京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2019/03/29
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豊かな人間性の育成をめざし 互いの人権を尊重し合い「若き日に心を磨き」「若き日に身体を鍛え」「若き日に知識を広め」「若き日に友と交わり」 未来の糧を創ろう!         歩む道に迷いなし。このまま,まっすぐに・・・         3月29日(金) 離任式

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「初心忘るべからず」
 拝啓 梅雨明けの待たれる毎日ですが、向島中学校の皆様にはいかがお過ごしでしょうか。私は教員採用試験に向け、勉強を頑張っております。
 まずは、三週間にわたり教育実習の機会を与えていただきましてありがとうございました。そして、校長先生、教頭先生、実習担当の太田先生、教科指導担当の中井先生はじめ皆様に大変お世話になりました。おかげさまで、無事実習を終えさせていただきましたこと、感謝申し上げます。
 実習では、本当に多くのことを学び、それと同時に多くの反省がありました。自分には、教師になる上で必要な部分がまだまだ足りていないということを痛感しました。本当に反省ばかりの三週間でしたが、そんな中で、授業や休憩時間、部活動を通じて多くの生徒たちと触れ合い、生徒たちから学ぶことも沢山ありました。特に、入らせていただいた三年四組では、暖かく迎え入れ、暖かく送り出してくれました。最終日の終学活では、黒板に大きく「先生ありがとう」の文字、クラスの皆と撮った写真、一人ひとりからのメッセージカードを受け取り、号泣してしまいました。
 多くの学びや反省、そして教師としての喜びなど、本当に様々な経験をさせて頂けたこの実習は、私にとって一生の宝物となりました。
 向島中学校で実習させていただいたことで、教師になりたいという気持ちはますます高まりました。先生方のご厚意や実習の教訓を生かし、これからも頑張っていきたいと思います。本当に有難うございました。
 皆様のご健康と向島中学校の発展をお祈り申し上げます。   敬具
 教育実習生からお礼の手紙が届いています。その中から、皆さんに紹介したいものを拾い、少々長いけれども全文を掲載することにしました。彼が3週間で様々な経験をしたことが読みとれます。『しんどい』『悔しい』と悩み、『自分は教師に向いているのか?』と自問自答する姿が見えてきます。一方で、感動と喜びに『教師になるぞ!』と意気込む様子も想像できます。思えば、私たちもこの経験を経て今日まできました。
 教育実習の思い出は、私にとっても礎になっています。「この指導案で、一体何を教えるつもりなんや!?」担当の先生にそう言って厳しく指導された仲間が、その後泣いて泣いて、皆で長いこと慰めたことも今思い出しました。
 教師という職業は、「楽しい」けれど、決して「楽」ではないと思います。時間も不規則で、手当なしの超過勤務は常態化しています。土曜日・日曜日も部活動です。相手が人間なだけに関係が上手くいかずストレスの溜まることも少なくありません。でも、感動して泣ける職業って、そうはないとも思うのです。
「なぜ、教師になったのですか。」「どんな教師になりたいのですか。」今一度、スタート地点に戻って自分自身を見つめ直してみるのもよいのではないでしょうか。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「準備にワクワク」
 7月1日の朝は久しぶりの晴天で、今年初めて校門で中央公園から喧しく聞こえてくる蝉の声を聞きました。7月に入って一気に夏らしくなってきたように思います。毎日、厳しい日差しが肌を刺激します。
「あんまり焼けんように気ぃ付けや!」「年いってからの日焼けは良うないえ!」日焼けして帰ると妻からうるさく言われます。確かに若い頃と違って、シワシワになる感じがします(笑)。以後、十分気を付けようと思います。
