京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2019/03/29
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豊かな人間性の育成をめざし 互いの人権を尊重し合い「若き日に心を磨き」「若き日に身体を鍛え」「若き日に知識を広め」「若き日に友と交わり」 未来の糧を創ろう!         歩む道に迷いなし。このまま,まっすぐに・・・         3月29日(金) 離任式

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「ハチドリのひとしずく」より
 秋が深まり、朝晩の寒さが早くも冬を思わせます。バイク通勤の私にとっては厳しい季節がやってきました。
 さて、12月は「人権月間」です。我が国では「世界人権デー」である12月10日を最終日とする一週間を「人権週間」として各地で人権尊重を訴える集会やキャンペーンを行っています。来週その「人権週間」を迎えるにあたって、本校でも「総括考査」最終日の25日に全校集会を行って生徒と教職員全員で人権について考える機会をもったところです。
 ところで人権といえば、26(土)・27(日)の2日間、第68回全国人権・同和教育研究大会(全人同教)大阪大会に参加してきました。今年は熊本でこの大会が計画されていたのですが、4月の震災によって開催が難しくなりました。これまで一度も大会を中断させたことのない大会事務局は、急きょ大阪市での開催を提案し、近隣都市の協力も得て2日間の大会を実行しました。例年に比べると参加者は少なかったように思いますが、それでも期待通り、心が熱く揺さぶられる提案や参加者の発言に触れ、新たなエネルギーを充電してくることができました。また、全国に居る人権教育を通じて知り合った仲間と出会うこともこの場の楽しみの一つです。今年も鹿児島や愛媛、滋賀の仲間と再会し、更に西宮に新たな仲間の輪を広げることができました。
 今年の京都市の中学校代表はお隣の向島東中学校でした。一人の生徒に焦点を当て、担任教師が中心となって学級や学年集団(生徒と教職員)の取組によってその生徒が変容していった様が丁寧に報告されました。“教育とは、かくあるべき”と、目標をもって粘り強く取り組むことの大切さを再認識させてもらうと同時に、本校教育を見つめ直す気持ちを新たにして帰ってきました。
 向島東中学校の報告テーマの冒頭に「ハチドリのひとしずく」という文言が付いており興味を引かれました。報告内容を紹介することは控えますが、こちらについては、皆さんにも知ってもらいたいので是非紹介させてください。
ハチドリとは体長10センチ程度の小さな鳥で、花の蜜を主食としています。ブンブンとハチと同様の羽音を立てるためそのように呼ばれています。『ハチドリのひとしずく』は南米の先住民の言い伝えを物語にしたものです。
 森が燃えていました 森の生き物たちは、われさきに逃げていきました でも、クリキンディという名のハチドリだけは行ったり来たり 口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落しています 動物たちは、それを見て 「そんなことをして、一体何になるんだ」と笑います クリキンディは、こう答えます 「私は、私にできることをしているだけ」
 「人権週間」にあたって、私たちも自分にできる「ひとしずく」を見つけて一歩を踏み出してみてはどうでしょう。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「成長の手助け」
 一昨晩の全身に残る心地よい疲れが、時間と共に筋肉痛へと変わり、今では椅子への立ち座りにさえ思わず声を出すほどになっています。一昨日、久しぶりにテニスをしました。大学のOB会に顔を出したのです。着いた早々『えらいところに来てしまった!』という思い。昭和の時代の卒業生は私一人です。同じ京都市の中学校でテニス部顧問として活躍する人もおり、『ほっと、一安心!』じっと見ていると、10年程前ちょくちょく来ていた頃に知り合った後輩たちガ来ていることに気づきます。その中の何人かが挨拶に来てくれて、急にアウェイ感がなくなりました。
