風を凌いで 5月7日
- 公開日
- 2020/05/07
- 更新日
- 2020/05/07
校長室から
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、全国的に「ステイホーム」で過ごすことになったゴールデンウイークが終わりました。学園生の皆さん、元気にしていますか。5月4日に政府から緊急事態宣言の期間の延長が発表され、それを受けて京都府も感染拡大防止をふまえた生活が5月末まで継続されることになりました。
「また明日」といえる日常がなくなってしまってから、2ヶ月あまりの日々が過ぎました。学校での勉強ができていない不安、友だちと過ごす時間が失われた悲しみやさびしさ、自宅で過ごす時間の長さによるストレス、これから先どうなっていくのかという心配や動揺、そんな気持ちが皆さんの心の中に渦巻いていることだと思います。けれども、とにかく今は耐えるしかありません。5月の学園だより(5月8日配布予定)にも書きましたが、あたりまえの生活がどれほど尊く大切なものであるかを身にしみて感じる今だからこそ、何としても自分が今何をすべきかをしっかり考えて実践していくしかないのです。
感染拡大防止のために、様々な制約が多い生活の中で、自分の気持ちに余裕がなくなっているせいか、世間では残念ながら、人々の命を守るために自らの命の危険と隣り合わせの中で働いておられる医療従事者の方々に対して差別や心ない言動が向けられているニュースが報じられています。「私」が一番大切にしたいのは「私自身」です。それは誰しも皆同じ思いです。だからこそ、「私」を大切にするのと同じように「私」の周りにいる人を大切にしなければなりません。世界中で猛威をふるうこの病気の一日も早い終息を願うとともに、あたりまえの日常がどれほど幸せなことかを痛いほど感じているこの2ヶ月あまりの経験から、学園生の皆さんには一日一日を本当に大切にできる人になってほしいし、また、先生達もそうありたいと強く思っています。
学校生活の再開が待ち遠しいですが、再開当初もしばらくの間は、今までと全て同じようにはできないことが多くあるでしょう。緊急事態宣言の期間の延長と同時に、政府から「新しい生活様式」の提言がありました。これからの私たちに必要なのは発想の転換と二つの「ソウゾウ」する力(想像力・創造力)です。一つ目は、これまでに経験したことをもとに、目の前に見えていないことを思い浮かべ、見えないものをイメージする「想像力」です。この力は、相手との関わり、そして社会全体によい流れをつくりだすために積極的に未来を考えていこうとする力です。二つ目は、新たなものを創り出すという「創造力」です。様々な人と出会い、思いや考えを交流し、新たな価値観を自分に取り入れることや、様々な取組を通して、共有する時間を持つこと、また本を読むことで豊かな感受性を養うこと、そういったことが、自分の見方や考え方を拡げ、枠にとらわれない新たなものを創り出す力となっていくのです。
折しも、GW中に平成から江戸末期にタイムスリップした医師が病やけがに立ち向かう10年ほど前のドラマが再放送されていました。今の状況と重なり、色々考えさせられる内容でした。そのドラマの中で、何度も窮地の局面に立たされた主人公から、自分自身や周囲の人達を奮い立たせるために、繰り返し発せられる言葉がありました。それは「神は乗り越えられる試練しか与えない」です。あたりまえの日常が戻るまで、厳しくつらい状況はもうしばらく続きそうですが、「あせらず、あまえず、あきらめず」今できることに精いっぱい取り組んで、この難局を乗り切っていきましょう。
凌風学園の「凌風」には「風を凌ぐ」、つまり困難(風)を乗り越え進む、時には我慢し、耐えるという意味が込められています。学園生の皆さんには校名の「凌風」にふさわしく、「風を凌いで」この困難に立ち向かい、もうしばらく我慢の日々を積み重ねてほしいと思います。そしてこの経験をぜひ、これからの未来に活かせる人になってほしいと思います。そんな願いを込めて一編の詩を紹介します。
世の中のために 吉野 源三郎
だれもが 力いっぱいに
のびのびと生きてゆける世の中
だれもかれも「生まれてきてよかった」
と思えるような世の中
自分を大切にすることが
同時にひとを大切にすることになる世の中
そういう世の中を来させる仕事が
きみたちのゆくてに待っている
大きな仕事
生きがいのある仕事