 さて、先ほどまで、今日のPTA企画委員会で行う「プチ道徳」の準備をしていました。企画委員会は、年に7〜8回定例で行われるPTAの役員会ですが、大きな議題がない時は各委員会からの活動報告くらいで終わってしまいます。せっかく集まってもらって、それだけで終わりというのではもったいないと思い、前回からそんなときには「プチ道徳」を行うことにしました。ミニネタを使って10分間くらいの道徳の授業を行うのですが、上手くいって感動を共有できたら「来てよかったな!」って感じてもらえるかなって思って始めたのですが、案外反応はよかったようです。
 私が授業者でPTA役員の皆様が生徒役です。前回は、東京ガスのCM「お弁当編」を使いました。短い時間でしたが、結構温かな空気が会議室を満たしました。終わってから、「校長先生、よかったわぁー!」と言ってくださる方も居られたので、気をよくして今日も準備をしていたところです。
 ところで、こんな風に授業の準備をワクワクしながらできるようになったのは、実は教師になって何年も経ってからです。若い先生にしてみれば、翌日の授業の準備をしようと思っても、生徒指導の問題が起こったり生徒会や部活動の指導があったり、それに今の時期なら懇談会の資料を作ったりの忙しい日常の中で、とてもじゃないけれどワクワクしながら授業の準備なんてできないのではないかと思ってしまいます。
 それでも、やっぱり授業の準備をする際にはワクワクしながらやってほしいものです。『この資料を読んだとき、あの子たちはどんな反応をするんかな!?』『この発問をしたとき、教室の空気はどうなるやろう?』『あの子が突っ込んできたら、このように切り返してやろう!』
こんなことを考えながら授業の準備をすると、自然とワクワクしてきます。ワクワク感は、授業に使う教材を十分に我がものにしている証拠です。授業のねらいがはっきりと見えていて、授業の山場が分かっている証拠でもあると思うのです。教師がワクワクしながら準備をし、ドキドキしながら行う授業なら生徒はきっと楽しいと感じるはずだと思うのですがどうでしょう。
 偉そうなことを書きました。授業の機会が少なくなった者だから言えるのかも知れません。でも先生方、「準備にワクワク」今一度考えてみてはどうでしょう。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「部活動 頑張れ!」
 『今年の梅雨は雨が少ないのかな』梅雨入りして暫くはそうと思っていましたが、6月下旬からは大雨続きです。特に九州では大きな被害が出ており、まだまだ油断のできない状況です。また、この雨模様の影響でしょうか、朝晩は上着がないと寒いくらいです。
 さて、「夏本番」がやってきます。夏と言えば、3年生が引退をかけて戦う最後の大会やコンクールが一番に頭に浮かびます。今年も、子どもたちの熱い戦いを観るのが楽しみです。
 40年前になります。当時は軟式テニスと呼ばれていたのですが、私は中学生時代、今で言うソフトテニス部で頑張っていました。中学校の傍に京都大学があるので、2年生からは毎朝登校前に友達らと京大のテニスコートで練習をしました。最後の夏の大会では、市内の個人戦でベスト8に入って府大会へ出場もしました。泊りがけで試合に行くのを楽しみにしていたのですが、残念なこと(?)に、その年の府大会の会場は京都市立紫野高校でした。試合は1回戦で負けてしまいましたが、仕事を抜けて父が初めて私の試合を観に来てくれたことを覚えています。
 父もソフトテニスの愛好者です。55歳で国民体育大会へ出場を果たしてからは、西日本大会や全日本大会で優勝するなど、晩年になって全国レベルの選手として活躍しました。お陰で、京都や特に近府県では、何処へ行っても「ああ、澤田さんの…、お父さんにはお世話になっています!」と言われたものです。プレッシャーに感じたことはありましたが、決して嫌ではありませんでした。(今、上の息子が私と同じ教師の道を歩み始めました。『嫌だ!』と思っていないことを願っています…笑…。)
 社会人になってからは、家族旅行を兼ねて方々の大会へも出場しました。和歌山に親子大会があります。小中学生とお父さんというペアで出場する組が多い中で、お父さんとおじいちゃんという特異なペアで2連覇しました。敦賀の大会へは、当時大学生の弟と組んで出場しました。3位でしたが、両親が一番興奮した試合だったと思います。私が大学4回生で全関西選手権に優勝した時、本部席で役員さんたちと嬉しそうに握手を交わしていた父の姿は今も忘れられません。