 「澤田先生、ひとつ試合をしませんか?」声をかけてくださったのは大学の現在の顧問の先生です。私より5歳以上上の方ですが、どうやら普段から練習をされているようです。「いっちょやりますか!」しかし、男子学生との対戦などとんでもない。ボールのスピードにも展開の早さにも到底ついていけそうにありません。「女子の選手で相手をしてくれる人はいませんか。」キャプテンに聞きました。「ならば、私たちが…!」出てきてくれたのは現キャプテンと前キャプテンのペアです。『これは手ごわそう!』
 案外身体は動きました。試合感覚も試合の進行とともにとり戻していきました。吾々オッサンチームに対する遠慮があったのでしょう。あるいは、彼女らが思っていた以上に我々の身体が動いたのかも知れません(笑)終始リードする展開で試合は進み、あっさりと勝ってしまいました。これで終わるには物足りなくて再試合となりました。彼女らも今度は遠慮がありません。初めから勝つ気です。こちらもスイッチが入り直します。むしろ2試合目の方がやり易くさえありました。また勝っちゃいました。
 2人がアドバイスを聴きに来ます。私の話に耳を傾ける一人の選手に見覚えがありました。「あっ、君は去年うちに来てくれた…」「覚えてくださっていましたか。そうです。学校訪問で向島中学校に寄せてもらった時、私たちの先輩だということで“一度お出で下さい”とお伝えしました。」一年で随分大学生らしくなっていました。月日だけではありません。様々な経験が彼女を成長させたのでしょう。
 本校の子どもたちもそうです。むしろ、成長期であるだけに心身の成長するスピードは大学生以上です。2年生など、ビックリするほど大きくなりました。日々の学習を中心に、様々な行事、部活動や生徒会活動を通じて子どもたちはものすごい勢いで成長し続けています。時には傷つくことも人を傷つけることもあるでしょう。でも、子どもたちの成長にとって不必要なものなど彼らの周りには何もありません。
 褒めて認めて励まして、時には叱って、また褒めて励まします。私たち教師の仕事はその繰り返しです。子どもの成長を見守り、彼らが幸せに生きられるよう手助けをするのってすごくやり甲斐のある仕事だと改めて思う今日この頃です。

『南風、吹かせ!』〜Hot wind from Mukaijima〜

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「生きるを考える日々」
 朝夕の冷え込みが厳しくなりました。朝の校門に立つ際にはコートが欲しいと思うくらいです。草むらには既に虫の声はありません。かわって山茶花の木が蕾をつけ始めました。そう言えば、1月前は「音楽コンクール」が終わった頃で、まだみんな半袖でした。季節は確実に移っています。
 さて、久しぶりに父親のことを綴ります。
「誤嚥性肺炎」って知っていますか。高齢になると、喉の筋肉が上手く働かなくなって食べ物が食道ではなく気管から肺に入ってしまうようです。それが原因で肺炎を起こし、命を落とす高齢者が多いのです。日本人の死因を調べてみると、年齢が高くなるほどこうした肺炎による死者が増えます。
 「残念ながら、お父様はもう何も食べられなくなられました。」
 先月10日に医師からそう宣告されました。実際何か食べようとしてもむせて吐き出すばかりです。病院では点滴の栄養だけで生かされている状態でした。「腹が減って眠れへん。何か食わせてくれ!」意識のしっかりしている父は空腹と闘うようになりました。「こんなところに居たら餓死させられる。家に帰りたい!」病院は、肺炎を起こす患者に食事をさせてはくれません。空腹感が父の人格を変え始めました。医師や看護師に罵声を浴びせ、見舞いに来た家族に対してもキツイ言葉を吐きます。
 私たちは大きな決断をしました。在宅での看護と介護です。「食べたいのであれば、食べさせてあげよう」食べ物が喉に詰まるので、吸引の仕方も学びました。往診してくださる医師と訪問看護師を見つけてももらいました。“食べては吐き出す”、あるいは“食べては吸引する”を繰り返すうちに奇跡が起こりました。少しずつですが、喉を通る量が増えていったのです。自宅へ帰って3日目の夜、ビックリするほどの量の排便がありました。可笑しな話ですが排便に希望が見えました。今では、家で吸引することがなくなるまでに食べられています。性格も、元の温厚な父に戻りました。
