学校日記

音読・暗唱のすすめ

公開日
2019/04/16
更新日
2019/04/16

校長室から

◆新年度がスタートしました。国語科では読み物の単元で,それぞれの学年で音読に取り組んでいます。毎日,毎日,少しずつ繰り返していると,児童は驚くほど長い文章を唱えるようになります。

◆最近,音読や暗唱の重要性が見直されています。「百人一首」「蜘蛛の糸」「学問のすすめ」「平家物語」などの名文に取り組んでいる学校もあります。「言葉の力」は全ての学習活動の基盤となります。「言葉の力」とは,他人の言葉が理解でき,自分の言葉で表現できること。言葉の力は,まず乳児期からの親の豊かな「語りかけ」や親子の「コミュニケーション」から始まります。幼児期の「絵本の読み聞かせ」,学齢期の「音読・暗唱」練習や「読書習慣」などで基礎が培われます。音読に親しむことで言語に対する感受性が高まるのです。

◆音読の重要性が理解されてきたのは,脳科学の発達で,「音読と単純計算が,大脳を最も活性化させる」という効果が明らかになってきたことや,ベストセラーになった齋藤孝さんの「声に出して読みたい日本語」などの影響によるものです。日本では,明治維新の頃,創意あふれる偉人たちが出ましたが,これは,江戸時代後期の寺子屋で,論語などの漢文の素読・暗唱の教育が盛んに行われていたからだと考えられています。歴史上の偉人達も,音読・暗唱による聴覚刺激で,海馬(かいば)への記憶回路を開いていたのです。

◆音読・暗唱の教育は素読では意味の理解は問わず,ひたすら音読を繰り返します。これは,意味の理解を早急に求めるのではなく,言葉そのものを繰り返し心の底に刻み付ける方法です。これは脳の力を伸ばす上で極めて効果的な方法で「右脳によるパターン認識学習」と呼ばれて再評価されてきました。音読・暗唱を繰り返す中でパターンを認識し,脳の深層部(海馬)への記憶回路を開こうとするものです。この伝統的な教育方法をとれば,意味も分からずに暗唱した名文等が,後に子ども達の教養や知性の確かな骨格になっていくのです。多くの国で,古典の名文が学校教育の中で音読・暗唱され,国民共通の文化になっています。日本でも名文,古典などの素読や暗唱・朗読などの重要性が理解されてきました。

◆音読・暗唱の教育的効果をまとめると・・・・
・記憶力がよくなる   ・語彙が豊かになる   
・言語リズムの育成になる・集中力がつく
・話す力・発表力がつく ・文章を書く力がつく
・創造力・創作力がつく ・情操豊かになる
・声が大きくなる・・等。
さあ,子ども達と一緒に大人も音読・暗唱にチャレンジしてみませんか?