 私は、テニスという競技を通して“人間性”を磨いてきたのだと思っています。“人間性”とは、性格や考え方、態度や言葉づかいなど、「その人らしさ」のことです。多くの人に出会い、今も大切にしている人間関係が広がってもいきました。苦しい時は、嬉しい時や楽しい時と同じくらいにありました。人との出会いやそうした様々な経験が“人間性”を作ってきてくれたと思っています。
 中学生諸君、残り少ない中学校での部活動に全力で取り組んでください。自分で選んで頑張ってきた部活動です。たとえ勝てなかったとしても、一生懸命に取り組んできたそのことが、みなさんを成長させてくれると信じています。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「うまい時間の使い方」
 震災で大きな被害を出した熊本が、今度は大雨で大変なことになっています。亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、これ以上被害が拡大しないことを願ってやみません。
 さて、ワーカホリックという言葉を知っていますか。10年以上前、当時勤務していた学校にやって来たALTが、こんなことを言いました。「日本人はワーカホリックだと聞いていたけど、この学校に来て、これがそうなのかと実感しました。」向島中学校と同じく、その学校も先生が毎日遅くまで残って仕事をしていました。生徒指導や教育委員会へ提出する書類づくりで忙しく、優先すべきはずの授業の準備をどうしても後回しにしなければならない状況になるのです。遅くまで熱心に働く教職員を観て、当時教頭をしていた私に驚きの中にちょっぴり呆れた様子でそう話したものです。ワーカホリックとは、直訳すると「仕事中毒」です。
 昨年度の11月、京都市中学校長会は、毎週水曜日を「ノー残業デイ」として、午後7時には学校を閉めようと決めました。それでも、昨年度はなかなかキチッと実行することができませんでした。それを今年度は強い決意で実行しようとしています。「7時に学校が閉まる」朝からそのことを頭において、計画的に仕事を行うことで効率も上がると思います。「水曜日はノー残業デイ」これが定着すると、これまでとは違った一週間のリズムができてもくるでしょう。週の真ん中である水曜日を一つの目標として、仕事をする際に一週間という時間を計画的にうまく使うことができるはずです。そうしてできた時間を自分自身や家族のために使ってください。
 私事ですが、最近の私は休日も“ボーっ”として過ごす場面はありません。年齢と共に引き受ける役が増えてきます。また、両親共に弱ってきて、これまでは親がしてきたこともしなければならなくなりました。家事の他に地域の仕事もあります。納税一つとってみても、我々は給料から引かれているので、収めているという感覚さえ薄かったのですが、これが案外面倒だと分かりました。だから、TVを観るのも観たい番組を決めてそれだけを観ます。何もしないでいる時間は目的をもって眠っています。
 そんな私にも気分転換というか、心身に休養を与える場面は必要です。それが読書とDVD鑑賞、銭湯と洗車、ジョギングかウォーキングの時間です。これらの時間を確保するため、頭の中で計画を立てるのもまた楽しみの一つです。
 教職員や生徒諸君に言いたいです。時間をうまく使ってください。
『あっ、またゲームやってもうた』『また、どうでもいいTV番組を最後まで観てもうた!』そんなことになっていませんか。
 時間はすべての人に同じだけあります。計画的に有効に使うと、思いのほかたくさんのことができます。そうした時、とても大きな充実感が味わえるものです。

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『チャレンジ体験』
 梅雨入りしたのに案外雨が降らず、何やら変てこりんな気分です。
 さて、14日から2年生が「チャレンジ体験学習」に取り組んでいます。この行事は、生徒・教職員の両方にとって修学旅行に匹敵する大きな行事です。修学旅行と同様、事前事後にかなり多くの時間をかけて取り組みます。だからこそ、意義あるものにしなければなりませんし、強く思い出にも残ります。彼らは今年も50ほどの事業所にお世話になって仕事を体験し、働くことの意義と楽しさ・厳しさ等を学んでいるはずです。