 あのまま絶飲食を続けさせていたら、父は皆から嫌われながら死んでいたかもしれません。父の人間らしく生きようとする“気力”が医師の診断を覆らせたのだと思います。
 しかし、家族の生活は大きく変化しました。今この瞬間も父の傍には誰かが付いていなければなりません。父の看護・介護の在り方を巡って、妹や弟と時には激しい言い争いも起こります。そんな時は、母や私と弟の妻たちの困った顔を見るのもつらいです。父の「生きたい」という思いを尊重し、「父を支えていこう」ということを共有して、一人ひとりができることをやるようにしています。
 父の死と生を考える中で、近頃は、家族の在り方や自分の生き方についても一層深く考えるようになりました。どう生きるのか。幸福に生きるとは…。何かに集中しているとき以外は、「人が生きる」ということについてあれこれと考えています。

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「チャンスを与える」
 ついこの間まで「暑い!あつい!」と愚痴っていたのに、今は24号線の気温計が10度を下回るようになりました。『いったいぜんたい、秋はどこへ行ったんや!』そんな気持ちで寒い空気の中をバイクで走っています。
 さて、10月29日(土)・30日(日)の2日間、今年も総合教育センターを中心に市内各所で「京都市中学校総合文化祭」が盛大に開催されました。本校からは、弁論大会、社会科研究発表会、美術展、吹奏楽演奏発表会の4部門に出場・出展しました。時間が重なったので、吹奏楽部の演奏を聴きに行くことはできませんでしたが、上々の出来だったと聞いています。
 美術展では、会場である堀川御池ギャラリーに入った途端、2−4の作品が“ドーン!”と目に飛び込んできました。また、その近くに1−3と6組の貼り絵も掲示されており、本校生徒の作品が結構目立つ場所に展示されていましたね。あれなら、観に行った人すべての人の目に留まったことだと思います。
 昨年度3位になった弁論大会。『今年もッ!』と意気込んで練習に取り組んでいました。何度考えてもトップバッターだったことが残念です。上位3人はいずれも後半の出演者です。元々力のある人たちが集う大会です。彼らは、前に登場する人のパフォーマンスを自分のエネルギーに変える力をもち合わせています。それでも見事な入賞でした。7人の入賞者が発表される時も、もちろん最初に名前が呼ばれました。出来栄えも『よかった!』です。堂々とした態度、抑揚と強弱に気を配った説得力のある話し方、そして着眼点。「優れた集団に優れたリーダーが要ることは当然だが、それよりもリーダーを補佐し、他を盛り立てながらまとめる一人の強力なフォロアーの存在が大事」自らの経験からのこの気づきは、今後の人生に大きく役立つはずです。
 6組の2年生3人が「向島ミュージアム」での発表をもとにして臨んだ社会科研究発表会もよく頑張りました。こちらも、昨年度「最優秀賞」を獲得していただけに、プレッシャーもありました。学習した内容を自らの生き方に結びつけ、なりたい自分像を滔々と謳ったラストには大きく心を動かされました。弁論も社会科研究発表も上位入賞者との差は僅かであったこと思います。
 中総文を終えるたびに「生徒に場を与えること」の大切さを感じます。中総文には、ここに紹介した他にも多くの部門があります。生徒はもちろん、先生も全部を知らないかもしれません。『あの子をこの場面に挑戦させたい!』すべてはそこから始まります。取組には時間と手間がかかりますが、後には、その生徒との絆がより深まったという実感が得られます。常に広くアンテナを張り巡らし、生徒に活躍の機会をドシドシ与えるべきで、これも教師の重要な役割だと思っています。やってみたいと思っている子、やれば力をつけたり発揮したりする子はいっぱい居ると思うのです。

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「新メンバーに期待!」
 徐々に気温が下がって秋になればよいものを、寒い日があったり暑い日があったりで、体調管理が難しいです。実際、マスクをした人が一気に増えました。風邪に対しては先ずは予防を、そして『ひいたかな?』と思ったら早めの対応を心掛けてください。
