最新更新日:2024/09/25 | |
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憲法記念日に寄せて
5月3日は、憲法記念日で国民の祝日と定められています。今日は、憲法についてお話をします。
1945年(昭和20年)8月15日、第二次世界大戦で日本が敗戦した後、それまでの軍国主義とそれに結び付いていたものをなくし、新しい国づくりが始まりました。その中で、これからの日本をどんな国にしていくのかを決める基本になる憲法の改正は、最も重要なことでした。1945年10月、軍国主義に結び付かない、国民が幸福に生活が送っていけるような民主的な憲法を作ろうということになりました。政府が中心となり、各方面の意見を聞き、いろいろと討議や修正をし、1946年(昭和21年)11月3日に交付され、翌年の1947年(昭和22年)5月3日から施行(しこう)されました。これが今の日本国憲法です。 この憲法は、前文と11章(しょう)103条(じょう)からできていて、民主的で多くの優れた特色を持っています。その中で3つの大きな原則について話しましょう。 その第一は、「国民主権」ということです。 国家の仕事のすべては国民の考えに基づかなければならないことです。 第二に、「基本的人権の尊重」ということです。 これは、すべての人が生命、自由、幸福を求める権利を持っていて、この基本的な人権を守ることは国家の最も大切な仕事であると決めています。 第三に、「平和主義」ということです。 この世の中から戦争をなくすために、日本はいっさい戦争をしない。そして、平和を愛する世界の国々と手を握り(にぎり)、お互い信頼し合って世界の平和を築いていこう。国と国の争いは、戦争や力でなくて話し合いでまとめましょうと書いてあります。 特に、この3つの大きな原則の中で、中心となる「基本的人権の尊重」は、人類の長い歴史の中で、たゆまない努力を積み重ねて確立したものです。私たちの侵(おか)すことのできない永久の権利として、お互い尊重し合って守っていかなければなりません。 皆さんの身の回りを考えてみましょう。 1)人の嫌がることを言ったり、したりして、弱い者をいじめていないか。 2)そのような行為に無関心でいたり、何もせずに見ているだけで仲間はずれにしていないか。 3)相手の立場を考えない迷惑行為や、命の尊(とうと)さを無視した暴力行為などはしていないか。 4)その結果、大切な人を悲しませたり、周りの人の心や体を傷(きず)つけていないか。 こうした行為は、人権を無視した行為で、日本国憲法の精神に反しています。言い換(か)えると、「一人一人が大切にされ、みんなが気持よく学習できる楽しいクラスを作らなければいけません。」と日本国憲法は言っているのです。 今一度、君たちの学校生活を振り返って欲しいと思います。学年や学級そして、部活動などで、機会あるごとに人権の大切さについて、話し合い、暴力のない、いじめのない、差別のない、「一人一人が大切にされ、生き生きと学ぶことのできる学校」を作って欲しいと思います。 北野中学校 校長 恒川 圭一 創立記念日 学校長講話
今日は北野中学校の創立記念日です。北野中学校は昭和22年5月、京都市立第二商業学校内に併設され開校しました。今からちょうど69年前です。学校の伝統は生徒の皆さん、保護者や地域の方々、教職員の思いや願いによって築(きず)かれるものです。伝統は受け継いでいくものであるだけでなく、創り上げていくものです。そういった意味で毎日毎日が伝統作りです。今年は創立69周年。先輩達が築いてきた北野中学校の良さとは何か、より発展させたいものは何かをこれを機会に考えていきたいものです。