 ところで、おそらく、全国的にこう呼ばれていると思うのですが、「チャレンジ体験」とは、一体誰がいつ名付けたのでしょう。実にぴったりの名前だと思うのです。全員が第一希望の職場に行けている訳ではありませんが、学校の授業中では見られないようなイキイキした表情で幼児に関わっていたり、職場の方の指示を一生懸命に聴いている姿を見ると、多くの時間をかけて取り組む値打ちを感じてもいます。
 この取組は、5〜6年前までは5日間で行っていました。その後、授業時間確保の目的で3日間にする学校が増えました。ところが、事業所によっては平日に休業日を設けているところもあり、2日間しか体験ができないという事態が起こってきました。そこで、4日間の取組にする学校が増えており、本校でも今年からそうしました。
 さて、2日が終わりました。ここまでは緊張感もあり、楽しさが勝っていますが、本当のこの取組の意義はここからです。3日目4日目になると、「しんどい」と感じるようになるのです。緊張感がなくなって仕事内容が雑になったり、態度によからぬ変化が現れたりもします。事業主の方に叱られることもでてきます。新鮮な気持ちをもったまま体験活動に精を出してほしいと思います。
 私は、中学生ぐらいから教師になりたいと思って、その夢を叶えるために頑張ってきました。しかし、大学に入って学ぶうちに、自分が教師に向いているのかどうか悩んでいます。もちろん、子どもに学ぶ楽しさを教えたいし、中学生の時の恩師のような先生になりたいという気持ちは今も強くもっています。私がこの実習で一番期待していることは、自分の教師の適性の有無を確かめることです。最後まで全力で、生徒や先生からたくさんのことを学ばせてもらおうと思っています。ここで得た経験は一生のものだと思うので。【一部省略・改編】
 今本校で頑張っている教育実習生が書いた決意の文章です。教育実習生の全員が「先生になる」という夢にだけ向かっている訳ではありません。こういう実習もありです。ただ、この人も書いている通り、全力で取り組まなければ、適性の有無を判断することはできないでしょう。この人も、現在「チャレンジ体験」を実行中です。
 2年生諸君、あと2日間、全力で取り組んでおいで。そして、たくさんのことを学んできてください。

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「道徳の時間」
 6月5日、今年度の「日曜参観」を終えました。あいにくの雨模様でしたが、今年も多くの保護者の方に来校していただきました。「来んといてや!」そう言うのかもしれませんが、保護者の方が観に来て下さるのを楽しみにしている生徒は実は多いのです。
 さて、昨年度の日曜参観から各学年各学級で道徳の授業を公開しています。京都市全体で6月と11月とを道徳月間と定め、保護者や地域の方に公開するようにしています。かつては、教科の時間に比べると道徳や特別活動(学活)、総合の時間には参観者が少なかったりもしましたが、近頃ではそうでもなくなってきたようです。「分かる」「分からない」がないのでどの子も参加しやすく、生徒の活躍の場面が多いため保護者の方も面白いのだと思います。また、教材について考え、意見や思いを述べるその内容が、親の知っている姿からは思いもよらないくらい深いものであったりすることも興味をもたれる原因でしょう。道徳の授業を参観されている保護者の方が深く頷いておられたり、涙を流されている場面を見ることは少なくありません。
 ところで、道徳って一体なんでしょう。京都市中学校PTA連絡協議会が出しているポスターに「私からマ・モ・ル」というフレーズがあります。「マ・モ・ル」とは、マナー・モラル・ルールのことですが、これを頼りに考えてみます。一番分かり易いのはルールです。ルールとは守らなければならない「きまり」のことです。守らないと、罰則を受けることもあります。モラルが道徳です。モラルとマナーの違いが難しいところですが、私は、モラルは考え方や心のもち方の問題で、それが態度や振る舞いとして現れたもののひとつがマナーだと考えています。喫煙を例にとってみます。中学生がたばこを吸うとルール違反です。成人が吸う場合でも、人込みや食事中だとマナー違反です。「人に迷惑をかけないように」とか「人に優しく」とか、よりよく生きる方法について深く考え、行動に移そうとする部分がモラルだと思うのです。