 さて、先週末から朝の校門が賑やかでした。生徒会の役員選挙があったからです。昨日(26日)の投票に向けて、立候補者は早朝から一生懸命に名前を売り込んでいました。初日は、照れくさいのか、あまり声が出なかったですが、2日目以降は大きな声で『〇〇に清き一票を!』と呼びかけていました。1年生のその様子が特に可愛らしかったです。3年生が後輩の応援をしていることも多いようです。候補者の隣に立ち、「□△さんを宜しくお願いします!」と声を張っていました。
 立会演説会は、生徒会長候補の演説から始まりました。このポストには2人が立っています。2人とも1年生の時から生徒会本部に所属して活躍してきた人です。大人数の前で話すことにも慣れています。公約も具体的で演説の内容が分かり易いです。生徒の目や耳には、どのように届いたのでしょうか。私は『甲乙つけがたい』と感じながら聴きました。他のポストはすべて信任投票でしたが、会長だけは選挙となりました。その経験と実力からして、生徒会本部にはどちらも必要な人材です。私が担当者なら競合しないよう別のポストを勧めたかもしれません。実際にそんなことがあったかもしれません。それでも、2人は生徒会長に拘り、どちらか一方が落選することにも納得した上での決断です。
 どのような結果になっても、当選した人は落選した人の分まで頑張ってほしいと思います。また、落選した人は、これに懲りずに学級や学年、部活動のリーダーとしてその力を発揮してほしいと切に願っています。
 「やっぱり、貫録が違っていたぞ。」「いえいえ、ずっと緊張していました。」
これは、応援弁士として壇上に上がった3年生と放課後にした会話です。本人はそう感じていたのでしょうが、1年間の経験の差は大きいです。初めて大舞台を経験した人とはその落ち着きが全然違っていました。緊張感に打ち勝って自分の思いを人に伝えなければならない場面は、今後の人生の節目節目で必ずやってきます。入試、就職、仕事内容、恋愛、結婚、昇進試験etc…、結構大きなプレッシャーです。そんな時のために、若いうちから緊張感を乗り越える経験をドンドンしておくとよいでしょう。
 夏休み中に、既に部活動では新旧交代が成っていましたが、生徒会もその時期を迎えました。先輩の築いてきたものを大事に受け継ぎ、時には大胆に変革して、向島中学校をより活性化してください。もう11月になります。3年生は入試に向けて本格始動です。向島中学校の生徒会は、活躍を期待して新メンバーに託します。

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「感動と共に後半へと続く…」
 今年は例年より2〜3日遅いでしょうか。あちらこちらからキンモクセイの芳香が漂っています。肌が引き締るくらいの気温の中、愛犬レモンを連れて散歩するこの季節の早朝のささやかな楽しみです。
 さて先週末、体育大会が終了しました。とても盛り上がった楽しく気持ちのよい感動的な「体育大会」でした。真剣な表情、はじける笑顔、そして涙…。生徒も先生も本当にテキパキと動きました。ここが気持ちよかった部分です。開会式では次のように述べました。
「大きな行事は一人や二人の力で成功させることはできない。皆が自分の仕事に責任をもって取り組むことだ。競技に出る時には全力を尽くすこと、準備や後片付けの場面ではそれを楽しみながら頑張ること。」
 全員が見事に果たしました。教育委員会の方や地域の方が言っておられました。
「全員が一生懸命で、とても気持ちのよい、素晴らしい体育大会でした。」
 各学年の取組で、特に印象に残ったことを綴っておきたいと思います。
 1年の「30人31脚」では、3組が、目標にしていた8秒を切ったからでしょう。タイムが発表された瞬間に大歓声を上げました。勝負では1組に敗れましたが、あの瞬間は良かったです。2組は2回ともレース途中でこけちゃいました。自分と周りを信じて前を見て突っ走った方がよかったのでは…。次があれば参考にしてください。
 2年は全員リレーが面白かったです。差が開きすぎたのが残念でしたが、全員が自分の持ち分を全力疾走しました。一生懸命に走るその姿が、観ていてとても気持ちよかったです。足の速い人が遅い人の分をカバーする工夫が随所に見られ、集団づくりの観点からも見応えがありました。
