学校日記

2学期を振り返って

公開日
2018/12/26
更新日
2018/12/26

校長室から

『感情を咀嚼(そしゃく)する』

◆新聞の「作家の口福」というコーナーに芦沢 央さんの『「これ」は何でできている?』という投稿記事が載っていました。その中に「小説を書くようになってから,感情を咀嚼する癖がついた。」とありました。咀嚼とは食べ物を噛んで味わう行為ですが,感情的に大きな変化を受けた時に,何によって感情が動かされたのかを延々と考えるそうです。なぜかその作業は,美味しい食べ物に感動したとき,それがどんな材料でどんなふうにつくられているのかを探っていく作業に似ているそうです。

◆2学期にはたくさんの学校行事がありました。運動会,学芸会・・その中で特に印象に残っているのが,全校フレンドリー遠足です。縦割りグループでオリエンテーリングをしたり,弁当をいただいたり一緒に遊んだりします。ふだん活動することのないメンバーで一日を過ごすのです。6年のリーダーは骨の折れる一日となります。5年生は少し気楽ですが,時に6年生に代わってリーダーの代理を務める子も現れます。こういった体験は数日過ぎれば頭の引き出しの奥底にしまわれてしまいます。ひょっとすると二度と陽の目を見ないかもしれません。

◆仲秋とはいえまだ日中の気温がかなり高い中,学校到着後に運動場で振り返りの場をもちました。当初,期待通りの感想は出てこず少し諦めかけていましたが,思い切って6年生を指名するとぽつぽつと体験談が出てきました。みんなをまとめることの難しさ,リーダーとしての責任の重さ,そして,やり終えたときの達成感。最後にみんなに呼びかけました。今日の遠足を振り返って作文を書こうと。

◆次の日,何人かの5・6年生が自主学習ノートに全校遠足について書いてきました。
「みんなが安心した後,・・・○○さんがいないので探し・・○○さんが満足したように私のグループの列に並んでいたので,追いかけてほしかったのか,と思いました。フレンドリー遠足は6年間の中で一番楽しかったです。その日は〇〇さんと鬼ごっこの日となりました。」
この児童は,ひとところにじっとしない○○さんとの格闘を振り返ってこのように綴っていました。

◆5年生のある児童は,
「・・その中でも6年生を見ていると,とても大変そうだと感じました。なぜなら,グループのみんなを一人で支えていたりしていました。・・・私もあんな6年生になりたいと思いました。」
そばで見ていて本当に大変だと感じた一方で,そんな6年生の姿への憧れ,尊敬の気持ちをこの5年生は綴っています。

◆体験や経験を意識化し内面化するためには,一度ことばに置き換える必要があります。どんな活動でどのように思いを創り上げていったのか,その工程を丹念に振り返ることは,まさに「感情を咀嚼する」ことなのかもしれません。3学期もいろいろな取組を進めていきます。その一つ一つを噛みしめながら学校づくりに励みたいと思います。
この一年,ご理解とご協力ありがとうございました。