 日曜参観では、3年の学年道徳を担当して「友情」について共に考えました。本テーマは、中学生にとっては身近すぎて、案外それが上手くいっていない為に苦しんでいたりもして、ややもすると考えたくない内容かもしれません。
 中学生らしい素直な意見がドンドン出されました。「生徒会の仕事などで部活動に行けないことが多くて申し訳ない。でも、最後の大会に向けてみんなで頑張りたい。」「部活のみんなが上達しているのを見て、『凄いなー!頑張ってるなぁー』って感じてる」この発言に対しては、「本当は悔しいんやな?」と私が言葉を添えると、その子は涙をこぼしました。純粋で実直だからこそ力のあるメッセージが続きます。観ている大人の心を揺さぶる中学生の言葉の力に驚かされもしました。そして、改めてそんな道徳の時間を大切にしたいと感じました。やっぱ、たまにはこうして授業をしたいですね。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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『中学生のこの時期に』
 今年もいつもの場所にいつものようにアジサイが鮮やかな花を咲かせ始めています。もう6月になります。天気予報で今夏の長期予報を発表していました。今年は雨量が多くなるそうです。バイク通勤の私にとってはつらいシーズンになりますが、アジサイはじめ植物にとってはたっぷりと水が吸収できてよいのかもしれません。
 さて26日、3週間後にチャレンジ体験を控えて「チャレンジ体験講話」を実施しました。昨年に引き続いて書道家の奥村英津子先生に来ていただき、書を書くパフォーマンスと激励のお話をして頂きました。今年度は、本校の「学校教育目標」を書いて頂きました。生徒は、普段あまりこれを目にすることがないかもしれません。それでも、奥村先生がその説明をされた瞬間、「あっ、それって、ここに書いてあるやつちゃうん!?」と言って生徒手帳を取り出す人がいました。そうです。生徒手帳の見開きに書かれてあり、本来、生徒も教職員もこの目標の実現に向けて取り組むべきものです。私は、4月の最初の職員会議で毎年こう述べます。こうして「学校教育目標」を確認したからには、1年間その実現のために頑張ってほしい。この後、学年や学級、部活動で目標を決めると思うが、それらはすべてこの「学校教育目標」に向かっていくように心得てほしい。
 平成24年度、花山中学校の校長3年目の春に「学校教育目標」を改変しました。当時、書道の地域講師であった奥村先生に新しい「学校教育目標」を大書して頂き、玄関に掲げました。それを覚えていてくださったのでしょう。本校の「学校教育目標」に関心をもたれ、それを書かせてほしいと先生の方から申し出てくださいました。
  豊かな人間性の育成を目指し、互いの人権を尊重し合い
   ・若き日に心を磨き  ・若き日に身体を鍛え
   ・若き日に知識を広め ・若き日に友と交わり 未来の糧を創ろう
 どうやら、奥村先生は「若き日に」から続く4文に心惹かれられたようです。「私は50歳を超えましたが、皆さんはまだ14歳。人生これからです。今の時期にこそ、ここに書かかれてあることを実践してください。」そう強調されていました。確かにそうです。二度とない中学生の時期です。感受性が強く、だからこそ感動することも傷つくことも多くあると思います。一気に身体が大きくなります。だからこそ鍛えることが必要です。中学生の時期に身に付けた知識は、高校・大学・社会人と続く今後の人生を生きていく上での基礎になります。
 改めて読み深めてみて、『実によくできている』と思います。
 先生に書いて頂いた「学校教育目標」は近々玄関に掲げます。それを見るたびに、そこに込められた多くの先生方の熱い思いに考えを巡らせてみてほしいと思います。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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『楽しぃ生活しいや!』