 6組の皆さんも頑張りました。100メートル走では普通学級の生徒を破って1着になった人もいましたね。大きな集団の中でも自分を見失うことなく、堂々としっかり行動できるようになってきたことがよかったです。
 3年は、綱引きと選手リレーが素晴らしかったです。綱引きでは、今年も全員が力を出し切りました。勝って大歓声を上げ、負けて地に膝をつく姿に瑞々しさを感じ、素直に感動しました。また、学級対抗リレーの選手入場の際、3年生全員がスタンディングオーべーションで迎えた時にはゾクゾクしました。レースも大変面白かったです。「中学生は迫力が違いますね!」とは隣で見ておられた向島南小学校の井川校長先生の言葉です。走り終えた選手たちの目に涙があったのにも心を動かされました。
 前週の学習発表会と音楽コンクール、先週末の体育大会、大きな行事が大成功で終わりました。同時に、ここで1年の半分が終わったことになります。さあ、向島劇場の後半にはどんなドラマが展開されるのでしょうか。楽しみでたまりません。

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「感動を今再び」
 学習発表会と音楽コンクールが終わって、早くも一週間が経ちます。途中に3連休があったせいでしょうか、もっとずっと前のことのように思います。学習発表会から振り返ってみたいと思います。
 各学年6組とも、よく練られた内容の発表でした。1年は“本校最後の卒業生”となる学年ならではのテーマで、学習してきた向島中学校の昔と今をうまくまとめて発表しました。これからの成長がとても楽しみです。6組の発表は、伏見にゆかりの深い坂本竜馬の生き方に学び、自分たちの将来を見つめるといった、社会科の要素も含んだ内容の優れた発表でした。2年は、“生き方探究チャレンジ学習”に焦点を当て、発表者が自らの生き方を見つめ直して、描く将来像を全校生徒の前で発表するという画期的な内容でした。3年は、目の前に迫った進路の問題にスポットをあて、市内の高校に出向いて学んできたことをまとめた内容を発表し合いました。特に、モデルさんたちが高校の制服に身を包んでフロアーを闊歩したファッションショーは盛り上がりました。どの発表も、学年の特徴がよく出ており、観る者を納得させる内容でした。
 翌日が音楽コンクールです。はじめの「校歌」の全校合唱で、今年度からホールを借りたことをよかったと実感しました。全校生徒の歌声が、体育館とはまるで違う響きだったことに気付いた人は多いと思います。
 とてつもない緊張感の中で1年の部が始まりました。「私の知っている中で一番の1年生」音楽科の藤田先生にそう言わせた素晴らしいステージでした。「この子たちを担任した先生方にこの姿を見せたい」二の丸北小学校の清水先生と話した内容です。6組の歌声にはなぜか涙が出ました。少ない人数でも他の学級に負けない歌声を響かせました。歌声とハーモニーの美しさに心が動かされたのです。将に“天使たちの歌声”でした。2年の部もよかったです。去年との比較で言えば雲泥の差です。去年は直前まで心配しましたが、今年度の彼らは素晴らしい合唱を響かせてくれるという確信がありました。その通りになりました。そして3年の部です。昼休みの練習から超盛り上がり、ホールは異様な雰囲気に包まれました。子どもたちが泣きながら指揮し泣きながら歌っています。学級がまとまり、同時に、各学級が異なる動きをしているのにも関わらず学年が一つになっていました。『もう、何処が勝ってもいいや』と思いました。学年合唱、各学級の合唱、素晴らしいステージが続きました。『このまま音楽コンクールが終わらなければいいのに…!』講評で述べたこの気持も偽らざるものです。
 すべての生徒が、素晴らしい舞台を演じ、入退場や聴く態度も含めて生徒全員で素晴らしいコンクールを作り上げました。感動的な一日であったと思います。
 一週間が経ち、さあ明日は体育大会です。あの感動と満足感とを今再び味わいたいものですね。それを目指して、明日は一人ひとりが全力で取り組んでください。

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「目標は最優秀賞、目的は…」