北野中学校の歴史を語るとき、「双樹」のことを考えないわけにはいきません。「双樹」は校歌でも歌われています。PTA会誌の名も「双樹」です。時々卒業生が「双樹」を見たいといって訪れてきます。北野中学校のシンボルツリーである「双樹」が人々の心を惹(ひ)きつけるその魅力とはいったい何でしょうか。 その一つは長い年月を生きてきたことだと思います。樹齢は推定ですが200年を超えると言われています。それが正しければ、双樹は江戸時代からこの地に静かに佇(たたず)み、世の中の様子や人々の暮らしをみてきたことになります。私たちの一生を超え続けているものがそばにあることは、小さくなりがちな私たちの心を豊かに広げてくれます。 もう一つは「双樹」という名の通り、二本の大樹が寄り添うようにしてそびえていることだと思います。夫婦・兄弟(きょうだい)姉妹(しまい)・友達が助け合い、励(はげ)まし合って関わっている。樹の種類が違い、当然枝振(えだぶ)りが異なる「エノキ」と「ムクノキ」がそれぞれの特徴や良さを生かしながら関わっている姿に、わたしたちは人間関係のあり方を見ているのかもしれません。 四季折々(しきおりおり)、さまざまな表情を見せる「双樹」から、私たちは多くのことを学んできました。「双樹」を見ると、「双樹」も見つめ返してくれます。「双樹の物語(歴史)」を語ってくれます。 平成18年11月7日、突風によりエノキが倒れたことによって、「双樹の物語」の第一章が終わりました。第二章は二世代の植樹を23年11月17日行い、始まりました。 10年後、20年後、北野中学校のシンボルツリー(樹木は生長(せいちょう)のシンボル)である「双樹二世」がたくましく育っていることをみなさんとともに心から願いたいと思います。 北野中学校 校長 恒川 圭一 入学式 式辞
今日から中学生としての、第一歩を歩み出す、新入生の皆さん、皆さんは、今、人生のなかで、心も体も最も成長する、大切な時期を迎えようとしています。この大切な中学生の時期を、少しでも有意義に過ごすために、今日は3つのことをお願いしておきたいと思います。
1つ目は「課題を見つけ解決できる生徒」です。少し難しい表現ですが、「学んだことを知識として蓄え、そのことを知恵として活用できる生徒」という意味です。すなわち「生きる力」を養ってほしいということです。 2つ目は「豊かな心をもつ生徒」です。「美しいものに感動する心・正義感や公正さを重んじる心・生命を大切にし、人権を尊重する心」など、自分や他人は勿論のこと、すべての存在するものに「優しさと愛情を持った人」になってほしいという意味です。 最後に「明るく健康な生徒」です。 「心身の健康を維持し、意欲や気力の充実にともなって、毎日を明るく生き生きと生活できる生徒」になってください。 学校は、楽しい所でなければなりません。何でも話せる多くの友達や先輩、優しく接してくれる先生の存在。思い切り、活動のできる部活動、自主企画で運営される生徒会活動や学校行事。意欲を持ち、積極的に関われば、その楽しさは無限大です。この3年間の中学校生活を思う存分楽しんでください。 そこで、今の日本の中学生の抱える問題を話しておきます。 現代は、「国際化と情報化」が融合した、様々な垣根を越えたグローバルな時代となりました。情報機器もスピードを加速させて目覚ましい発展を遂げています。これからの人間として、これらのツールを使いこなせる能力は不可欠な要素です。しかし便利な故に、その使用を間違えれば大きなリスクを背負うことにもなります。 特に、中学生においては「スマートフォン」における問題は全国的にも深刻な問題を抱えています。「スマホ」は、通話機能付きの小型パソコンです。パソコンの前に座らなければ利用できなかったネットを、手の中に四六時中持ち歩ける状態になりました。そんな状態で、多くの中学生や高校生が利用しているのが「LINE」に体表される無料通話アプリです。「スマホ依存」という造語が示すように、自分の意思で利用をコントロールすることが難しくなったり、仲間外れにされるのではないかと不安でイライラして日常生活に支障を来していることもあります。 情報の伝達手段が日々進化していく中で、スマホに使われるのではなく、スマホを賢く使う方法を考える。大人も子供も暮らしの中になくてはならない存在となったネットやスマホとの付き合い方を考え、健全な中学校生活を歩んでください。 平成28年4月7日 京都市立北野中学校長 恒川 圭一 |
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