 年度末から父が入院しています。その時は、母と妹との区別がつかないほど意識が混濁もしていました。今だから言えますが、『始業式や入学式に休むことにならねばよいが…』そう思いました。今の医学は素晴らしいです。20日間ほどして集中治療室を出ることができ、普通病棟に移ってからは、身体のチューブが次々とれて、赤ちゃんの離乳食のような食事ですがとれるようになりました。今では、自分で食事も用便もできるまでに回復し、歩く練習を始めてもいます。ただ、体重は10キロほど減少し、すでに恰幅のよい父の面影はなくなりました。
 土曜日と日曜日には必ず病室を訪れます。日曜日には妻と上の息子も一緒です。元々耳が遠いのでホワイトボードを使って筆談をするのですが、随分とコミュニケーションがとれるようになってきました。父は、自分の身体が重篤であるにも関わらす、常に家族のことを慮っています。「おばあちゃん(母)は疲れてへんか?」「陽太(二男)は元気にしてるか?」「家のことで色々と面倒を掛けるけど、学校の仕事は大丈夫か?」
 病気からの立ち直りに気力が大切であることを思い知ったエピソードが2つあります。1つは、意識がしっかりとしていない時のことです。アメリカ留学中の二男には今回の入院のことを知らせていないので、帰国するまでによくなってほしいと言ったときです。父の表情が引き締まりました。もう1つはごく最近です。用便の失敗を繰り返すと、父自身が自信を喪失するので、それがしっかりとできるようリハビリを頑張ってほしいと言った時です。無言でしたが、強い決意がこちらに伝わってきました。
 昭和5年生まれで86歳になる父は、将に激動の時代を生きてきました。敗戦を経験し、ひもじい思いをして成長期の青年時代を過ごしました。そして、働きに働いて日本の復興を支え、我が国を世界有数の経済大国へと導いてきた世代の人です。辛抱強く身体が丈夫で、学ぶことにも衣食住にも貪欲です。高度経済成長期に生まれた私は、働くことが家族と社会のためになるということを父の背中から学んできました。
 先週のことです。仕事が立て込んでしんどい思いをしていました。学校経営のことや家庭のこと、そしてその両立についてプレッシャーも感じていました。病室を去ろうとした瞬間です。「清人、楽しぃ生活しいや!」父はそう言いました。「十分楽しくやってるで」そうは答えましたが、どうやら父には見破られていたようです。
 帰りの車の中で涙が溢れました。翌日、息子が父の病室から出た直後に言いました。「ここへ来ると、不思議と“やる気”になるねんな…。」
 ここまで回復したのは奇跡です。それならば、もっとすごい奇跡を起こしてほしいと願っています。「清人の退職の年まで生きて、オリンピックを見に行くんや!」3年前に東京五輪が決定したとき、父自身が立てた目標の実現です。

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「魂のこもったプレー」
 小さな頃からスポーツはするのも観るのも大好きです。小学生の頃は、学校ではドッヂボール、学校から帰ったら近くの公園で野球をしたものです。
 夜には毎晩のようにプロ野球ナイター中継を観ていました。各球団の先発メンバーはもちろん、代打やリリーフピッチャーの名前まで全員頭に入っていました。そんな少年時代を送ったので、先日2年の男子が体育でソフトボールをしているのを見て少々驚きました。ルールを知らない生徒が結構いましたし、投げる・受ける・打つという行動が何ともぎこちないのです。「時代は変わったなあ」と感じました。
 さて、昨日は「総括考査」ということで部活動がなく、その分諸会議も早くおわったので、久しぶりに早めに帰宅できました。8時頃に夕食をとると、割と安心して“ガッツリ”食べられます(笑)。その後は、TVでスポーツ観戦を楽しみました。
 昨晩は、私と同じように野球中継とバレーボール中継とをCMごとに切り替えながら観ていた人が多かったのではないかと思います。
 我が家の応援する阪神タイガースは、近頃終盤に追いつかれたり逆転されたりで、どうも“スカッ”としない戦い方をしていました。昨日も、同じようになるかなとハラハラしながら観ました。最終回の中日の攻撃で甲子園のマウンドに立ったのは藤川球児投手でした。久しぶりの抑え役としての登板です。なんと、全球ストレートの真っ向勝負でした。最初の打者から三振を奪い、そして3者凡退に討ちとった時にはソファーから飛び上がらんばかりに興奮しました。
