ある日,あなたは幼い弟か妹,もしくは近所の子供から質問されます。
「ねえ,右ってどっち?」
あなたならどう答えますか?
「おはしを持つ手の方が右だよ!」…これはよく言いますね。その子が左利きなら,「お茶碗を持つ手の方」になりますね。
「車道用の信号機の赤色がある方向」…確かに,日本人ならこれで通じる。
「北の方角を向いたとき,東の方角にあたるのが自分にとっての右だよ。」…ちょっと子供には難しいかもしれませんが,地球上にいる限りこれが正解。
うん。かんたん,かんたん♪
…では,「右ってどっち?」と聞いてきたのが,遠い遠い宇宙空間に浮かぶ宇宙船の中から交信してきた宇宙人だとしたら…。そして,その宇宙人とは画像や映像などのやりとりができず,音声のみでしか会話ができないとしたら,あなたはどう答えますか?
「おはしを持つ手の方」…はたして宇宙人はおはしを使うのでしょうか?そもそも手があるのか?
「車道用の信号機の赤色の方」…宇宙人は信号機なんて見たことがないかもしれません。
「北を向いたとき,東の方角が右」…この質問に宇宙人はこう答えるのです。「じゃあ,キタってどっち?」と。地球の姿が見えないくらい遠くにいる宇宙人に,地球上の北の方角を教えることは,「右」を教えるのと同じくらい難しい。
さあ,あなたは文化も体も常識もまったく違う,遠く離れた宇宙にいる宇宙人に,「右」という概念を言葉だけでどのように説明しますか?
この話は「オズマ問題」といって,実は20世紀にあらゆる分野の学者たちを悩ませてきた超難問です。そのため,1950年代に導かれた答えも,実に難解なもの。
しかし,私は中学生たちの発想力に期待します!もっと簡単で,宇宙人に「なるほど!」と言わせられるような答えはないだろうか!後日の解答編まで,考えてみてください!