごさなければならない日々が続くことになります。
 「また,明日」と言える「あたりまえの毎日」が,1日も早くあたりまえに迎えられるように,「あせらず」「あまえず」「あきらめず」これからの毎日を大切に過ごしていきましょう。これまで誰も経験したことのない時間の中で,学園生の皆さんが頑張ったことが,それぞれの力となって,花が咲き,実がなることを願っています。
 最後に,これから学園生のみなさんが頑張っていく中で,少し疲れた時に思い出すと,「もう少し頑張ってみよう」と自分を勇気づけてくれるお話を紹介します。

「お庭のプチトマト」

 昨年の夏、久美子さんのお母さんはプチトマトの苗を買ってきて庭に植えました。どれもすくすく育っていたのですが、お母さんはうっかり、その1本を踏んでしまいました。あわてて様子を見て回りました。すると、完全には折れているわけではありませんでした。
 そこでお母さんは、セロテープを使って、もう一度、茎を元に戻そうとしました。久美子さんは
「そんなもので元に戻せるはずがないよ。かれてしまうんじゃない。」
お母さんは「かわいそうじゃない。割り箸を添え木にすれば大丈夫。お母さんの友だちも花が折れたとき、セロハンテープでつなげるのよ。」と言いました。
 久美子さんと久美子さんのお母さんは、毎日のようにそのプチトマトの茎の様子を見ていました。驚いたことにそのプチトマトは枯れませんでした。茎は細く、弱々しい感じでしたが、しかりつながっていました。
 さらに久美子さんたちの願いが通じたのでしょうか。他のプチトマトと同じように実をつけたのです。しかし、他のものに比べてとても小さいものでした。
 ある日、そのプチトマトが食卓にのぼりました。明らかに他のプチトマトに比べて見劣りがしたので、すぐに「例のプチトマトだ」とわかりました。見た目もあまりおいしくなさそうだったので、家族のだれも手をつけようとしませんでした。
 その時、お母さんがその中の一つに手を伸ばしました。
「甘い!」
とお母さんは声をあげました。久美子さんはその言葉に半信半疑でしたが、「ものは試し」と思って一つ食べて見ました。
「おいしい!」
予想外のおいしさにびっくりしてしまいました。
 とても小さいのですが、普通のプチトマトの何倍も甘かったのです。しかもとても皮がやわらかかったのです。
 どうして、このプチトマトが一番おいしかったのでしょうか。とても不思議に思いました。
 後日、あるテレビ番組でトマトを栽培している農家の人がお話をされていました。おいしくて甘いトマトをつくるためには、いくつかの条件があるそうです。それは
「水をあまりやらない」
「肥料もあまりやらない」
「あまり栄養分がない土を使う」
などということでした。わざときびしい環境で育ったトマトは、必死で栄養をとろうとしておいしくなるのだそうです。栄養分はたくさんやった方がよいと思っていた久美子さんは大変驚きました。
 あの茎の折れたトマト。あのトマトはよくない環境の中で必死に生きて、おいしいトマトに成長したのです。久美子さんは生命のすごさを感じました。

 風を凌いで 顔晴れ(がんばれ) 凌風学園生!