 すぐにバレーボールに切り替えました。前日に韓国に敗れた女子チームには、リオ五輪に向けて後がない状態でした。ところが、対戦相手のタイにセットも得点も常に先行され、思いのほか苦戦を強いられました。観だした時には、セットカウント2−2の5セット目で、すでに随分と引き離されていました。先に10点目を奪われ、あれよあれよという間に6−12に。正直に言って、観ている私たちは諦めました。でも、選手は諦めていなかったようです。相手監督のレッドカードもあって一気に日本のペースになりました。6点差を跳ね返した連続得点の度に家族全員で歓声をあげました。14−13で相手サーブ。最後の攻撃です。『ここで弱気になるなよ!』選手は素人ではないのにそう思って観守りました。鋭いスパイクが決まって日本チームの勝利です。「ヨッシャ―っ!」声をあげて跳び上がりました。家族全員で感動しました。
 藤川投手と女子バレーボールチーム、魂のこもった全力プレーに観ているこちらの魂も震えました。中学生の試合やコンクール、行事に向けての取組なども、そこに魂が込められていれば、十分に観る者の心を動かします。
 今後の向島中学校の生徒の頑張りと活躍に大いに期待します。

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「習熟度別分割授業」
 ことしのGWはよい天気に恵まれました。一方、学校のある日は、この時期にしてはやけに雨が多いように思います。例年なら半袖で過ごす教職員がもっといますが、今年度は私も含めてまだ上着を着ていている者が目立ちます。
 授業が始まって約1カ月が経過しました。毎日各教室を観て回ります。どのクラスも活気があり学ぶ雰囲気に満ちていて、よいスタートが切れたと嬉しく感じています。学校生活の中で最も長い時間を過ごす各教科の授業が充実していることは極めて重要です。
 ところで、普通学級の中で1クラスだけ6〜8人の少人数で学習が進行している学級があります。2年生の数学で、昨年度から取り組みだした「習熟度別少人数分割学級」です。これまでも少人数による分割授業に取り組んではきました。しかし、名簿の奇数と偶数、あるいは前半と後半で分ける「単純分割」では、教師の生徒一人ひとりへの関わりは多く(厚く)なるものの、顕著な効果が得られなかったようです。そこで、生徒の能力に応じた学習内容と学習方法を工夫できる「習熟度別分割授業」に切り替えました。習熟度別にすると、生徒の差別化に繋がるのでは…と懸念もされました。そこで、クラス分けの際には教科担任だけでなく学級担任も一緒に丁寧に面談を行い、基本的には本人の希望と保護者の了解を得たうえで決定するようにしました。
◎ゆっくりと簡単に教えてもらえる ◎わかるから授業が楽しい ◎勉強方法が一人ひとりに合っている ◎細かく教えてもらえる ◎点数が上がった −S1クラス
〇授業の進むのが速くてうれしい 〇授業のペースがちょうどよい 〇全員で授業を受けている感じがする 〇応用問題がたくさんできた       −S2クラス 
 これらは、昨年度の研究報告書から抜粋した現3年生の感想です。
「一斉授業や単純分割では、どうしても拾えなかった生徒たちに力がつけられていることが一番です。」こちらは指導に当たる教師の言葉です。
「今までやったら1時間中“ボーっ”としてたり、分からんまま授業が終わったけど、このやり方になってメッチャよう分かるようになった。勉強が楽しい。このクラスになってホンマによかった!」現在S1クラスで学ぶ2年生の生の声です。
 T:「今の説明、分かるか?」 S:「分からん。もう一回説明して!」
 こんな会話が1時間中聞こえてきます。“理解させるということが、これほどまでに学習意欲を高めるのか!”と改めて認識させられ、教育の原点を観るような思いでいます。 本校の特徴でしょうか、今年度もS1クラスでの学習を希望する生徒が多いのが現状です。定期テストは同一問題で行っていますし、評価の規準も同じにしてあります。クラス替えのタイミングやその頻度など、まだまだ課題はありますが、この取組の今後を楽しみに見ていきたいと思っています。

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