京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2019/03/28
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3月25日(月)26日(火)は紫野小学校で統合式の練習を行います。

読書文化を家庭に

 先日、土曜学習で「図書館へ行こう」という企画をしたところ、11名の申し込みがありました。高学年は部活動の練習などもあり、低学年中心となりました。一度も図書館へ行ったことがないという児童もいました。図書館の存在と、本に囲まれて、ゆったりとした時間を過ごしてほしいという当初のねらいは達成できたように思います。
 休みの日など、家でゲームばかりするのではなく、いろいろな絵本を読んだり、図鑑を眺めたりして時間を過ごしてほしいと願っています。また、これから暑い季節となりますが、空調も効いていて快適な図書館は、大人にとってもお勧めの場所です。親子で行っても十分に楽しめる空間だと思います。当日も、新聞や小説を思い思いに読んでいる大人の方が子供よりも目立ちました。
 読書は、子どもたちの脳の発達に大いに貢献します。本を読んでいると、子どもたちは知らず知らずのうちに頭の中でお話を映像化しています。観客としてばかりでなく、時にはその主人公であったり、作者であったり、監督であったりするのです。そして、同時に、様々な感情や考えを巡らせているのです。読書を通して、知識ばかりでなく、生き方についても学んでいくのです。ゲームやテレビのように受動的ではなく、あくまで読むという能動的な行為をしなければ、前へ進むことはできません。そのためには、国語力だけはなく、忍耐も必要です。しかし、話の展開への期待や知的好奇心が、その困難さを乗り越えさせてくれます。そんな読書文化を、学校でも、家庭でも根付かせたいものです。
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鍛えれば力はつく

5月,6月と児童の宿泊学習の引率に行ってきた。5月25日〜27日の2泊3日で,4年生を三重県の奥志摩みさきの家に連れて行った。6月24日〜27日の3泊4日で,5年生を花背山の家に連れて行った。みさきの家は,いつ行っても児童の成長を感じられる。花背山の家では,泊数が多いこと,対象が高学年の5年生であること,登山を含む挑戦的なプログラムがあることなどから,さらに大きな成長を感じる場面が見られる。
家やビルに囲まれ,テレビやゲームが日常的にある都会生活になれた子どもたちにとっては,野外活動は,目にするものすべてが新鮮である。テレビもゲームもないが,非日常の中で,子どもたちが思わぬ力を発揮するところが宿泊学習のいいところである。楽しい活動が目白押しで,多くの児童が帰り際には「もっといたい」とつぶやくのもよくわかる。
 さて,今回の宿泊学習では,私なりに一つのテーマをもって臨んだ。それは,一日の振り返りをする反省会の進め方についてである。みさきの家の参加児童6名,花背山の家は参加児童8名であったが,ともに4名の引率教員がいた。反省会は,通常,班で一日の反省を話し合い,しおりにまとめて終わるケースが多い。今回は,小規模校の特性を最大限に生かして,以下のように進めた。
 まず,児童は,一日の振り返りを自分一人で考える時間を数分与えられる。
次に,子どもたちは,引率教員一人一人に自らの振り返りを話す。一人一人の引率教員から,おのおのアドバイスをもらい,そのたびにアドバイスを生かして自らの振り返りを作り直す作業をする。
各引率教員は,お互いにどんなアドバイスをしたかは知らないが,ときには児童の振り返りに別の要素を加えるように言ったり,逆に削った方が良いところをアドバイスしたりした。また,「一つ目は,…。二つ目は,…」など,形式面での助言をするケースもあった。
 最後に,全員の前で自分の振り返りを言うのである。初めに聞かせてもらったものよりも,はるかに内容の深まった反省となっていた。
 5年生の山の家では,さらにレベルを上げてみた。全員の前で発表する際に,次に言う人が,聞いた内容についてコメントするという活動を入れてみた。聞き方に大きな変化が見られた。さらに,発表者がコメントを受けて,一言返すという活動も入れてみた。どんなコメントが出されるかわからない中で,臨機応変な対応が求められるが,子どもたちは立派に返していた。
 人前で話すことが苦手な児童もいた。三日目の反省会の際に,数分の沈黙が続くような場面もあった。しかし,その子は,行きつ戻りつしながらも,最後まで発表を続けることができた。聞いている児童も,きっとその子の心の中の葛藤が見えたからこそ,じっと黙って待っていたのだと思う。その児童が,解散式の最後の言葉を担当した。全く原稿なしで自分の感じたことを4点にまとめて立派に発表してくれた。
 実は,5年生は,最終日の午後から4日間を通しての振り返りも行った。そこでも,毎日行っていた反省会の形式を利用して,さらに高度なことを要求した。まず,ペアを作り,一つ目の質問に答えるというものであった。質問は,「三泊四日の活動でもっとも心に残っていることは何ですか? また,それはなぜですか?」というものだ。一方が質問し,もう一方が答える。答えてもらったことにコメントを加え,さらに,そのコメントに対して,もう一言付け加える。終われば,質問者が交代する。時間が余れば,今回の活動に関係することを相互に質問したり,答え合ったりしてよいと伝えた。話しは途切れることなく,5〜6分は十分につながった。ペアを替えて「4日間を通して,見つけた自分の弱点や長所について」「4日間で,自分が感じた自らの成長,変わったところについて」といったテーマで伝えあいを行った。あっという間に1時間の反省会は終わってしまったが,児童の顔には満足感が見て取れた。
 総まとめという意味で,7月1日の朝会の際に,5年生が縦割りグループに一人ずつ入っているので,縦割りグループの中で「もっとも心に残ったこと」「自分の成長・変化」いついて話をしてもらった。まだまだ声の大きさや話し方などに課題は多いものの,教職員も,5年生の成長を感じられた時間となった。
 言語活動の充実が叫ばれる中,教科学習だけではなく,宿泊学習においても鍛える機会はある。すべては,教師の意識に負うところが大きい。また,そのためにどのような手立てを打つかという点も重要である。少人数ならではの取組ではあったが,鍛えようによっては,子どもの可能性を広げられると実感できた瞬間だった。

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