 立て続けに台風がやって来ては秋雨前線を刺激し、各地に大雨を降らせています。甚大な被害を出したところもあり、被災された地域や人たちには、一日も早い立ち直りを期待します。
 さて、10月になりました。いよいよ、最大の学校行事が行われる時期です。今週末には「学習発表会」と「音楽コンクール」、来週末には「体育大会」が計画されており、校内では、早朝から完全下校まで、生徒も先生もそれに向けて忙しく動きまわっているところです。
 先週末、3年の「音コン」のリハーサルを観に行きました。学年合唱の練習に続いて、本番通りに各学級の合唱を披露し合います。練習してきた成果を発揮して声高らかに歌い上げる中に、一つだけ様子のおかしいクラスがありました。全体的に声が小さく、頑張っていた人たちまでも徐々に士気を低下させ、最終的には、『おいおい、どうした?』と言いたくなるような状況になりました。指揮者は涙を流しながら腕を振っています。そう言えば、職員室前でこの生徒がべそをかきながら先生と話をしているのを見たこともあります。練習の時から上手くいっていなかったことが想像できました。それにしても、リハーサルでのこの状態は厳しいです。担任の先生の様子をそっと見ました。先生も指揮者と同様、泣き出しそうな、何とも言えない表情でじっと子どもたちを見つめています。情けなさ、憤り、悲しさ、ふがいなさ、寂しさ…etc、自分自身にも向けられたそのような感情を胸に押し込めての見守りであり凝視です。
 リハーサルの後の学活は、どのように進行したのでしょうか。
『自分が担任だったら…』何度もそんなことを思いました。
 昨月曜日の放課後、1年の学年練習を見終えて体育館を出た瞬間、そのクラスの歌声が第2音楽室から響いていました。大きく美しい歌声です。思わず階段を駆け上がりました。音楽室の扉を開けた瞬間、そこにあった光景が今も脳裏に焼き付いています。身体を前後にゆすって声を出す男子。掛け合いを楽しむかのように美しく歌い上げる女子。重くしっかりとした、それでいて弾むような伴奏、嬉々として腕を振る指揮。週末とは全く別の集団の姿がそこにありました。
 週末の学活の様子、生徒の思いと決意、担任の先生の熱い気持ちと呼びかけ、それを支える学年の先生方の姿、一気に想像した様々なものが、目の前の信じられない光景と重なって大きく心を動かされました。リハーサルの段階では誰の目にも最下位だった学級が、今、優勝候補に名乗りを上げたと言っても過言ではないかと思います。
 「結果」よりも「過程」が大事。この状況を見ると将にそうで、もう十分に「学級集団(仲間)づくり」という「目的」は達成しました。確かにそうですが、5クラスの力が拮抗しているこの状況まで来たからには、あと3日間、どのクラスも「最優秀賞」という「目標」に向かって、できる限りの取組をしてほしいと思います。

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「行事で育つもの」
 “秋の日はつるべ落とし”昔の人は上手くいったものです。ところで、“つるべ”を知らない人が増えているのではないでしょうか。はて、うちの若い教員たちは知っているのでしょうか。昨日、国語の授業を観ていて同じようなことを思いました。慣用句やことわざの学習だったのですが、「ぬかに釘」「のれんに腕押し」を教える際に、先生が「ぬか」と「のれん」の説明をしていました。確かに、特に「ぬか」は具体物を見たことのある生徒が少ないかもしれません。
 秋分の日がすんで、昼の時間がドンドン短くなっていきます。ついこの間まで7時半くらいまで明るかったのに、今は6時で既にうす暗くなっています。
 さて、この時期の学校は活気に満ちています。特に放課後は生徒も先生も大忙しですが、イキイキと楽しそうに動き回っています。合唱の練習、学習発表会の練習、“めくり制作”などの音コンの準備、体育大会の準備などです。そうそう、4時以降は部活動を頑張る声も校内に響き出します。
 特に、夏休みで部活動を引退した3年生たちは、新しい活躍場所を見つけたとばかり積極的に動いています。元々、部活動に熱心な人たちは学校が大好きなので、何事にも一生懸命取り組みます。一生懸命に取り組むから楽しいし、楽しいから尚更頑張ります。一方私もこの活性化した学校のムードの中、子どもたちと劇づくりや展示作品づくり、合唱の練習に励んだ日々のことを毎日のように密かに思い出しています。
