読書のすすめ (4)
- 公開日
- 2019/09/02
- 更新日
- 2019/09/02
校長室から
『読み聞かせについて』
◆先週の火曜日より2学期の朝の読み聞かせを開始しました。地域の読書ボランティアの方々の熱心で真摯な態度にいつも頭が下がります。過日,学校司書の西村先生から,脳科学の第一人者である東北大学の川島隆太教授が,「子どもの脳の発達と読書」という講演を記録したものを紹介いただきました。その中に「読み聞かせ」について書かれた箇所があったので紹介します。
◆読み聞かせの効果を調べるために,親子に脳の計測装置を付けてもらい,読み聞かせを実際に行って脳の働きを調べたそうです。
まず,本を読む親の脳は,当初,言葉に出して本を読むところから読書の効果と同じ前頭前野の外側が働いているだろうと予想していましたが,意に反して,心の脳の部分が一番強く働いていたそうです。そしてどの親も同じ結果が出たそうです。
読み聞かせは親にとっては,ただ単に文字を目で追って声に出しているだけではなかったのです。どちらかというとわが子に自分の心から心で働きかけているコミィニケーションをする機会になっていることが脳科学のデータでわかってきました。
一方聞いている子どもの方も,言語をつかさどる前頭前野はやはり反応しなかったそうです。働いていたのは脳の奥深く,大脳辺縁系と呼ばれている場所で,感情や情動を扱う仕事をしている脳であることが分かりました。つまり子ども達は,言語的なものの解析をするという活動よりも,読み聞かせをしてもらって,ドキドキハラハラして,うれしくなって悲しくなってという感情が揺さぶられるという経験をしているようだということが科学的に見えてきました。
脳科学的には読み聞かせというのは,親の側から子ども達に心と心で働きかけていることです。子ども達はその結果として自分自身の心を,感情を揺さぶられます。これが読み聞かせの正体であるという結論になったそうです。
◆まずは読み聞かせをしてみましょう。読んでもらってうれしいなあ,楽しいなあと感じる経験をしていくと,子ども達は本を読むということは,自分や自分の家族を幸せにする力があるということを学習していきます。すなわち本というものは非常に良い人間関係を作るものであるということを学習する機会となっていくのです。それができるようになった子ども達は,自ら本を手に取って読む子どもになっていくのだそうです。併せて読み聞かせを行った親の側にも読み聞かせによってストレスが軽減されたという結果が出ていたそうです。
◆秋の夜長,読書の秋,親子で読み聞かせにチャレンジしてみませんか。