 行事の意味について、改めて考えてみました。行事の目的は、ひと言で言うなら「仲間づくり(=人間関係づくり)」です。PCやスマホ、SNSの発達によって一人で遊ぶ子どもたちが爆発的に増えました。それにつれて、人間関係をうまく結べない若者が増えてきたと言われています。若者のコミュニケーション力不足が国民的課題のように言われて、もう随分長くもなりました。
 行事を作り上げていく際には、自然とコミュニケーションが生まれます。時にはぶつかることもあるでしょうが、それもまた勉強です。どんな言い方や行動をすれば人は嫌がるのか、あるいは喜んで共に動くのか、経験しなければ分からないことがたくさんあります。対立したり共感したりしながら一つのものを作り上げるからこそ、出来上がった時に感動が生まれるのです。そして、その感動が子どもたちの心を育てます。教科の勉強が出来ることはもちろん大切ですが、豊かな感性と温かな心をもち、人と接することが上手な人って素敵ですよね。 
 保護者や地域の皆様、来月には様々な発表の場があります。子どもたちが仲間と協力しながら作り上げてきた有形・無形の作品を是非見にきてやってください。
 真剣な眼差しと心からの応援が、子どもたちをまた大きく成長させてくれます。

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「自信と誇り」
 1年間アメリカに留学していた下の息子が帰ってきました。食事のためか運動不足のせいかは分かりませんが、身体が一回り大きくなったように思います。出発するまでは
『1年は長いなあ。大丈夫やろうか』と心配もしていたのに、過ぎてみれば“あっ”という間でした。それにしても、近頃の留学は勉強しに行っているのか遊びに行っているのかよく分からないような内容です。サンフランシスコは東京と変わらないほど(あるいはそれ以上に)物価が高いということですが、たくさんお金もかかりました。巨額の投資をしたのだから、しっかりと学んでいてもらわないと困ります(笑)。
 見分は随分と広めたようです。話題は直ぐにアメリカのことになります。彼が語る内容を聞いていると、私もそこを訪れたくなります。自分の目で見、耳で聞き、香りをかぎ、そのものに触れ…、体験した者にしか理解できないことがあると思います。それを大切にして今後の人生に活かしてほしいです。帰国して、彼の将来への考え方が変化もしました。英語力を活かした職業に就きたいという気持ちが一層強まったようです。視野も広がりました。私などが想像もできないようなことを言ったりもします。また、世界各国から人々が集まるサンフランシスコにあっても、ヨーロッパ諸国からの留学生と比べると、アジア人は低く観られているといった差別感を感じたとも言っていました。我が子ながら、学び成長した姿を頼もしく思います。また、彼自身の人生において、少しばかり自信と誇りをもてたようにも感じています。
 昨日(22日)、二の丸北小学校の運動会を観に行きました。「跳びはねる」という表現がピッタリな、小学生の軽やかに走る姿に爽やかなエネルギーを感じました。その中でも特に、最後に行われた5・6年生の集団演技には感動を覚えました。
 「二の丸北小学校最後の運動会をよいものにしようと一生懸命取り組んできました…」代表児童による演技前のコメントの通り、今年度を最後に閉校となる自校での運動会を思いっきり楽しみ、盛り上げようとする児童と教職員の思いが溢れた演技でした。途中から激しい雨が降り出したのですが、子どもたちは全く気にすることなく演じ切りました。まるで、激しい雨が予め考えられていた“演出”であるようにさえ感じたくらいです。保護者や地域の方も彼らの姿にくぎ付けになって見守っておられました。私の横の清水校長先生は、何度も眼鏡の奥の目頭を押さえておられました。
 1年間の留学生活と運動会での集団演技。異なるものではありますが、共にやり切った満足感と自信、自分に課せられた責任を自覚しそれを全うした誇りを感じます。そして、それらが彼らを逞しく成長させました。
 自信と誇りを感じて行動する様は眩しいくらいに輝いています。

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